6話
「金剛様本日はここで夜営しましょう」
「傀儡は影の組織夜こそ真骨頂ではないか」
「夜行っても街は空いてないものですよ」
「忍び込めばいいではないか?」
「ジャバラは例外ですが、本来厳重な警備態勢が敷かれております。わざわざ危険を犯す必要はないです。ま、見つか
らないとは思いますが…」
「それなら向かえばいい」
「ご飯はないですよ。火を使うものならなおさら」
「致し方ない。ここで待つか」
「そうしましょう」
「まさかこんなところで眠るとはな…何年振りだ」
「最後の出撃は3年前です。その年で物忘れは早すぎます」
「余韻というものを知らないのか」
「悦に浸るって言うんですよ」
「はぁ…ご飯はまだか」
「今作ってるので待っていてください」
「何を作るんだ?」
「干し肉とスープですかね」
「肉を獲ってくる。少し待っててくれ」
「わかりました。5分お待ちしてますので、その間であればお作り致しましょう」
「3分」
木の上にジャンプし、辺りを見回す。
夜目を使い見る。目標を確認。跳躍。
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「2分40秒、少し遅かったな」
「猪ですか…解体するのがめんどくさいやつ持って来られましたね。鳥ならすぐでしたのに」
「解体すればいいのだろう」
両手を握り、引く。
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「腕が鈍ったと言うよりは持ってくるのに時間がかかったみたいですね」
「あの大きさはなかなかいないからな」
「これだけあれば黄玉も釣れるかもしれません」
「そうだな、ちょうどよかったのかもしれない」
「自分の欲に負けただけだと思うのですが、いい方向へ転がってよかったですね」
「王は先の先まで読むのだよ」