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天花降る  作者: たき@現在多忙につき執筆停滞中
第1章 荒らし花
6/16

(5)

 衛士の交代の時を見計らい、金鵄は密かに麗香舎を出た。暁より少し前の時分であった。

 まだ天空は青黒く、月も白くかすんでいる。しびれるような寒さであったが決して悪い気はしなかった。浅はかな女をさらなる愚へ落とすことができたゆえかもしれなかった。

(かわいげがないわけではないが、な)

 その美しさは牡丹族でも指折り。声については他の追従を許さぬ優れた色である。夜を通してあげていた烏羽玉妃の嬌声を思い起こし、金鵄は吹く風よりも冷ややかに嗤った。

 所詮は慰みものに過ぎぬ女。隣の舎でまぐわいあうことにより、己にかの幻影を見せるだけの価値しかない。

(痴れ者はわたしも同じか)

 金鵄は自嘲に目を伏せた。このようなことをしてもゆがんだ喜悦と優越感、そして虚無感しか得られぬというのに。

 あげく、()()()()()()()まで拾って――。

 夜風がなぶるように頬を打っていく。乱された黄色の前髪をかきあげた金鵄は、そこで凍りついた。月明かりと篝火に照らされる庭を影がよぎったのだ。

 金鵄は驚汗した。己が行為を見とがめられることに、釈明の弁をめぐらせる。しかし影の主は金鵄に気づいていないようであった。ガサガサと騒ぐ牡丹の花や葉にまぎれて無心のさまで駆けていく。途中小さな悲鳴が上がり、葉陰がざわついた。

 それきり動く気配のないことを見定め、金鵄は庭へ下りた。忍びやかに近寄っていく。葉をかきわけてのぞきこんだところで、金鵄は驚愕に大きく息を吸った。

「あなたは――」

 枝に衣をとられてうずくまっていた女が、金鵄のつぶやきにびくりと身を縮める。

 金鵄は震える指で女の衣をつかんだ。女がいっそうこわばる。だが金鵄が人を呼ばないことにいぶかったのか、やがてそろそろと顔を上げた。

 わずかな月の光が女の顔容をあらわにする。その目にはうっすらと涙がにじんでいた。女の唇がかすかに動き金鵄の名を吐息に刻むのがわかり、金鵄は目を細めた。

「衣を」

 金鵄は枝にかかった上質の衣を丁寧にはずしてやった。大きな穴が開き裂けていることよりも、袖の汚れと臭いのほうに注意をひかれた。

 女はもはや逃れようとはしなかった。黙したまま唇を引き結び、ただ震えている。

「早く局へ」

 手を引いて立たせると、女ははっと金鵄を見上げた。金鵄は柔らかく微笑み、言葉の代わりに女を抱きしめた。それは長年の夢が形となって現れたものであり、金鵄にとっては幸運以外のなにものでもなかった。

 荒い風が吹きすさぶ。金鵄は風から女をかばうがごとく、より強く抱きすくめた。

 女は抗わない。このしなやかな肉体の感触とむせるような匂いを、金鵄は生涯忘れられぬと思った。



 渓王が晴れやかな様子で帰郷するさまを見送り、まずは大役を一つ終えたことに貴王は深く息をついた。

 夜通し寿咲殿の警護を務めた者たちをねぎらい休息を与えた後で、くつろぐべく湯を浴びる。白装束より平服に着替え朝餉を食してから、貴王は雪重を召すよう女官に命じた。

 昨夜ともに過ごせぬことを知り、雪重は激しく嘆き泣いていた。終わりしだいただちに呼ぶことを約束し、貴王はようようなだめたのである。

 若々しい面輪を心に浮かべながら、貴王は雪重が嬉々としたさまで走りこんでくるのを待った。しかし予想に反してその参上は遅かった。

 待てども待てども来る気配はない。不審に思った貴王のもとへ、先に遣わした女官が戻ってきて耳打ちした。

「……何と?」

 貴王は常芳舎へと急いだ。淑生舎を通り、麗香舎を過ぎ、殿舎を渡す打橋を越えた常芳舎の廊に、汚物がまき散らされていた。渡るに渡れぬ女官たちが立ちつくし、うろたえているのが見える。雪重の姿はなかった。

「王っ」

 貴王に気づいた女官たちが涙声で助けを求める。貴王はしばし呆然としていたが、しだいに怒りがこみ上げてきた。

「早う片づけよ」

 衛士や頌貴殿の女官たちも騒ぎを聞きつけて集まってくる。下男が汚物をきれいに取り去ってからも、床に染みついた臭いは消えず、貴王は袖で鼻を隠しながら、せりあがる吐き気をこらえて常芳舎へ入った。

