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吸血鬼になったとある少年の憂鬱  作者: まなこんだ
第一部接触編
5/7

人ならざる者達

最近ほんとに寒くなってきましたね。

こたつとみかんが欲しい(ボソッ



「ここ……なのか?」


路地裏をしばらく進んだ角辺りにの壁の前へとつく


「それらしいものはとくに無いんだけど………」


「湊お兄ちゃんも見てればわかるよっ」


京香はにこやかな笑顔で話しかける。


唱は何もない壁にしばらく手をあてるとうっすらと扉が現れ少しづつはっきりとしていく。


「なぁ唱、何なんだ? これ?」


「呪文見たいなもの、だと思ってくれればいいけど……狩人達が使ってたアレと一緒見たいなものだし」

唱はそう言い残すとその扉へと入っていく、それに続いて京香も「湊お兄ちゃんもはやくっはやく」と言い扉へ入っていく。


それらに続く様に湊も扉へと入っる。


扉の中へ入ると回りがコンクリートに囲まれた薄暗い空間に地下へと続く階段がありその先には更に扉があった。湊は扉を閉めると扉は先程と動揺少しずつ薄くなり見えなくなっていく。


「ほんとにこんなとこにあるのか……?」


「大丈夫…ちゃんとあるから、こんなとこで転ばないでよ?」


三人は階段をおり扉を開ける。


扉の先は程までの暗い雰囲気ではなく明るい小洒落たカフェのような部屋があった、部屋の向かいには上へと繋がる階段があり、部屋の横にはバーカウンターがあった。

カウンターには二十代前半から後半程度の女性がいる、髪型は金髪のショートカットで顔立ちはとても整っており、一言で現すなら大人の美しい女性と言うものである。

部屋の中心にある大きなテーブルには中学生程度の少年がいる、髪色は灰色で髪は目にかかる程長く、イスに座りコーヒーをすすっていた、

そして彼の頭部には猫耳が生えていた。

そして端のソファには空色の美しい髪を持ったロングヘアーの少女がいる、年齢は京香と同じ程度、目の色は赤で背中には天使の翼の様な物が生えていた。


カウンターにいる金髪の女性がこちらに話しかけてくる。  


「あっ 唱ちゃん久しぶりね、それに京香ちゃんも、見たことの無い人もいるみたいだけど……」


「こいつは学校で同じクラスのやつで、最近吸血鬼になったみたいだから、ここに連れてきた」


「なるほどね、それで貴方の名前は?」


「俺の名前は出雲湊です」


「出雲君ね、私の名前は柴田時雨(しばたしぐれ)……いつもは上にあるお店の経営をしているわ、これからいろいろとよろしくね」  


「はい、こっちこそよろしくお願いします」


「ラミちゃん久しぶり‼」

京香は端のソファに座っていた空色の髪色の少女の元へと駆け寄る。


「久しぶりだね京ちゃん、元気にしてた?」


「うん‼ いろいろあったけど元気だよ」

二人はその様な何気無い会話を始める。 


唱はカウンター席へと座る。


「湊も突っ立て無いで早くすわんなよ」


湊もカウンター席へと座る。


「所でそんな酷い格好だけどいったいどうしたの?」

唱は自分の姿を見つめる、服を血で赤色に染め上げ所々服が破けているという有り様であった。


「今さっき、三崎とか言う分けの分からない吸血鬼に殺されかけてた所を湊が助けてくれて……」


「三崎ね、少し知ってるわ、少し強い位で意気がってるあいつね、前からあいつは気に入らなかったし、今度消しといてあげる?」

時雨は表情事態は変えなかったがどこか怒ってるという感じであった。


