「空の底」
好きなのか?
いや、嫌いだろう。
そんなこともわからないようであれば、それはもう、そうゆうことなんだろう。
じゃあ、嫌いなのか?
いや、だとしたら。
どう考えても、好きだろう。そんなことがは考える必要もなく確信だ。
と、休む暇もなく、ただ行ったり来たりし、どちらかにも定まらず、ずっとこの感情達に遊ばされてる。
それはまるで飼い主に釣り竿で振り回されてる、馬鹿げた猫みたいだ。
じゃあ、考えるのをやめて、会いに行こうかな。
いや、それもどうかと思わないか?そもそも、なんなら、そんな勇気もなければ、魅力もない。
じゃあ、君の猫にでもなろう。
一緒に起きて、一緒に寝て。
一緒に日向ぼっこして、一緒に窓から雨を眺めて。
あなたに甘えて、たまには無視して。
悪戯でもして、叱られて、落ち込み。
一番好きのおやつでも出してもらえば、そんなのすぐチャラにしてしまって。
リビングで寝転びながら、ヴィオラの練習を聴いて。
ソファーの端に置いてあるウクレレを少し撫でて、楽しむ。
アラームが鳴る、朦朧に手探りで見つけた携帯。
画面表示時間は7時18分。
7、1、8、
なんか聴いたことのある数字の並びだ。
そうだ、君の誕生日だ。
でももう祝わない。
君はもういなくなったから
12.09.22