表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

目覚め

とりあえず一言。 

「作者は魔法が大好きです」

~国王side~


「ねぇねぇ、お父さん。あの話聞かせて!」

娘がせがんでくる。この娘は末っ子のメアリで、8歳だ。一番可愛い歳頃で、よく儂に話をせがんでくる。一番上の16歳など、最近は「近寄らないでっ!」とまで言われている。あと4年ほどだろうか、出来るだけ甘やかして育てようと思う

話はこんなものだ。

『昔、ある王が勇者召喚を行った。呼び出された者は9人。呼び出した理由は戦争。その王は戦いに取り憑かれ、毎日のように戦争をしておった。勇者の中に一人居た女。彼女は無能であった。

ステータスは貧弱、スキルも何も持っていない。剣も振れないし足も遅い。

王は彼女を戦いに無理矢理連れて行き、戦場の真ん中に捨てさせた。

勇者は王の「残念ながら、あの勇者は戦いにて…どこかに行ってしまった。」という台詞を信じ、彼女を臆病者として貶した。

数年後、彼女は絶大な力を持ち、魔を統べる者『魔王』として大陸に名を轟かせた。

王は5人の勇者、『聖剣』『賢者』『大魔法使い』『剣仙』『時使い』を派遣して魔王の討伐を狙ったが失敗。しかし、封印することに成功した。』


娘は何故か笑っている…8歳がこんな話が楽しいのだろうか。儂にはよく分からぬ。そう思いながら、話終わった瞬間時が止まった。


膨大な魔力。絶対的な力。二つの王と呼ばれる者がこの世界に誕生してしまった。このことを悟る。


絶対的な力だけだったらまだ良かった。今は勇者が259人ほどいる。昔の勇者と比べて、実力は低そうだが、数で勝てるだろう。ただ、魔力と力が組んだら非常に不味いことになる。例の話から考えると、魔力の方はあの無能のフトダだろう。こう考えて儂は隅の方で震えている隊長を呼ぶ。


「フトダを捕らえよ!生死は問わない!」




~主人公side~


いつまでこの闇色の靄は出続けるのだろうか、その靄は俺の周りにまとわりついてくる。正確には俺の体から出てきている。…人間を辞めたつもりは全くないんだけどな…。苦笑しながら歩いていると、腹に刃が見えた。


「……は…?…なんだよ…これ…?」

同時に襲う激痛。俺は刺されたようだ。


ザシュッ!ボト!もう一太刀。相当な技量を持つ人だろう、腹から刃を抜く音と俺の首をはねる音が同時に聞こえた。


つまり一瞬で腹から刀を抜く→横に凪ぐ動作を始める→俺の首をはねる という動作をした、という事である。


…いや、なんで俺は思考できているんだ?ふと、思う。首をはねられたのに、と。当然、肺から口までの気管が途中で千切れているため、喋ることは出来ない。というか、喋れたらマヂで怖い。でも、視認する事は出来らしいし、聴覚も生きている。らしい、というのは怖くて目を見開けないからだ。俺を手に掛けた犯人が居るのに目を開けたら…ガクガクブルブルものだ。


…いや、分かってるんだよ。なんか首が無い状態の自分が首探してることくらい!グロ過ぎて見たくないわ!犯人さんゲロ吐いてるもん!誰でも現実逃避したくなるよね!


「おぇっ!ふ、フトダ、悪気はなかったんだ!た、頼むから近寄らないでくれ!隊長が魔力がウンチャラカンチャラ言って俺に殺って来いって言いやがったんだ!ひ、ヒィィィィ!!!!」


あ、逃げてった。よっぽどグロいらしい。ただ、王国にもあんな腕が立つ奴がいたのか(逃げ出したけど)。まだまだだな。鍛錬しないと…。それと、魔力がウンチャラカンチャラって、あの闇靄のことか?その靄のお陰で俺は生きている状態…いや、この状態はどっちなのかは分からないが…。瀕死に分類されるのかな?はっ、また現実逃避していた。そろそろ見つける頃だろう、足音が近づいてきた。


ヒョイと俺は俺の上に乗っけられる。するとどうなっているのかはさっぱり分からないが、首が俺とくっ付く。


「只今、俺」『お帰り、俺』


この瞬間が、魔王である『俺』の生まれた瞬間である。


「誰やっ!」迷宮の中を歩きながら、俺は内心非常にビビっていた。返事が返って来るとは思っていなかったからだ。多分これは寂しさによる、もう一つの人格で…


『俺はお前さ、太蛇。もう一つの人格説は半分正解って所だな。俺は2つ目の人格であり、二つ目のお前でもある。俺の事はあくまでお前の中に住んでいる他人だと思ってくれて構わない。』


「他人、か。とりあえず友達からで良いですか!?」

テンション大アップである。ひさしぶりの他人だ。例え自分の中に住んでいたとしても、友達候補であり、恋人候補でもある。大丈夫、俺はイケる!


『ま、まぁ、友達なら…///』


こうして俺は仲間とも、友達とも言える、『俺』と出会ったのだ。


『所で俺よ。ステータスを確認してみろ。多分大きな変化が有るはずだ。』


「りょーかい、俺。ステータス」


[ステータス]

レベル:1

HP:3000

MP:156825400

str:4

vit:3

agi:50

int:8563120

mnd:65552

スキル:極大魔法 空間魔法

称号:new!魔王と共生する者(int×2)

全てを憎む者→new!魔王を生み出した者(int、MP×5)


「は!?魔王って何!?極大魔法って!?intとMPバグった!?」


『すまない、俺が魔王だ。お前から生み出された。先程の兵士による首切りで憎悪値が人間の許容範囲量を越えたのだ。溢れた憎悪を補うために俺が発生した、というわけだ。ほとんど無いことなのだが…。』


「ほとんど無い?俺は魔王を倒すために召喚された筈だが?魔王は不老とかなのか?」


『いや、お前が呼ばれたのは戦争のためだ。まあ、今はもう一人の魔王が復活したから勇者は魔王と戦いに行くだろうがな。それと、魔王は不死じゃ無い。寿命は少し増えるが、500年程度だ。』


「いや、十分長命だろ…。もう一人の魔王が復活した、というのは?」


『お前と同じ、日本人?と言うのか、の女だ。300年ほど昔に召喚されて、魔王になった。ただ、すぐ当時の勇者に封印されてしまったのだが、それが今復活したらしい』


「へぇ、ならその人に会いに行くことを目標にしようかな。とりあえず、この迷宮を脱出しようか!」


『了解だ、俺よ。』

















あれ?一気に強くしすぎた?

これから更に強くなるのに…(;゜ロ゜)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