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おそらのすべりだい

作者: Rita

くものうえにすべりだいがありました。


いっちゃん、にっくん、さんちゃんのなかよし3にんぐみはいつもそのすべりだいであそんでいました。


あるひ、いっちゃんがいいました。


「ねぇ、このまますべりだいがもーっとながくなって、くものしたまでのびたらたのしいとおもわない?」


「えー、こわいよー、ぼく、くものしたにはいきたくない」と、にっくん。


「うんうん、なにがあるかわからないんだよー。」と、さんちゃん。


「でも、いいところかもしれないよ。わたし、いつかいってみたいなぁ。」


いっちゃんはうっとりしていいました。


あるひのこと、「わたし、やっぱりあたらしいせかいがみたい!


すべりだいでくものしたまでいってくるね!」そういって、いっちゃんはめをとじてねがいごとをかけました。


「どんどんのびろ、すべりだい、どんどんのびろ、すべりだい、、、」


すると、すべりだいはだんだんのびてくもをつきやぶってしまいました。


にっくんとさんちゃんはいっちゃんをとめようとしました。


でもいっちゃんは「だいじょうぶよー。いいところだったら、あなたたちをむかえにくるから。」といって、ぴゅーんとすべりだいをおりていってしまいました。


にっくんとさんちゃんはしんぱいしてしばらくくものしたをのぞいていました。


つぎのひに、ながくのびたすべりだいはもとのながさにもどっていました。


「したのせかいはなにがあるんだろね。」


「こわいよ、わたしはずっとここでいい。」


ふたりはそのあともすべりだいであそんでくらしていました。


「たいくつだなぁ。いっちゃんはなにしてるのかなぁ。」


「いっちゃんにあいたいなぁ。」


すると、なんとめのまえにいっちゃんがたっていました。


「やっほー!おまたせ!ごめーん、したのせかいがたのしすぎておくれちゃった!」


「え?したのせかいってそんなにたのしいの?」にっくんがわくわくしてききました。


「そりゃ、もう!おとうさんとおかあさんはすっごくやさしいし、ごはんもおやつもぜーんぶおいしいよ!」


「え、いきたい、いきたい!ぼくもつれていって。」


にっくんはすべりだいにのってねがおがいごとをとなえました。


「すべりだいよ、ながくなれ、ながくなれ、、」


「わたしはまだいかない。こわいもん。」


さんちゃんはそっぽをむいてしまいました。


「じゃ、ぼく、おさきにいくね!」


といって、にっくんはいっちゃんといっしょにながくのびたすべりだいをすべっていきました。


ひとりぼっちになったさんちゃんはさみしくてしかたありません。


「したのせかいはそんなにたのしいのかなぁ、、


でも、こわいよー、やっぱりまだいけないや。」


さんちゃんはずっとひとりですべりだいであそんでいました。


でもすごくたいくつです。


「あーあ、わたしもみんなといっしょにいけばよかったかなぁ。」


そうつぶやいたとき、いっちゃんとにっくんがめのまえにたっていました。


「やっほー!げんきー?

さんちゃん、おそいからむかえにきちゃったよー。」


いっちゃんもにっくんにこにこしています。


「したのせかいはなにがあるの?」


「いろんなおもしろいことがあるんだよ。


わらったり、ないたり、かなしくなったり、おこったり、


まいにち、まいにち、まーいにちいろんなことがあるんだよ。」


「それってたのしいの?」


「そりゃ、もう。


そしてぼくにはかぞくがいるから。


いっしょにわらったり、かなしんだりするんだよ。


さんちゃん、はやくしたのせかいにきて。


いっしょにたのしもうよ。」


「うん、わかった。わたし、いく。


もうさみしいのはいやだから。」


さんちゃんはめをとじてねがいごとをとなえました。


「ながくなーれ、ながくなーれ」


でも、すべりだいはちっともながくなりません。


「おかしいなぁ、、」


いっちゃんとにっくんもいっしょにねがいごとをとなえましたが、それでもやっぱりすべりだいはのびません。


「さんちゃん、ごめん。あんまりながくここにいると、おとうさんとおかあさんがしんぱいするから、わたしたち、もういかなきゃ。

すべりだいながくなるといいね。

したのせかいでまってるねー。」


といって、いっちゃんとにっくんはぱっといなくなってしまいました。


さんちゃんはさみしくて、さみしくて、おいおいなきました。


「なんでわたしをおいていってしまうのよー。」


さんちゃんがないていると、しろいふくをきて、しろいひげをはやした、おじいさんがたっていました。


「どうしてないているんだい。」


「だって、だって、、

いっちゃんとにっくんがわたしをおいていってしまったの。

わたしもいっしょにいきたいのに、すべりだいがのびないの。」


さんちゃんはなきべそをかいて、いいました。


「ほんとにいきたい!とおもったのかな。

こころのどこかではいきたくない、とおもっていたんじゃないのかな。」


おじいさんはにこにこして、そういいました。


「え?ほんとはいきたくない?」


「そうじゃ。こころのなかにふあんがあるとねがいごとはかなわないよ。


したのせかいでなにをしているときがワクワクする?

どんなことをしてみたい?

いろんなたのしいことをおもいえがいてみるといいよ。


そのわくわくしたきもちをどんどんふやしていって、こころのなかをキラキラにしていくと、きっとすべりだいはのびるはずだよ。」


おじいさんはにっこりえがおでそういったかとおもうと、いつのまにかいなくなっていました。


さんちゃんはおじいさんのいったことばをおもいだして、めをとじてたのしいことをおもいえがいてみました。


すると、こころのなかにキラキラしたボールができて、それがどんどんおおきくなって、あふれそうになりました。


さんちゃんがめをあけると、すべりだいはしたまでのびていました。


「わぁ!

やっと、のびたー!」


さんちゃんはしたまですべっていきました。


こうして、いっちゃん、にっくん、さんちゃんはしたのせかおでかぞくになったのです。


でも、さんにんはこのことをわすれちゃったみたいです。


だって、くものしたのせかいはあれこれいそがしいですから。


でもね、みんなこうやってうまれてきたのですよ。


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