召喚されて…
初投稿です!
ちょっとした思いつきで書き始めました!
未熟な部分も沢山あるとは思いますが、出来れば暖かい眼で読んでくれると嬉しいですm(_ _)m
昨日の10時半。その事件は起きた。『第3高校生徒失踪事件』と名付けられる事となる、俺の通っていた高校で起きた失踪、いや、誘拐事件だ。…異世界への。
10時半少し前。ドンッと、腹に衝撃。続いて水月にも衝撃が走り、目の前のタイルを自分の胃液で少し濡らす。
「おい、こいつ吐きやがったぜ!」
「きたねぇ、自分で始末しろよ」
男子からは嘲笑、女子からは侮蔑。
なんで俺が殴られなければならないのだろうか。容姿?趣味?お前等には関係ないだろうが。
「何反抗的な目してんだよ!」
殴られる。
俺が何をした?何故お前に殴られなければならない?
「いじめなんかやめろ!太蛇君大丈夫かい?」
いじめは一時的に終わる。だが、俺の心には憎しみだけが残る。そのことにも気づかず俺は……
「あ、あぁ。大丈夫だ。ありがとう如月。」
いじめを終わらせてくれたのは如月。ラノベの主人公みたいな奴だ。イケメンで文武両道、女子からはとてもよくモテる。こいつに逆らう奴はこの学校には一人もいない。だから、俺へのいじめを一時だけでも終わらせることが出来るのだ。
「…ところで太蛇く…
如月が言葉を発しかけた時、爆発。凄まじい音を立てて爆風と衝撃が迫る。俺は壁にたたきつけられて意識を失った。
目を覚ますと、そこは異世界だった。
……よく分からないだろう。俺もだ。ただ、ここが異世界だというのはよく分かる。なぜなら、地球では太陽が2つも無いからだ。このパターンはウェブ小説で多く呼んだ。地球外のある星かもしれないが、可能性は低いだろう。
余りよく見ていないが、どうやらクラスメートだけではなく違う学年の人もいた。どうやら大人数が巻き込まれたようだった。また、近くにいる人の半分くらいはパニックになっていて、もう半分は呆然としていた。ちなみに俺は呆然としていた側だ。ふと前を見ると、豪華で無駄にキラキラしている服を着た太った男と、数十人の兵士が立っていた。
「ようこそ、アレグン王国へ。私はボレス3世です。貴方がたは、私の命令で、我が王国に勇者として召喚させていただきました。身勝手な事をして、申し訳ない!」
いきなり、偉そうな国王が頭を下げたので、騒がしかった人も黙り、静寂が暫く続く。
「…私達は何故この世界に呼ばれたのですか?あと、元の世界に戻ることは出来るのですか?」
手を挙げ、発言したのは如月だ。他の人と比べ、落ち着いているように見える。
「それは…魔王が人間の領土に攻めてきたのだ。魔王軍は強く、我々では太刀打ち出来ない…。そこで、私は太古の魔法、勇者召喚に踏み切ったのだ。あと、二つ目の件だが…魔法陣が壊れ、修復に100年以上掛かる。ただ、魔王城には魔法陣が沢山保管されていると聞く。それを使えば帰すことが出来るはずだ。」
「そうですか…一つだけ約束してください。どうしても戦いたくない人を無理矢理戦争に連れて行かないことを。私達は平和な世界から来たため、争いとは無縁なのです。」
「分かった。本当にすまない…。ステータス測定が終わったら、城で歓迎パーティーを開く。どうか、楽しんでくれ。」
その後、俺達は神殿のような所に連れて行かれた。
移動している間で自己紹介。俺の名前は太蛇 颯。ちょっとデブの、高校一年生だ。いじめられているのは、言うに及ばないだろう。
神殿に着き、暫く待つと俺のステータス測定の番になった。
ステータス測定は水晶っぽい玉に手をかざすだけだそうだ。
俺が水晶に手をかざすと水晶が光り、
[ステータス]
Hp:1000
Mp:900500000
力:1
素早さ:1
魔法攻撃力:1
防御力:1
魔法防御力:1
スキル:無し
称号:無し
魔法適正:無し
…うん?
ちなみにこの時の数時間後分かったことだが、一般人はHpがだいたい2000、Mpは300くらいで、ステータスはオール60位であるらしい。
つまり、俺はMPだけべらぼうに高いけど、魔法使えなくてステータス低い感じ?
で、追い討ちをかけるようにこう言われた訳だよ。
「能力は…無しだ。」
比喩じゃなく、目の前が真っ暗になった。ここでも負け犬か。そう思えた。
列にこそこそと戻ってる途中に色々な方向から蔑んだ目を向けられた。助けを求めて王の方を見たけど、思いっきり侮蔑の表情を浮かべていた。まぁ、他の人にバレないように、だが。
夕食は豪華だった。燃え盛り、パチパチと音をたてる暖炉の近くで大皿に盛りつけされた肉や野菜を話ながら食べる。まぁ、当然俺は一人だが…。
食べ終わると、部屋に案内される。ベッドと机椅子、トイレなどが置いてある個室だ。ただ、風呂はない。
風呂を浴びたかったが、他の人と一緒に入るのは嫌なので、時間をずらして、深夜に入ることにした。
暫く部屋でゴロゴロとし、風呂に向かう。途中で王の執務室の前を通った。
「王様、太蛇の扱いはどうしましょう?」
俺の話題が聞こえたので、耳をそばめる。
「あの魔力だけ多い役立たずの奴か?」
「はい、あの魔力であのステータスでは魔化する恐れがあるので…」
「ッ!!…奴は最初から追い出すつもりだったが…今晩にでも始末するべきか…?」
全力で逃げる。敏捷の低いこの体では全力を出してもそこまでスピードは出ないが、転がるようにして走る。後ろから兵士が追ってきている幻覚を覚え、後ろを振り向く。
衝撃。何にぶつかった?考える間も無く、ぶつかった相手である『王の石像』はゆっくりと傾き…轟音。石像は跡形もなく砕け散った。
「何者だっ!!!」
兵士が飛び出してくる。捕まったらやばい。俺は再び逃げ出した。
今は夜。文明がそれ程進んでいないこの世界では、暗闇で近くのものしか見えない状況だ。その中、怪しい人物が逃げているのを発見した兵士は、矢を射て、魔法を放った。
近くの地面に矢が刺さり、魔法が炸裂する。俺はパニックに陥った。
廊下を進んだ先、ガラスのはいっていない、窓がある。ここは2階。おれの低ステータスだと厳しいかもしれない高さ。しかし、パニックに陥っている俺は迷わずその窓によじ登り、飛び降りた。
今日から俺の異世界ライフが始まる。