サハラ放浪団
「はぁ、とにかく座れ。ずっと立っているっていうのもつらいだろ?」
私はイシカに言われるがままに部屋の中央にあるソファーに座った。私の向かい合う感じでイシカが座る。
「あ、あの。あなたたちはいったいなんなんですか?」
私が聞くとイシカは少し困った表情で話し始めた
「俺たちは『サハラ放浪団』と、いう団体だ」
「サハラ放浪団?」
「簡単に言えば『目』の能力者が集まるところだ」
「そ、その能力って・・」
「能力っていうのは・・・そうだな。見せるほうが早いかもな。ちょっと待っててくれ」
そういうとイシカはさっきとは反対側のドアへと入って行った
イシカがいなくなってから数分後
「待たせたな」
帰ってきたイシカの後ろにはまた違う人がいた
「あの、その人は?」
「ああ、ラーナだ」
「よろしくね」
「早速だが頼む」
「はーい」
ラーナが机の上に置いてある花瓶を見つめるとラーナの目が赤色になった
すると誰も触ってないはずの花瓶が右へ左へと動き出した
「え、ええ!?」
「まあ、こういう風に俺たちには不思議な力があるんだ」
正直、目の前の光景がまだ信じられないがその力のせいで私がここに来たというのだろうか?
「じゃあ・・私がここに来たのも?」
「ああ、リーフの能力で「目を移す」という。あの時はリーフが暴走してしまって異次元からお前を連れてきてしまったというわけだ。ちなみにラーナの能力は「目を使う」だ」
「触らずにいろいろなものを動かせるんだよ!すごいでしょ!」
「異次元?・・・私の住んでるところが?」
私にとっては現実であり三次元と呼ばれているあの世界をこちらでは異次元という・・・と、いうことは
「ここは私の住んでいた世界とは別の次元にあるっていう事ですか?」
「まあ、そうなるな」
まさか、そんなことがあるはずがない。これは夢なのか?
・・とりあえず確認確認。(頬を抓る)いてっ・・・夢じゃない
なぜいきなりここへ飛んでしまったのか
「私は、帰れるんですか?」
「リーフの気分次第だな」
「それって・・・気まぐれっていう事ですか?」
「い、いや・・あいつの能力は暴走した時にうまく止めてやらないと自由に動かすことができないんだ。いかも暴走すると誰構わず異次元へ送るか異次元から何かを送ってしまうからな・・・。むやみやたらに怒らせれないんだ」
イシカは申し訳なさそうに「すまない」といったが私はあの退屈な日常からいきなりこんな体験ができることにワクワクしていた。