表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

発現と準備

簡単な設定


ダンジョン都市―この都市は世界中の国々が関わっている為、ダンジョン産の魔道具で言語が統一されており、その効果は都市が在る大陸に上陸した時に適応される。探索者に成ると、この効果は永続になる。



――――――――――――――――

『天大想月』 ランク<00> 


≪クラス≫

探索者(チャレンジャー)

探索者が必ず最初に発現するクラス。

・スキル『探索技術』を自動習得。

・エリア<10>までスキル習得率上昇。

・エリア<10>まで魔法習得率上昇。

・『魂底想願(ソウル・エモーション)』が発現しやすくなる。


≪スキル≫

『探索技術:F』

ダンジョン探索に必要な基本技術が使用できる。

・熟練度上昇ごとにスキルを自動習得。

・基本武術 基本索敵術 基本野営術


『努力の三武術:D』

努力を怠らなければ、剣槍弓の扱いが上手くなり技術が伸びやすくなる。

・剣技の威力上昇。又、技量が向上しやすくなる。

・槍技の威力上昇。又、技量が向上しやすくなる。

・弓技の威力上昇。又、技量が向上しやすくなる。

・三武術に関する行動に向上補正。

※努力不可の場合を除き、努力を怠った場合、怠った日の前日に得た熟練度の全てが無かった事になる。


≪魔法≫

【】


魂底想願(ソウル・エモーション)

『人生を懸けた探索悲願』

ダンジョン探索に関する全ての事に補正が掛かる。

・ダンジョン探索時、全ての行動に微向上補正。

・命を賭した行動に強力な上昇補正。

・エリアを突破するたび永続的に成長補正。

※人生を懸ける事をやめた時、この力を失う。人生では無く、他の何かを懸けた場合、効果が変化する。

――――――――――――――――



「――流石、¨進める者¨だ。本来ならエリア<10>を越える間際に発現するかもしれない『魂底想願』を初めから持ってるとはな。しかも、上位探索者が必ず発現している力か。」


「……『魂底想願』?」


「ん?知らないのか…って、そう言えば¨これ¨はこのダンジョン都市特有の力だったな。都市外のやつが知らないのも無理はない。――いいか?『魂底想願』ってのは……」



 『魂底想願』――それは、簡単に言えば想いの力。

 心の底…いや、魂の底から願った想いが力と成り己を強くするモノ。

 クラス、スキル、魔法の全てが合わさった様な効果を発揮する事もあれば、全く別の何かだったりするもの。

 何故『ラビリンス』があるこの都市でしか発現しないのかは分からない。言ってしまえば、現代に解明されていないよく分からない不思議な力だ。

 

「唯一分かっているのは、魂の底から強く何かを想って願った際に発現されるって事だけ。難しく考えず、願いの力、もしくは想いを叶える為の力って考えればいい。」


 探索者らしい力だろ?そう言って、ギルド役員である彼―アルフ・アラバズは探索者登録の手続きを進める。

 


――ダンジョン都市『ラビリンス』が南中央街にあるギルド本部。



 ドーナツ型方式で東西南北に中央街があり、ギルド本部が在るのが人の出入りと住民が一番多い南の中央街。他の中央街にも勿論、本部と同じ様な支部がある。

 クラスとスキルの発現は本部でしかできない。必然的に、探索者登録はこの南中央街でしか行う事ができない。


「……よし。後は、お前さんがサインすれば契約完了だ。」


 ギルドと探索者の契約。

 内容を簡単に略せば、ギルドと探索者は一心同体。ギルドに何かあれば助けてね?その代わり探索者の支援は惜しまないよ!

