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5. レベルアップ

腐狼を喰らってから、どれくらい時間が経っただろう。

体内ではまだ、あの肉と骨、腐った血液がぐつぐつと分解され続けている。


俺の核が、それを全て“自分”として取り込みながら、静かに熱を帯びていた。


【現在経験値:39/50】


あと、11。

ネズミなら4匹。虫なら11匹。

ただ、それだけのはずだった。


けれど――その“ただ”が、どれだけ遠かったことか。


(絶対に……達成してやる)



俺は再び狩りへと戻った。

今回は慎重に、けれど確実に、獲物を仕留めていく。


1匹目。

《ダンジョン虫》を粘液で包み込み、すぐさま分解。


【捕食成功/+1EXP → 40】


2匹目。

《ダンジョンネズミ》を壁際に追い詰めてから圧縮捕食。


【捕食成功/+3EXP → 43】


3匹目、4匹目、5匹目。

ネズミ×2と虫×1で、合計+5EXP。


【現在経験値:48/50】


(あと、1体……!)


そして――運命の瞬間は、思いがけず唐突に訪れた。



視界の隅に、羽音が響いた。

《ダンジョンガ》――この階層では希少な、空を飛ぶ虫型モンスター。

だが、弱い。体は脆く、捕食には向いている。


俺は粘液を天井に張り、待った。

羽音が通り過ぎたタイミングで――“跳躍”。


ズバッ。


捕食成功。


【経験値+2】

【現在経験値:50/50】


その瞬間――

全身に“衝撃”が走った。



【LvUP:Lv1 → Lv2】


【ステータス更新】


名前:なし

種族:スライム

Lv:2

HP:10 → 15

MP:0 → 5

攻撃:1 → 2

防御:1 → 2

敏捷:1 → 2


【スキル:捕食(未熟)→ 捕食(Lv2)】

【スキル:粘着質操作(Lv1)/腐食属性:小 継続中】

【副効果:吸収効率+5%】


(……ついに、上がった)


確かに、“何か”が違う。

核が澄み、魔素の通り道が拡張されている。


筋肉も、骨もない俺の身体が、それでも“強化された”のがわかる。


体内の粘液が、より鋭く、よりなめらかに。

思考が早くなり、視界――というより“世界”の解析精度が上がっている。


(これが……レベルアップ……!)


感動と、達成感と、そして――


(もっと……欲しい)


狩ること。喰うこと。

その先にある進化。

それを、俺はもう“快楽”として感じ始めていた。


レベルアップ、それが全て。

数字が上がる、それだけで、この世界が俺に微笑みかける気がする。


だから――


(次は、Lv3だ)


進化条件はLv5。まだ遠い。

だが、その“始まり”を、俺は今、確かに踏みしめた。


 


――To be continued…


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