 御簾をめくると雪重はうつぶして泣いていた。透ける陽光が雪重の衣に御簾の模様を浮き上がらせている。貴王は近づき膝をついた。後ろから雪重の肩にそっと手を置く。

「王……」

 ふり向いた雪重は、涙で化粧が崩れてしまっていた。

「もう泣くでない」

「あまりなことにございます。このように無情な仕打ちを受けて、わたくしは悔しゅうてなりませぬ」

 雪重は貴王の胸にもたれ、激しく嗚咽をくり返した。

「これはまた、朝から騒々しいこと。外にまでよく聞こえますよ」

 光沢のある黒紅色の髪と瞳。凄艶な美貌の持ち主である烏羽玉妃が二名の女官を連れて、局へと入室してきた。

「赤子でもあるまいに、何と見苦しい」

 烏羽玉妃は軽侮のまなざしを雪重へ投げた。白粉が汚らしいまでにとれた雪重とは対照的に、鮮芳色の衣装をまとった烏羽玉妃は念入りに化粧をほどこしている。

 雪重は烏羽玉妃をにらみつけた。

「見苦しいのはあなたのほうではありませぬか。王の寵愛が薄れたからとわたくしに嫉妬して、このような卑劣なまねをっ」

「これは心外な。わたくしを疑うのか? 貴妃であるわたくしを、たかが女官の分際で」

 雪重が言葉をのみ込む。瞠目したままわななく雪重を、烏羽玉妃はさらに叱責した。

「無礼にもほどがある。いったい何様のつもりか?」

「わたくしはっ……」

「よさぬか、二人とも。妃は局に戻れ」

 雪重とにらみあっていた烏羽玉妃は、やがて視線をやわらげた。偽りの慈悲深さを表した笑みで貴王を諭す。

「王、もうじき交合期がまいります。お戯れもほどほどになさいませぬと、王のお言葉を真に受ける浮かれ女が増えまするぞ」

 大笑しながら烏羽玉妃は部屋を出ていった。とたん、雪重は再び泣き叫びはじめた。

「口惜しゅうございます。王、わたくしを妃にしてくださいませ」

 しがみつかれ、貴王は困惑した。

「あれは間違いなくあの女の仕業にございます。あの女しかおりませぬ。それを開き直るなど、何と性根の悪い」

 おそらく烏羽玉妃のしたことであろうと、貴王も思った。しかしはじめ感じた怒りはすでにおさまっていた。わめき乱れる雪重の姿に、むなしさともとれる冷えた感情が心の内を染めていく。

「落ち着くのだ。そのようなことを口にしてはならぬ。あれもわたしの妃……誹謗すればそなたのほうが罪に問われる」

 烏羽玉妃の言うとおり、いかに貴妃殿の一舎を与えられようと、雪重は女官なのだ。その女官の身分で貴妃を侮辱すれば、謹慎程度ではすまなくなる。

「では、わたくしを妃にしてくださいませ」

「その話ならば、連鶴大臣が準備を進めているではないか」

「今すぐにでございます。もはや待てませぬ。今この場で、わたくしを妃としてお認めくださいませ。皆に示してくださいませ」

「……誰か薬湯を持って参れ」

 貴王は入口付近に群がっている女官たちに命じた。運ばれてきた薬湯を飲ませ、そのまま雪重を寝かしつける。それから貴王は登華殿へ戻ると、誰も近づけぬよう侍従に申しつけ、眠りについた。

 この日を境に、雪重と烏羽玉妃はしばしば諍いを起こすようになった。互いにあることないことを言い広めて中傷するのは常のこと。奉納祭に向けて麗香舎に美しい衣が届けられれば、劣らぬほどの織物が常芳舎にも運ばれる。次に常芳舎が質のよい白粉を得たと知れば、麗香舎では色のよい紅が披露された。

 雪重は貴王の寵愛を受ける身であることを強調し、またいずれ妃として輿入れすることも楯に烏羽玉妃に対抗した。しかしもともとその異例の待遇が他の者の感情を害していたこともあり、両者の争いを面白がりこそすれ、雪重に味方する者は烏羽玉妃に味方する者よりもはるかに少なかった。



 数日を経て、陽々とした昼に貴王は頌貴殿安香舎を訪れた。彩り豊かな衣装をまとった母后と居並ぶ女官たちの姿を目にし、安堵する。

 ここへ来るたびになぜか心休まる気がするのは、風通しがよいせいか。さまざまな香気が立ちこめながら決してよどんだ印象のないこの殿舎を、貴王は常よりも快く思った。

「これは王。お忙しい時期に、いかがなさいました?」

 常磐色の衣を身につけた太后が首をかしげる。貴王は女官に差し出された円座に腰を下ろした。太后と向かい合う形になる。

「貴妃の方々に贈る衣は決まりましたか?」

「実はそのことでご相談に参りました。気の利いた女官を一人、お借りしたいのです」

 毎年この時期、貴王は妃に衣を贈っている。今年は奉納祭を控えているため、花精たちはことさら着飾ることに執心していた。ましてその美貌により花王――すなわち花源郷において王の中の王であると、花精たちよりほめそやされている貴王である。その妃を一目見ようと、他王たちが密かに期待を抱いていることは明白であった。

