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そうこなくっちゃな、狩りがいがない

 信也はすぐさにサブマシンガンを両手に出現させ周囲へ制圧射撃する。結果不自然な軌道を描いた弾道を見つける。


「そこか!」


 その場所目掛け集中的に攻撃する。


 姿を隠しても無駄だと知ったのか錬司が姿を現した。しかし表情には不敵な笑みが浮かぶ。


「そうこなくっちゃな、狩りがいがない」


 信也は錬司に銃弾を撃ちまくるが全てが弾かれる。その間に錬司は信也に右手を向けてきた。


 直後起こるのは台風の猛威だった。屋内で発生する竜巻のごとく強風にジャケットの端がなびき体が吹き飛びそうになる。


 信也は叫んだ。


「こい、ソードマスター!」


 裂光の後姿を現すのは赤色の騎士。信也は鞘から自分の相棒を引き抜くと向かい来る強風目掛け一閃した。


 大きく振り抜かれたその一撃は風を打ち消した。大気すら震わす斬撃、踏み込んだ足がコンクリートに足形を刻む。


 この一撃には錬司も瞠目していた。


「俺を狩るだと? やってみろよ錬司!」

「ハッ、言うようになったじゃねえか」


 信也は錬司めがけ駆けた。強化した肉体は疾風となって錬司に迫る。


 だが錬司もただ待ってはいない。信也は途中で視界を失い音すら失ったのだ。暗闇に閉ざされる。原因不明。これでは錬司がどこにいるのか分からない。


『これでどうやって戦うつもりだ?』


 錬司の声だけが伝わってくる。反響していてどこから声を掛けられたのか分からない。


 どれだけ卓越した剣技と身体能力があっても相手がどこにいるのか分からなければ戦いようがない。剣士が目隠しして戦うなど不可能だ。


 だが、


「なに?」


 信也は進んだ。迷わず歩む。その一歩は確実に錬司に近づいていた。


「どうやって進んでんだ?」


 信也には聞こえないが錬司は戸惑っていた。目と耳を塞がれ、どうやって信也は錬司を追っている?


 それは直感だ。感じる。信也は己の感じるままに駆け出した。


 錬司は野球ボール大の瓦礫を浮遊させる。いくつものコンクリートの破片を持ち上げると信也に発射したのだ。目を塞がれた信也には分かるはずがない。完璧な奇襲だ。

 それをすべて斬り伏せる。見えてはいない、ただなにかが来ているという直感だけで正確に錬司の攻撃を防いだのだ。


「おいおいすげえな」


 信也は瓦礫を斬ったが攻撃の手は止まっていない。錬司は連続して瓦礫を飛ばしてくる。速度は銃弾並みだ、常人では視認すら出来ないほどの猛スピード。目が見えてるいないの問題ではない、速すぎる。


 それを、すべて斬り伏せながら信也は走っていた。


「マジか!?」


 達人という言葉ですら表現できない。彼はまさしくソードマスター、剣を持たせれば最強の騎士が敵を倒さんと戦場を疾駆する。


 錬司に近づき、ついに信也は間合いにまで追い詰め剣を振るった。


「ちぃい!」


 信也の斬撃を舌打ちしながら錬司が躱す。視界が悪かったせいで攻撃は間一髪で躱された。しかし視界は晴れている。


「終わりだ錬司ぃい!」


 弾速すら弾く剣風に捉えられぬものなど存在しない。今度は見えている。逃しはしない。ジャッジメントと言えど身体能力は常人だ。


 信也は両手に持った剣を頭上高く振り上げた。


 ソードマスターが放つ至高の斬撃。


 次の瞬間、正真正銘信也は驚いた。


 戦闘中では失態だが信也は唖然と錬司を見つめていた。しかしそれも仕方がない。


「馬鹿……な……」


 錬司は信也の間合いの外にいた。五メートル以上も離れた場所にいたのだ。


 ――ソニックブームをまとって。


「音速行動!? どうやって!?」


 叫んだ、叫ばずにはいられなかった。倒せると確信した一撃、それをこんなデタラメで躱されるなど予期しろという方が無理だ。


 錬司が見せたのは音速に並ぶ高速行動。情報になかった新たな能力だ。


「本当にどういうことだ?」

「おいおいそんな熱い目で俺を見るなよ、女が妬くぜ?」

「姫宮詩音なんですけど!」


 信也は得体の知れない不気味さに奥歯を噛み締める。対して錬司は余裕の表情だ。


 どういうことか分からない。信也は我慢できなかった。

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