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私たち三人を相手に異能を使って対戦しないかしら

 その三人の注目はすごく周りから「副会長だ」「四天王の三人がどうして」とざわついている。


「姫宮知ってるか?」

「ううん」

「知ってる?」


 別のクラスメイトに聞いてみる。


「知らないの? 生徒会副会長と四天王と呼ばれる幹部役員だよ」

「四天王か」

「でも三人しかいないよ?」


 信也と姫宮が話していると三人が近づいてくる。


「えっと、俺になにかご用で?」

「突然お邪魔してごめんなさいね」

「いえ」


 信也に話しかけてくるのはベージュのセミロング、ウェーブのかかった髪型をした女性だ。


「私は生徒会の副会長をしている藤原時雨。それでこっちが同じく生徒会所属の瑠衣と華音よ」

「はじめまして」

「ん」

「えっと、はじめまして」


 瑠衣と呼ばれた女性はスーツとパンツ姿という珍しい服装でまるで執事のようだ。青みがかった白い髪と丸みのある髪型は美人とも可愛らしいとも見れる。華音と呼ばれた子は携帯ゲームをプレイ中でこちらを見てもいない。信也よりも濃いピンク色の髪にストライプ柄の長い靴下など派手な印象だ。なかなか個性的な面子だがそこで瑠衣の視線が強いのに気が付く。


「?」


 まるで仇を見るような、ただごとではない戦意を視線から感じた。


「実は私たち君にお願いがあってね、先日会長から勧誘があったはずなんだけど」

「その話か。その時にも言ったはずだけど俺は生徒会には入らないよ」

「残念。今もその気持ちは変わらないのね?」

「もちろん」


 何度誘われようが入ることはない。それだけは絶対にあり得ないことだ。


「そう。もちろん私たちも無理強いするつもりはないわ。ただし、私たち生徒会の妨害行為はその限りではないわ」

「妨害行為?」


 と、話が勧誘から変わってくる。妨害行為という言葉に空気がどんどん不穏なものに変わっていく。


「私たち生徒会はこの学園の多くのことを任されているわ。その一つが風紀と治安よ。学園側でも異能関係の事件に備えて武装部隊は用意しているけれど細かいことでそんな人たちが学園内を行き来していたら物々しいでしょう? だから生徒間で解決できる物事なら生徒会に裁量権があるの。多少のことなら私たち生徒会が対処するわ」

「戦闘要員がいるっていうのはそういうことか」

「深優を倒したんですって? やるじゃない」


 生徒会の役目の一つが異能を用いた暴力事件への対処だ。そうした役割があるからこそ生徒会は力を持つ必要があり戦闘要員もいる。銃を持った大人がうろつく校内よりは健全という判断だ。


「異能学園、すべての生徒が異能を持つこの場所は控え目に表現しても特殊よ。子供であっても油断できない、悪さをしようとする人も出てくる。そんな場所だから秩序が必要なのよ。それを保つのは生徒会の大きな役目でもあるわ。生徒会はこの学園に必要なの」

「ふん」


 副会長、藤原時雨による生徒会の説明がされる。生徒会に生徒間トラブルの裁量権があることも戦闘要員が必要なのも理解できた。


 だが生徒会のあり方について信也は鼻を鳴らした。


「この学園に生徒会が必要? この現状を見ていってるんだよな? 俺にはあんたの言っていることは詭弁にしか聞こえないな」

「そうかしら。私たちがいるからこそ抑止力になり学園は平穏でいられると思うんだけど」

「ランク至上主義によって作られた歪な平穏だろ? 他者を抑圧しただけの圧政を秩序と言い換えているだけだ。そんなんじゃいずれ革命が起きるぜ」

「あなたがその革命に火を付けると?」

「いいや、火ならすでにみんなの心に点いてるよ。俺は風になって巻き上げたいだけだ」

「ワーオ。詩的な表現」

「聞いてたのか」

「聞こえてるわよ、半径二メートル圏内でしょ」


 ピンク色の奏音は携帯ゲームをぽちぽちしているから聞いていないと思っていたがちゃんと聞いていた。


「そう、なら仕方がないわ。生徒会に入らないのは君の自由。でも、あなたの考えは私たちには邪魔になる。それにあなたに賛同する人が増えれば私たちが築き上げてきた平穏が崩れてしまう恐れがある。そのため君には勝負を申し込むわ」

「勝負?」


 生徒会からの勝負。なにかと警戒する。


「私たち三人を相手に異能を使って対戦しないかしら。もし君が勝てたら二度と生徒会への勧誘はしない。ううん、生徒会の方針を君が決めてもいいわ」

「俺が?」

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