 不祥事を起こした場合は普通の人より罰が厳しいから気を付ける様に。

 ダンジョン探索の終了時、必ず担当者に何処のエリアまで行ったのか、何のモンスターを倒してどれくらいの魔宝石を手に入れたのかを報告する様に。忘れた場合、内容の重要度によって罰則が重くなる。

 

 と言った感じの事が書かれている。


「……はい。書けましたよ。」


「おう、これで探索者登録は終了だ。後の事で分からないものがあれば、担当者の方に聞いてくれ。……で、どうだ?念願の探索者に成った感想は。」


「スキルが発現してたのが嬉しかったですね。これまでの努力が報われた様に感じます。後は……そうですね。――早くダンジョン探索がしたくてたまらない。」


「だろうな。ここで登録を済ませたやつらは全員がそう言ってる。」


 登録が完了し、後は宿と装備を整えればすぐにでもダンジョン探索を始められる。その事に、想月は探索への思いを強めずにはいられない。

 笑いながらその姿を見ているアルフは、探索に前向きな想月に一つの紙を渡す。


「……これは?」


「¨下位探索者への支援¨に関する書類だ。」


「―!」


「下位探索者には、ギルドが経営している宿の三泊無料利用権と、初回無料で武器と簡易防具を与える事が出来る。……欲しい装備を選びな。直ぐに用意してやる。」


「ありがとうございます!」


「おう、気にすんな。これがギルドの仕事だからな!お前さんは好きに装備を選んで、自由に探索すれば良い。」

  

 ちょび髭が似合うイケおじとはアルフの事を言うのだろう。武器の希望を書き込みながら、想月はそう思った。

 

 ギルドの支援は探索者とって無くてはならないもの。

 ギルドの支援無くては探索者は満足にダンジョン探索を行えず、探索者の成果無くてはギルドの支援は行えない。共存共生を越えた運命共同体。無論、成功者にはより良い支援を行い、成果の無い探索者にはそこまで入れ込む事は無い。

 と言うのも、過去の事件……いや、ある¨災害¨によって起きた甚大な被害が当時曖昧だったギルドと探索者の関係と存在意義を確かなものとした。

 そこからは組織運営が定まり、現在の運命共同体な方針となっている。


「……いや、欲しいのを選べとは言ったが沢山選べとは言ってないぞ?」


「いやぁ~どうせ無料(ただ)なら、使えるの全て貰えばいいと思って……後、実際のダンジョン探索で鍛えた腕が通用するかを確認したくて。」


「……まあいい。分かってると思うが、そこまで上等なものは与えられないぞ?手入れせずに酷使すれば直ぐに壊れてしまうようなものばかりだ。」


「分かってます。ただ、無料で泊まれる三日間の内は宿代のみ稼いで、後はダンジョン内での動きとスキルの確認に努める予定ですから。大体一週間程持つなら最低品で大丈夫です。」


「無計画じゃないなら良い。……そうだな、用意が出来たら呼ぶからここで三十分程待っててくれ。あっ、ここの物は好きに飲み食いして良いからな。」


 これ、用意するヤツに色々言われそうだなぁ。っと、項目を埋めた書類を渡すと少し面倒くさそうにしながらも、アルフは部屋を出て要望の品を集めに行く。


「……ふぅ。クラスとスキルの発現は意外と呆気ないものだったな。」


 てっきり、もっと派手な感じで発現するのかと思っていたが、アルフが手を翳すだけで終わった。

 それでいてハッキリと自身の力が発現した事を自覚した。自覚したらしたで直ぐにでも探索したくて仕方がないときた。アルフが言うには、クラスやスキルが発現したばかりの探索者は基本的にダンジョン探索への意欲が強まるそうだ。そしてそれは主に初めて発現した成りたてに多いらしい。そう言ったやつの為にこの下位探索者支援があるそうだ。

 想月は先ほど教えて貰った事を考えながらも、この後に控える楽しみの為に体を少しでも休めようと目を瞑り、ソファーに深く体を鎮めて力を抜いた。



アルフ・アラバス

灰色の髪でオールバックとちょびひげが似合うイケメンなおじ様。スリムなマッチョで一見普通の肉体だが、服を脱ぐと凄い。年上趣味の女性が見ると一瞬で昇天してしまう程には物凄い。性格も良く、休日に知り合いの子供たちと過ごす姿が見かけられる。因みに、本人に自覚は無いが少女の初恋ハンターである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