加地さんの美濃班業務日誌
はじめに。
この業務日誌は、班長である姐さんが「めんどくさい」言うて丸投げしてきはったんで、不肖加地が代理で記入を致しております。
某月某日 (晴)
砂兎さんとこの情人さんが、班に配属されてくる。
全体的にこんまい、素直で可愛らしいお子や。
期待の新人さんだけあって、なかなかの実力。
問題があるとすれば、砂兎さんを見慣れてしもうて、無茶を無茶やと認識でけえへんようになってしもとることくらいやろか。
姐さんがぶちギレてしもて、説教なんか叱責なんかわからん注意の仕方をしとるんが、ちょっと気になる。
本日の基本業務はつつがなく終了。
※ 情人候補だ、ド阿呆。情報はしっかり仕入れろ(美濃)
某月某日 (曇)
いらん訂正を入れるんやったら、自分で書いて欲しい加地が本日も記入。
坊が先走って、無謀な行為をやらかす。
心配しとった通り、砂兎さんの影響を受けまくっとって、無茶を無茶やと思とらんかった様子。
姐さんがまたまたぶちギレる。
微笑ましそうに見とらんと、誰か仲裁に入ったったらええのに。
本日の基本業務はつつがなく終了。
※ 美濃班は女所帯なので、唯一同性の加地が庇ってあげればいいと思います。
それに、新人くんの半べそ可愛らしいんだもん。(女子一同)
某月某日 (晴)
やっぱりみんなして面白がっとるんやないか……。
坊が自信喪失した模様。
可もなく不可もなく。
せやけど、美濃班は砂兎さんに次ぐ無謀集団と称される班や。
この先やや不安。
本日の基本業務はつつがなく終了。
※ やかましいわ。文句があるなら、指導員だった砂兎に言え(美濃)
某月某日 (晴)
同じ穴の狢という言葉を思い出すも、突っ込むのもめんどくさいので、もう諦めることにした加地が本日も記入。
坊のちょいミスが目立ち始める。
どうにも萎縮してしもとるみたいで心配。
ウチは女傑揃いで肩身が狭いさかい、居着いてもらえたらありがたいんやけど……。
姐さんが砂兎さんの名前を出して、感心せん叱り方をしとった。
子供を叱るんやったら、道理を含めたらな、意味がわからいで落ち込むだけやと思うんやけどなあ。
本日の基本業務はつつがなく終了。
※ 加地へ。フォローは任せた!!(美濃班一同)
某月某日 (曇)
落ち込ますだけ落ち込ましといて、丸投げはやめて欲しい加地が本日も記入。
坊の落ち込みぶりを見て、たいしてありもしない良心が疼いたらしい姐さんが、怒声を我慢しとった。
明日は台風でも来るんちゃうやろか。
憂鬱。
砂兎さんの影響を消してしまうのに、あの人から学んだことをいっぺん全部白紙にしてしまわなあかんのやけど……。
やり過ぎ感が否めん気がするんは、オレだけやろか。
子供の躾は、虐待にならんよう気をつけなあかんと思う。
本日の基本業務はつつがなく終了。
※ すまん、加地。叱り方を失敗して泣かせた。後を頼む(美濃)
某月某日 (台風)
案の定大荒れ。
こんな日はかえって忙しいんで心配しとったら、坊が持ち直しとった。
泣きはらした顔をしとるんが同情を誘うも……話しかけたらピンク一色やったんで放置。
姐さん。
なんでもかんでも人に後始末を押しつけるんはやめてんか。
本日の基本業務は、やたらと坊が張り切ったおかげで、さっくり終了。
※ 加地へ。もれなく砂兎さんがついてくるから、新人くんなつかせちゃって(女子一同)
某月某日 (快晴)
台風一過。
すかっとしたいいお天気。
業務日誌の内容が「小鳥ちゃん観察日記」になっとる言うて、長谷川部長に再提出を命じられた。
今度はちゃんと姐さんに書かすようにと叱られる。
オレが悪いんやろか?
明日は砂兎さんが浮き島から帰ってきはるらしい。
坊がピンク色に染まり過ぎとって、近寄るのが憚られる。
本日の基本業務もつつがなく終了。
この際なんで、この日誌はオレの日記にしてしまうことにする。
某月某日 (曇)
砂兎さんに同情。
坊があないに駄々っ子やったなんて、知らなんだ。
触らぬ神に祟りなし。
砂兎さんも、まんざらでものう甘やかしとるみたいやし、遠くから見物に徹することにする。
………………どうやら、坊が居着きそうで一安心。
某月某日 (雨)
室内待機に飽きた女傑どもに、砂兎さんが集団でセクハラされとった。
硬直したはるんやけど、助けてあげた方がええんやろか。
まあ、坊のセクハラの方がえげつないし。
やっぱり触らぬ神に祟りなしでいこうと思う。
本日の基本業務もつつがなく終了。
※ 多少のネタバレを含んでるけど、いつものことだしいいよね? ねッ? ※