 貴王とて、美しさについては何ら問題のない妃たちをよりいっそう光らせることに無頓着ではなかった。ただどの妃に何を与えるかを思い、また己にも衣をと雪重が泣いてせがんできたことで、貴王は心労にすっかり気が滅入っていた。

 雪重に保護欲を揺さぶられ、貴王は可能なかぎりその願いを叶えてやっている。烏羽玉妃への対抗意識に燃える雪重にその本質を見た気もしたが、泣かれ甘えられるとつい許してしまうのである。

 このたびも貴王は、求められるまま雪重に衣を与えることにした。すると当然のことながら烏羽玉妃を絡めた問題が起きてくる。互いに相手よりもよいものを望むがゆえに衣選びは滞ってしまい、貴王は優れた女官を集めている母后を頼ることにしたのである。

「玉芙蓉、そなた王に力を貸してやってはくれぬか?」

 太后は近い位置に控えている玉芙蓉に目をやった。名指しされた玉芙蓉は一度は辞退したが、貴王にも請われたために引き受けることとなった。

「それはそうと、王」

 玉芙蓉を連れて退出しようとした貴王を、太后が呼びとめた。

「王は太子の頃に妃の候補としてあがった姫をすべて、覚えておられますか?」

 貴王はしばし思考をめぐらせた。

「いいえ、はっきりとは」

 曖昧に答えると、太后は言なく微笑んだ。貴王はいぶかったが、玉芙蓉に促され、安香舎を後にした。

 貴王より数歩下がって歩く玉芙蓉に、すれ違う女官たちが嘲弄のまなざしをそそぐ。琵琶の名手である玉芙蓉は宴の場では賞賛の対象となるが、普段はその容姿の美しくないのを笑われる存在であった。貴王と並べばいっそう不釣り合いであると、どの目も語っている。『醜花』ではないが、肥えた肉体が何よりも蔑まれる原因であった。

 貴王はかしこまりながら嘲笑をかみ殺している二名の美しい女官をにらみつけた。女官たちは貴王の不興をかったことに気づいたのか、慌てたように深く叩頭する。それを過ぎた後で貴王は玉芙蓉をふり向いた。

「……何か?」

 玉芙蓉はまるで気づいていないのか、不機嫌な面容の貴王を不思議そうに見返した。それを見ると貴王は何も言えなくなる。玉芙蓉が気にせぬのならばよいかと嘆息を漏らすしかなかった。

 ふと玉芙蓉の顔色に変化が生じた。その淡紅色の双眸が見据える先へと貴王も視線を移す。向かってくるのは貴王の異母兄、金鵄であった。

 凛々しい面の貴王とは対照的に、金鵄は柔和な女顔である。優しげな美貌はしかし、鮮やかな黄色の髪と瞳により決して気弱な印象を与えず、むしろ内に秘めた熱を感じさせる。それゆえか、臣籍に下ったとはいえ金鵄を慕う女は多い。御殿内では貴王よりも金鵄と噂の立った女のほうが、その数はまさっていると思われた。

 貴王は唇を引き結んだ。王位継承者以外の御子はすべて臣籍に下る中、金鵄は最後まで太子の座を争った兄王子である。また金鵄の求愛していた烏羽玉を貴王が横から奪い去ったゆえか、金鵄はいつも貴王に鋭いまなざしを突きつけてくる。表向きは他の臣にたがわず服した態度を見せているが。よって貴王も後ろ暗さと奇妙なまでの不快感から、できるかぎり金鵄と顔をあわせぬよう心がけていたのである。

 金鵄は角を曲がり貴王に気づくと、御殿内での礼儀に従いその場にひざまずいた。そのまま貴王が過ぎるのを待つ。貴王も言葉をかけず足早に進んだ。その際、金鵄が貴王の後ろに続く玉芙蓉に対し口元に揶揄の笑みを浮かべたことを、貴王は知らなかった。

 登華殿に着いた貴王は、玉芙蓉の渡りが急に遅れたことに眉をひそめた。心なしか、肉付きのよい肌の色が血の気を失っている。

「いかがした?」

 あまり見ぬさまであるだけに、貴王は怪しんだ。うつむいている玉芙蓉の顔をのぞき込む。

「具合が悪いのか?」

「……いいえ。陽の光にくらんだだけにございます」

 玉芙蓉はようやく微笑んだ。貴王はどことなく引っかかりを覚えたが、それ以上問うことはしなかった。

 そして貴王は登華殿に広げてある美しい衣の数々を玉芙蓉に見せた。貴王に献上された絹糸でもって織られただけに、どれも目をひく秀逸なものであり、それらが寄り集まれば目移りばかりしてしまうのも道理であった。しかしながら玉芙蓉はそれぞれの容姿、性格などをもとに、さほど悩むことなく選んでいった。

