10話
「全く…しっかり金は払っているのに…いつになったら奴らは来るんだ!」
「ヒィ」
「親分落ち着いてください。あくまでも奴らは冒険者崩れ、そんな簡単には負けるわけありませんよ」
「チッ…雑魚どもが…今まで遅れてきたことなんてなかったくせに」
「奴隷を捕まえてくるなんて仕事を受けるなんて落ちぶれた冒険者にはいい仕事なんですがねぇ」
「ってく。せっかく上玉が入ったって聞いたから味見でもしようと思ったのによ」
「親分が味見すると使い物に…」
「お、おい!」
「あ…すみません親分!今のことはつ…い…?」
「親分…?」
ボト…と音を立て親分と呼ばれていた肉玉は二つになっていた。
「あ…あ…親分…?」
「誰かいるのか…?」
誰かが入った気配はしなかった。そして無音で親分が死んだ。裏切り者はいないはず。
「ここからでな…え?」
足が上手く付けず、転倒する。おかしい。膝より下が無くなっている。
痛みより驚きが優っていた。いつ?足を触ろうとすると肘より先もないことに気がつく。
周りを見回すと皆慌てていた。
肩より先が無い者、胴が離れているもの。
顔が半分になっているもの。
「一体何がおこ…」
意識が薄れている最中、黒尽くめのローブを頭から被っている者が居たように見えた。
誰も居なかったはずだ。ありえな…
―
「蒼玉帰ったぞ」
「おかえりなさいませ」
「なんで服を変えているんだ?」
「少し、お片付けを。金剛様もお片付けしないとあの子に嫌われてしまいますよ」
「嫌われる?なんでだ?」
「匂いです。少しついてますよ」
「またか…しょうがない。洗濯を頼む」
「先ほど服を買っておきました。お風呂が終わったらこちらにお着替えください」
「これは…なんでこんなものを?」
「あの子が選んでくれました」
「…」




