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そりゃないよ

それからの私は必死だった。

レベルを10まで上げなければ話にならない。


勇者一行が現れると、進行方向に割り込んだ。

とにかく話しかけられなければ、、。

その思いしかなかった。


おそらく何か重要なイベントが発生しているだろう、深刻な雰囲気の中でも割り込んだ。

走ってる時はぶつかりに行った。

『なんだこいつ』

『邪魔だな』

『うっとうしい』

などと言われたが知ったことか。

とにかくどいて欲しければ話しかけろ。

話しかけたら、

『やぁ、旅の疲れにはぜひうちの宿を

宿屋まではこの道をまっすぐだよ!』

と、言ってすぐにどいてやる。


結果的に作戦は上手くいった。

レベル10まではすぐに上がった。

レベルアップの途中で、新しいスキル(セリフ)も手に入れた。

『お疲れのようだね』

『わぁ!びっくりした』

『  』

だ。

最後の空白は、こちらが好きにセリフを書き込めるもので、フリーワードというスキルだった。

いつ使うのか。

まぁいい。

とにかくこれでレベル10まで上がった。


さっそく教会に行き、選択の儀式を迎えた。


『汝はこのまま案内人として生きるか?』

『それとも、新たに名を与えられ、自由に生きるか?』

『選びたまえ』

決まっている。

『自由に生きます!』


そう言った瞬間、


〈名前を選択して下さい。〉


突然頭の中にそう、聞こえてきた。

名前か、、

では、せっかくだし、カッコいい名前にしよう。


アッシュベル

〈選択できません。〉

なに?

では、、

ギルフォード

〈選択できません。〉

サイファー

〈選択できません。〉


、、、


アルフォンス二世

〈選択できません。〉

玄馬

〈選択できません。〉

吉田武夫

〈選択できません。〉

なぜだ!?それはいいだろ!!

まさか、、


ディー

〈名前の登録を完了しました。〉


選択肢のない選択など選択と言わないだろ。


〈ステータスを確認して下さい。〉


旅人

レベル10

HP10 MP10

力.1 防御.1 素早さ.5 魔力.0 知力.10

スキル. 『宿屋まではこの道をまっすぐだよ』『やぁ』『旅の疲れにはぜひうちの宿を』『お疲れのようだね』『わぁ!びっくりした』『フリーワード』

特殊スキル.『案内』


ステータスが低すぎる。

元々村人Dなのだから仕方ないのだが。


しかし、スキルが謎すぎる。

戦闘時、スキルを使うとどうなるのだろうか?

そして、特殊スキル『案内』とはなんだ?


こうして私は村人Dから、旅人ディーへと無事?転職したのだった。




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