登校
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朝は嫌いである。
特に月曜日の朝なんかは滅びた方がいい。
日曜日眠りについたら、次は火曜日の朝が来る世界線は存在しないんだろうか。そんな幸せな世界線はもちろん存在せず、今日は間違いなく月曜日である。
非常にどうでもいいことを思いながら体を起こす。
なぜかベットから落ちている俺の体はバキバキになって軋んでいる。
あぁ、いてぇ。
少し強めに腰を叩く。
とんでもない夢でも見ていたのだろうか。普通ベットから落ちることなんてない、もちろん初めての体験だ。
というか、落ちた瞬間の俺はなぜ目を覚まさなかったのか。それも不思議である。
まだおかしな点はある。
ベットの上には布団が置き去りになっているが、俺の体にも布団はかかっていた。現在5月中旬、そんな布団を2枚重ねする季節でもない。
この布団も3月に片付けた気がするのだが、なぜ今ここに?
思い出そうとしてもうまくいかない。最近はずっとそんな感じだ。
内容のない日常を過ごし過ぎて、1日の記憶がほとんどなかったりする。
これまた記憶のない、机に広がった現代文の教科書とノートを鞄に押し込み、リビングへと出る。
と言ってもそこにいるのは俺だけ。リビングは静寂に包まれ、虚無の世界と化している。
そして待っていても誰かが来ることはない。
昨日買っていたであろうスティックパンをかじりながら、200mlの豆乳パックにストローを刺して飲む。
パンは不味くも美味しくもない。ただひたすらにかじる。
右手に持ったスマホでSNSを確認する。
政治に関する法案が決まったか何かで、また関係のない人間が騒いでいる。いくら騒いでも、結果は変わらないというのに。俺は無意識にスクロールを続けた。
適当に顔を洗って制服に着替える。ネクタイが嫌いだ。
首元を締め付けられている感覚で、とても息苦しくなる。俺は最大限ネクタイを緩めて洗面台を後にする。
「雫、兄ちゃん学校行ってくるから。ご飯は冷蔵庫のものを温めて食べてくれ。」
「雫」と書かれたドアプレート。部屋の扉の前でノックをしながら伝える。
弁当の用意と同時に妹の昼ごはんも用意しておいた。まぁ昨日の豚の生姜焼きの残りと卵焼きだけではあるのだが。
俺、小太刀宰は、妹の雫とマンションで2人暮らしをしている。バイトをして帰りは基本的に夜になる俺にとって、自宅はただの寝る場所と化している。一方の雫にとっては1日の大半、いや全てを過ごす場所となっている。
そのため、俺の部屋は雫の部屋の半分程度であり、なるべく快適に過ごせるよう配慮している。
「行って…らっしゃい…。」
ドアの隙間から小さい声が漏れて聞こえた。それを聞いた俺は安心して玄関を出る。
今日はどんより曇り空だ。バスと電車で学校へ向かおうとするが、手持ちを確認した俺は自転車での登校に切り替えた。
財布の中身、なんで200円なんだ?
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