「しとやかな花陽妃様には優しい色もよいかと思いますが、奉納祭にございますので、こちらの赤紫の衣をお召しになればそのご容貌がひきたちましょう。あでやかな烏羽玉妃様は、蘇芳に赤花を重ねられてはいかがでしょうか? 可憐な雪重殿には赤花に萌黄を……柄はこちらのものがよろしいかと存じます」

 手際よく衣を引き抜いてくる玉芙蓉に、貴王は今まで己が煩悶していたのを愚かしく思った。もっと早くに玉芙蓉を借りてくるのだったと。

 こうして務めを終えた玉芙蓉に、貴王は褒美としてその中の一つを与えた。そして茵に座すと玉芙蓉をそば近くへ呼び寄せた。

 玉芙蓉が腰を下ろすのを待ち、その柔らかい膝に頭を乗せる。

「王!?」

 常日頃おっとりとしている玉芙蓉の慌てぶりに、貴王は忍び笑った。

「いけませぬ。このようなところを見られては……」

「かまわぬ。夕餉まで眠らせよ。わたしは疲れた」

 本心である。奉納祭の準備に妃の争いと、貴王は心身ともに困憊していた。実のところ雪重を毎夜召すのも億劫となっていた。暇をもてあます雪重の気持ちもわからぬではなかったが、時にはただ眠りたいと思う。

 加えてこのところ牡丹の郷は暗い影を落としていた。幾人かの娘が謎の死をとげているのである。

 妖花の仕業ではと、花精たちは恐れている。

 花源郷において、交合期の男女の交わりは神聖なものとされている。種族を絶やさぬことは花精たちにとって大切な務めであるが、美しい花を産むこともまた重要であった。

 佳花の誕生には真実の愛による行為が求められる。互いの思いの深さにより、生まれる花の美しさは決まるのである。

 もし交合期に戯れの交接をおこなえば、その子は罪の刻印を受ける。すなわち腐臭漂う枯れ果てた体で生まれ落ちるのである。それを花源郷では醜花と呼び、忌み嫌っている。また花精を襲った醜花は妖花と言われ、恐怖の対象となっていた。

 醜花はその醜い姿により誰からも愛されず、ゆえに己にたりぬものを求めてさまよい、妖花になるのだという。

 かの者たちの欲望がどのようにして満たされるのか、また行く末がいかなるものなのかは謎とされている。ただその成長は非常に早いという。ほとんどは生まれると同時に密かに土に帰されるが、まれに生きのびた醜花が花精たちを襲うのである。

 醜花のすべてが花精に害をなすわけではない。また醜花自身に罪はないのだ。それでも花精たちは醜花を受け入れようとしない。罪により生まれた罪なき者が罪をおかすことを、許さないのである。

「わたしは早く枯れるやもしれぬ」

「そのようなことを仰せになってはいけませぬ」

 童をなだめるような口ぶりで言い聞かせながら、玉芙蓉が貴王の赤紫の前髪を優しくすく。ふっくらとした指で髪や額に触られるのは心地よかった。玉芙蓉の声は烏羽玉妃とは別の、ぬくもりをもつ美声である。

「わたしには、女を見る目がないのかもしれぬな」

 貴王は長く深いため息を漏らし、目を閉じた。

 今朝も登華殿を一度辞した雪重は泣きながら戻ってきた。烏羽玉妃に扇で尻を打たれたと。しかしよくよく話を聞けば、麗香舎の前を通るとき、雪重が会釈をしなかったためであると判明した。しかもそれはこのたびだけでなく、雪重は今まで一度とて礼をしたことがないという。

 貴妃殿に上がるには十年早いと烏羽玉妃が悪罵するのももっともであった。烏羽玉妃ですら花陽妃の淑生舎の前を過ぎるときは軽く一礼している。それが後宮の暗黙の掟なのである。

 貴王はむせび泣く雪重をすかしながらも、挨拶はするよう戒めた。しかし雪重は決して首をたてに振らなかった。あれでは明日もまた騒動が起きることだろう。

「わたしは少し休む。よい頃に起こせ」

 言うなり貴王は玉芙蓉の膝枕に身をゆだねて眠りについた。そしてほんの一刻ばかりであったが久方ぶりに熟睡し、夕餉の時分に玉芙蓉が揺り起こすまで目を覚ますことはなかった。

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