八
お久しぶりです。遅くなって申し訳ないです
それに短い・・・
『スタンダードミサイル、全弾命中を確認。敵機六撃墜。敵編隊に乱れが生じました。操縦を誤り、ぶつかったものもある模様です。光点五さらに消滅』
CICからの報告を黒沢は黙って聞いている。相間も無駄に声をかけるような真似はせず、ミサイルの吸いこまれていった方向を睨んでいた。
これなら、防げるかもしれない。そう思った時、轟音と共に光風が星龍の飛行甲板から飛び立っていく。垂直離着陸機である光風は、空軍の心神のような豪快さはないが、狭い甲板の上での鮮やかな発艦を行っていた。
「副長、次弾で止めろ。後は光風が処理をしてくれるだろう」
相間が「了解」と返すと、黒沢は艦長席に座って、水平線に目をやった。
その先に見えるものは何かはわからないが、彼の目には何かが映っていた。
相間が黒沢の命令を伝え終わると、第二射の後、後部甲板からは何も聞こえなくなった。窓の外に意識を投げたまま、こちらへ戻ってきていない黒沢の頭に、相間は声をかける。
「艦長、これからはどうしますか。司令はカンカンに怒っていられると思われるのですが。何もしなくてよいのですか」
頭をわずかに傾けてこちらを向いた黒沢は、悪童のような笑みを浮かべて返してきた。
「大丈夫だよ。秋山司令はキレ山で冷え山なんだから、ほっとけばいい。猫と同じで、三歩ぐらい足を動かしたら忘れてるさ」
いつも以上の穏やかな声に、艦橋内から失笑が漏れた。相間も口元を緩めながら、黒沢に言った。
「分かりました。このまま、レーダーの情報を伝えるだけに徹します」
自分からの答えを受け取った黒沢は、よろしいと言うように頷いて、また水平線の彼方に目を移した。
ここをこうした方がいいなどのご意見がありましたらよろしくお願いします