4話
「蒼玉、いつまで変装をしているんだ?」
「今の私はこの姿で溶け込んでおります。ですが金剛様がいらっしゃると言うことはそう言うことなのでしょう」老婆の背中から青髪が見えてくる。
「蒼玉の顔はそちらの方が見慣れている」
「この顔になるのは2年ぶりでしょうか。それで金剛様がこちらにいらっしゃる理由を改めてお伺いさせていただいてよろ
しいですか?」
「そうだな…」
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「傀儡回収ですか…そのあとはどうなさるんですか?」
「さぁな…」
「そうですか…短い間だとは思いますが、金剛様のお供をさせていただきます」
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「それで何か掴めたことはあるのか?」
「ええ、3つほど。一つ目は…」
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「なるほどな。それじゃここにいる理由は無くなったな」
「黄玉がラスファにいると聞いております」
「紅玉と緑玉はわからず仕舞いか…」
「申し訳ございません」
「いや…急ぐ旅でもない。ラスファに向かおう」
「金剛様、つかぬことを伺いますが、路銀は持ち合わせているのでしょうか?」
「サンテンから無一文だ。蒼玉はどうだ?」
「そうですね…二人でしたら1週間は保てそうですが、黄玉が入ってくるとなると…」
「あぁ…少し金を稼いでいくか」
「そうですね、途中の街で。ですね」
「それではまずお着物を洗わせていただきますので」
「あぁ…すまないな」フードを上げ、髪を出す。真っ黒なローブたちを脱ぎ、蒼玉へ渡す。
「相変わらず綺麗な髪とお身体ですね」
「そうか?蒼玉の方が大きいだろう」
「大きいだけでは肩が凝ったりしていいことがないんです。房中に引っかかりやすくはなるのですが、金剛様のような綺
麗な形の方が需要は高いと思います」
「そうか…」白い髪をかきあげる。
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「それではラスファに向かいましょう」
「蒼玉、何故同じ格好をしている?」
「金剛様と同じであれば間違いようがないと思いましたので」