表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地平線のかなたで  作者: 羽月蒔ノ零
地平線のかなたで
6/37

澄野優莉

 澄野優莉さんの能力が開花したのは、小学生の頃だったそうだ。

 

 ある日の朝、ルービックキューブをしていた澄野さんだったが、あと少しで6面すべてを揃えることができそうなのにも関わらず、学校へ行かなければならない時間が来てしまった。


――時間が止まれば、6面全部揃えられるのに!――

 彼女がそう強く念じたその瞬間、ピタリと時間が止まったのだという。

 

 彼女は時間が止まったことに大変驚きつつも、とりあえずルービックキューブの完成を優先させたそうだ。そうしたのは、心を落ち着かせるためでもあったらしい。


 そして、人生で初めて自分の力だけで6面を完成させた彼女は大喜びし、そこからようやく周りの状況を詳しく調べ始めたそうだ。


 時計を見てみたが、やはりまったく時間は進んでおらず、家族もみんな止まっていた。蛇口から出る水も、外を走っていたはずの車も、風も、雲も、すべてが止まっている。

 しかし、そのすべてが止まった世界の中で、彼女だけが、自由に動き回ることができた。



 やはり、自分が時間を止めてしまったようだ。ルービックキューブを完成させたいからといって、世界を止めてしまった。さすがにこれはやりすぎだ。どうやったら元に戻せるのだろう……。

 彼女は悩み、そして、

――また時間が動き出してほしい!――

 そう念じると、すぐにまた世界が動き始めたらしい。


 心に強く思うことで、時間を止めたり、元に戻したりできるのだそうだ。

 

 そして高校卒業後、東京の大学へ進学するため、兵庫県から上京してきたのだという――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