NHK『視点・論点』””なぜ人は猫に引き付けられるのか””という解説を見て考えてみた
解説を見ているうちにかなり私の考えと隔たりがあるように思える。内容は猫の可愛らしさは媚びず、優しく、飼いやすく、無償の愛を提供してくれる、などである。
ペットの社会学(1)
””なぜ人は猫に引き付けられるのか””というタイトルで2025年4月23日にNHK・TVの『視点・論点』で解説があった。
解説者は東大の赤川学教授。氏は猫社会学を提唱しているという。正直、私は「猫社会学」等の存在を知らないし、なにを今更、研究材料に事欠いて猫などを研究材料にするのか、と半ばあきれ、半ば軽蔑、半ば”どんな研究をするのか”と興味をもった。
以下はこの『視点・論点』の要約である。
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赤川教授は、猫に関心のある人に猫の可愛さと魅力についてインタビュー調査を行い、KJ法(注1)という方法で分析したところ以下のような結果になったという。
1・媚びないのに甘えるツンデレ(注2)
2・優しくおとなしい性格
3・飼いやすさ
4・完璧な造形と豊かな表情
5・女王に捧げる無償愛
6・幸せに暮らす様子
という。
この6点が分析の結果から見えてきたものをまとめると、次のようになる。
①・猫はツンデレである。人間の期待に容易に応じず、気が向いた時だけ人に甘えることを言う。どうも猫は基本的には自身が生きたいように生きているらしい。
②・猫は存在自体が可愛く人間の上位にある女王様である。個性豊かな猫の無償の愛を提供している。
③・幸せに暮らす様子で無防備なすがたがかわいいと感じるという。
赤川教授は言う。
調査結果は猫の特性を表す要素と、外観的で客観的な性質に言及しているといい、「外面的な可愛さ」が「関係的な、いとしさ」へ移行する、常なるパターンであるという。加えて
1.散歩の必要がない。
2.核家族化が進みマンション暮らしの人が増える中で非常に飼いやすい。
3.家族の一員だといわれる同伴動物である。
等々などの特徴が見えてくる。
イギリスの社会科学者アンソニー・ギデンズ(注3)は近代化が進んで、恋人や夫婦などの親密な関係性が変容したと論じ、それまでは、男女それぞれに性別に基づく役割があった。現在で人間関係も、ただ好きだという限りにおいて、「純粋な関係性」と名付けています。
猫と人間の関係こそ、現代社会における「純粋な関係性」の極致で、「純粋な関係性」とはいかなる利害関係も権力的な役割関係も存在せず、純粋な愛情だけが存在するだと言うのであろう。
今後、家族関係や地域社会が急速に変化るする現代社会の中で、人間と猫との関係がどのように変わっていくのかを予測する。これが私(赤川教授)の提唱する、猫社会学である。
(注1)KJ法とは、断片的な情報・アイデアを効率的に整理する目的で用いられる手法である。一般的に、KJ法では、カード状の紙(付箋)に1つ1つの情報を記し、そのカードを並べ変えたりグルーピング(グループ化)したりすることで、情報を整理していく法。(Wikipedia)
(注2)ツンデレ
特定の人間関係において敵対的な態度と過度に好意的な態度の二つの性質を持つ様子、またはそうした人物を指す。(Copilot の回答)
以上がNHK・TV『視点・論点』で『なぜ人は猫に引き付けられるのか』の放送された内容である。
(注3)1938年、北ロンドンのエドモントン(en, 現インフィールド区)の下層中流階級の家に生まれる。1959年にハル大学を卒業後、ロンドン・スクール・オブ・エコノ
ミクス(LSE)に進み、同校より修士号、1974年にはケンブリッジ大学より博士号を取得。
赤川教授の解説は、私(このエッセイの筆者)には分かったような、分からないような論旨でどうもスカットしない、モヤモヤとした後味の悪さが残った。この程度の内容で東大教授が務まり、NHKから謝礼をもらえるのであれば、私もなりたいと思った。
表1は2013年・2020年・2024年の犬・猫の飼育頭数の抜粋を表にした。
表1
犬飼育数 (万頭) 対前比増減数 %
13年 830 ― ―
20年 848.9 △14.9 △2.3
24年 679.6 ▼169.3 ▼10.9
猫飼育数 (万頭) 対前比増減数 %
13年 830 ― ―
20年 964.4 △134.4 △16.2
24年 915.5 ▼48.9 ▼5.1
この表から読み取れることは
①’13年は犬猫の飼育数が各々830万頭前後で交叉する。
②以後逆転し、’20年のペット飼育数は、犬848.9万頭。猫964.4万頭であった。
③’13年と比較すると犬は△14.9万頭で△2.3%微増、猫は何と△134.4万頭△16.2%の大幅増であった。
④’24年のペット飼育数は、犬679.6万頭・猫915.5万頭という。
⑤’24年を’20年と比べれば犬は、▼169.3万頭で19.9%減だった。猫は、▼48.9万頭で5.1%減、猫は微減、犬は大幅減である。
つづく
続きがあります。