12話
「そうですか…やっぱり」
「ここに黄玉がいるとは思えんな」
「確かに彼女が居たらここに食べ物屋が普通にあるのがおかしいですものね」
「少しは食べる量が減ったとは思ったが、そんな話すら聞かなかった」
「他の街へ行ったということでしょうね」
「ここのご飯はそこまで美味しくなかったからな」
「黄玉が作る料理以外は普通ですよね」
「蒼玉の作る料理もまぁ」
「結局まぁですもんね」
「赤玉と緑玉の料理は食えたもんじゃない」
「緑玉は…食べられないわけではないですが、赤玉のは…あれを料理とは言えない気がします」
「緑玉は少なくとも身体を意識はしているからな…だが…」
「それでどういたしますか?」
「あの娘の親がここにいるか…」
「どうでしょうか。あの子を見たことがある人がいれば声をかけてきてもおかしくはないと思うのです
が」
「服も違ければ、髪型も違うかもしれない。一概にいないとは言えない」
「それではここに何日かいることになりますが」
「ついでに腐ったモノを治しておかないとな」
「…そうですね」
―
「お姉ちゃん!今日お出かけするの?」
「ええ、あなたの服も揃えないと」
「やったー!お出かけ!あれ?お姉ちゃんは?」
「他のところに行っちゃいました。今日も私とです」
「そっかぁ…」
「彼の方と一緒がよかったですか?」
「そういうわけじゃないんだけど…」
「お年頃ですからね。わかりますよ」
―
「やはり色んなところから腐った臭いがする…」
塔から飛び降りる。近場から攻めよう。着地と同時に前に飛ぶ。
歩いているものから視認ができるのだろうか。王の軌跡を追っている者は誰もいない。
人が多い時は壁を走る。
「まずはここからだ」扉を開ける。