「しぐさん……気持ちはありがたいですけど、しばらくは何もしてこないと思うし」


「分かったわ……でもそのときはなったら私にいってね?」


「しぐさん、いつも迷惑かけちゃて……」


「別にいいのよ、私は唱ちゃんの家族の替わり見たいな物だし……ね? それと出雲君は相当強い見たいね、三崎を追い返したんでしょ?」


「俺は最近吸血鬼になったから分からないけど、三崎って奴はそんなに強いんですか?」

湊は時雨に問いかける


「ええ、私なんかに比べるとそれはかなり弱いけども、生半可の強さでは手も足もでないのは事実ね」



唱が少しきょどった様子で話に割って入ってくる。

「ちょ、ちょとまってよ‼ そんな私が弱いみたいな言い方はやめてよ」


時雨はクスクスと笑う

「ごめんなさいね、確かに唱ちゃんは強いけど中途半端の強さってのは本当じゃない?」


「確かにそうだけども……」


「時雨さんってそんなに強いんですか?」

湊は興味本意で時雨に問いかける。


「まぁね、その辺の奴等には負けるきがしないくらいには……ね?」


「一昔前、灼熱の獄炎を操り、迫り来る数百の狩人達を千切っては投げ千切っては投げ、狩人達から獄炎の狐魔と恐れられた伝説の妖狐でしょ?」

唱は横目でボソリと呟く


「吸血鬼以外にも妖狐なんかもいるのか⁉(てか時雨さん強すぎだろ……)」


「えぇ、いるわよ」

そう言うと時雨の腰元から9本の黄金色の狐の尾が現れ、頭から狐の耳が生えだす、その姿はどこか神々しく恐怖感すら覚えるほどの風格である。


「これが私の本当の姿、妖狐としてのね……」


「凄い、何て言うか綺麗……」

湊はその妖狐としての時雨の神々しさに圧倒されボソリと呟く。


「ふふっ ありがとね」


そのとき後ろのテーブルに静かに気配を消し座っていた少年が口を開く。

「時雨さん……コーヒーお代わりお願いします」


「今いれるから少しまってくれる?」

そう言うと時雨の耳や尾が彼女の身体に飲み込まれるように縮まり無くなっていく。

時雨はカウンターの端にあるバリスタにコーヒーの粉を入れお湯を注ぎコーヒーを作るり始める。


「ちなみにそこでコーヒー飲んでるのは猫又の白石英也(しらいしえいや)、無愛想だけど悪い人ではないわ、そしてあっちのソファで京香ちゃんとジャレてるのはハーピィのラミア、そして今はいないけど後もう一人いるんだけどね」


「妖狐に猫又にハーピィ⁉ そんなものまで実在してるのか……」


「どうしたの? 驚いた?」

時雨はクスクスと微笑む


「いや、少し頭の整理が追い付かなくて……」


「私も最初ここに来たときは湊と同じこと風に困惑したよ……それとしぐさん、私と湊の分のコーヒーも御願い」


「唱ちゃんと出雲君の分には血を入れるでしょ?」


「できれば多めに御願いね」


「はいはい、すぐに持ってくから少しまってて」

時雨ははカウンターの奥にある冷蔵庫から二リットルのペットボトルに並々入った血を取りだしコーヒーが入ったコップの三つのうち二つに血を入れる。


「なぁ唱……何でコーヒーに血を混ぜるんだ?」


「あなた、吸血鬼なんだから血は飲めるんでしょ?」


「確かに飲めるけど……」


「だったら騙されたと思って飲んでみなよ」

唱は嘲笑う様な視線を湊へ向ける


「これは唱ちゃんと出雲君の分ね」

血入りコーヒーを唱と湊の前に置くともうひとつのコーヒーを英地にわたしに行く。


唱は瓶に入ってる角砂糖幾分かコーヒーに入れ旨そうに飲みだす。

唱は一口すすりどこか嬉しそうな表情を浮かべる。


(吸血鬼って味覚がほぼ無いのによく味がわかるのか⁉)

湊は砂糖を入れコーヒーを口に運ぶ


「……ッ⁉」


「どうしたの?」



「美味しい………この身体になってから何でも味を薄く感じるようになってたから、久しぶりに何か味を感じた気がする……」 

その無味だと思い飲んだコーヒーはしっかりと苦味やコクを感じる事が出来たのだ。


「吸血鬼は血を食事に混ぜればしっかりと味を感じることができるってわけ」

そう言うと唱はもう一口コーヒーを口に運ぶ。


時雨はおもむろに口を開く

「………にしても、外が騒がしい見たいね、サイレンの音かしら……」

彼女は妖狐と言う種族のため聴力は動物並みである。そのため微かな聴こえないような音も感知することが出来た。


「多分裏路地のあの光景を見た誰かが警察に追放したのかな……」

英地はボソリと呟く。


「唱……ほんとに大丈夫なのか?」

話を聞いていた湊は大事になるのではと不安になり唱に訪ねる


「さっきも行ったとうりこの事は絶対に隠蔽される……狩人達は人外の存在を知られることを恐れてるし」

唱はいったって普通の態度で答える。


湊は不安が残るものの吸血鬼としての経験が長い彼女の言うことを信じるしかなかった。

 

湊はあの二人の狩人達が言っていた安宅と言う人物の事を思い出す。


「なぁ唱、安宅って狩人名前の狩人知ってるか?」


その安宅と言う人物の名前を聞いた唱は顔色を替える


「湊、何であんたはあいつの名前を知ってるの⁉」


「俺を襲った狩人達が言ってたからな」


時雨はスッと一言吐き出す。

「出雲君、あの狩人と出会ったら真っ先に逃げることをすすめるわ……」


「安宅ってやつはそんなにやばいのか?」


唱は嫌な記憶を思い出したかのような表情である、そして何処か恐れている様にも感じられた。

「やばいってレベルじゃないよ……昔にあの狩人とあったときあいつは……………いや……何でもない……………とにかく安宅って名乗る女の狩人に出会ったら逃げろよ……」


「嗚呼、分かった」

唱がここまで言うのだ安宅とかいうやつは相当危険な存在なのだろうか、湊は心の中でそう思いコーヒーも口へと運ぶ。


(久しぶりにしっかり味をするものを飲んだせいか、凄くうまく感じるな………)


時雨は湊に問いかける。

「ところで出雲君って能力とかあるの?」


「能力? なんですか……それ……」


唱が口を開く


「一部の者が持ってる能力のこと……私だったら妖力の糸とか、しぐさんだったら炎とか」


「分からないです、自分を最近吸血鬼になったもので……」


「まぁそれもそうか、だったらこれがいるわね」


時雨はカウンター席の下の棚から刃渡り60㎝程度の刀を取りだし湊に渡す。


「何なんですか? これ(何でこの人は刀を持ってるんだ?)」


湊は鞘から刀身を取り出すと全体が黒光りし赤色の稲妻のような模様がうっすらと縦に入っていた。


「昔、狩人達から奪った物よ、多分硬化魔法をかけた銀の刀を鬼人の血液で固めた物だとは思うけど、能力が無かったり、分からない内は武器がないと狩人との戦いで不利になると思うし、それは貴方にあげるわ」


「いいんですか? 貴重そうな物ですけど……」


「別にいいわよ、沢山持ってるから処分に困ってたしね」


「ありがとうございます」

湊は礼を言う


「けどこれを持ち歩くには色々と不味い気がするんですけど……」


「それは心配ないわ、刀に力を込めてみて」


「刀に力をですか………(力を込めるってなんだ? とりあえずやってみるしか無さそうだな……)」


湊は刀に意識を集中させる


そうすると刀は赤色の宝石のような小さな石になる


「これなら持ち運べるでしょ? ちなみにさっきみたいに力を込めると刀に戻るわ」


(これも魔法なのか? いやいやいや便利過ぎないか?)


「確かにこれなら持ち運べそうですね」


「沢山あるとはいえ貴重品だし大切に使って欲しいわ」


「もちろん大切に使わしてもらいます……」

湊は刀を見つめた。

唱のキャラのイメージが固まらなくて辛い……

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