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転生したのにモブだった⁉︎  作者: ましろ水
2/2

第1話

そういえば、まだ私の名前を言っていなかった…(さすがモブね)


私の名前はヒスイ・ネフリティス。黄緑色のくせっ毛に赤い瞳。顔はモブらしく平均といったところか…うん。なんとも言えない容姿。


まぁ、モブだから仕方ないんだけど…


前世の記憶を取り戻した時は、記憶が混乱したが、ちゃんとこの世界で生きた記憶は残ってる。

少し整理しよう。


ここは、剣と魔法の世界。言語は日本語ではない…残念。ヨーロッパみたいな文化だ。貴族は生まれつき魔力量が多く、平民は生活ができる程度。だが、たまに平民でも魔力量が高く、魔法の才能に恵まれる子がいる。それが主人公だ。

貴族の子供は、8歳になると必ず魔法学園に入学する。そこで魔法や剣といったものや、マナーや政治の仕組みといった貴族に必要なことを学ぶ。


今現在、私はネフリティス公爵の末っ子。3歳…。上にはもうすぐ8歳、7歳になる兄が2人。2人ともお母様に似てイケメン。…私と違って。

お父様のせいだぁぁぁ。


そんなお父様は公爵。一応偉いらしい。私には甘々だ。お母様はとても綺麗で、優しくて、大好きだ。


さて、この後私は魔法学園に入り、死亡フラグが待っている。

ゲームの中で、私の魔法の才能は皆無だった。なんと、魔力量はあるのに呪文が発音できないという謎の設定だった。それに加え、反射神経がちょっといい感じの、勉強は平均以下。

…だから身代わりになるしかなかったのね。

ちなみに、これはどのルートでも確定だ。

自分で言いたくないが…つまり、これは私が死ぬというイベントだ。


…どうしよう。なんか悲しくなってきた。

なんか、じわぁっと目元が熱くなってきた。

だめよ!ないちゃ!これくらいで…ない…て…

「ふぇぇぇぇぇぇん」

涙が次から次へと溢れてくる。

3歳の精神力には勝てなかった…


「お嬢様ー!!どうされたんですか⁉︎」


パタパタと走ってきてくれたのは私専属のメイドさん、エリカだ


「えりがぁぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁぁぁん」


「怖い夢でもみたんですかねぇ〜〜もう大丈夫ですよ〜〜」


と言って、抱き上げて背中をぽんぽんしてくれた。

しばらくゆらゆらされていると、だんだん眠くなってきて……


「あらあら。お嬢様泣きやんだと思ったらもう寝ていらっしゃる。」


____________________________________________


「んっ…んんー」


ばちっと目を開けると…


「おはよう。ヒスイ」

イケメンがドアップでなんか言ってきた。


……。…まだ夢か。スー


「ヒスイーー⁉︎今目開けたよね!!??お兄ちゃんのことみたよねーー⁉︎ヒースーイーちゃーん!!」


しょうがない。現実を受け入れるか。

そう諦めて、ぱちっと目を開けると…


「ヒースーイー!!!」


と言って抱きついてきた残念なイケメン…1番上のルイ兄様。もうおわかりの人もいるだろうが、シスコンだ。

銀髪ストレートをクレオパトラカットみたいに切り揃え、深い青の瞳をした兄様。

何も言わなければかっこいいのに…。


この兄様は、後に攻略対象となる。

ルイ兄様のルートで、兄様は普段は氷のような冷たい表情をしているが、主人公だけには甘いマスクで微笑んでくる。独占欲が強く、後ろから抱きついて『一生離さないから』とか言ってくる。…この時、私は部屋でのたうち回ってました。



私は結構、このルイのルートが好きだった。

しかし、いざ生まれ変わってみて知った。

ルイってシスコンだったのか。

しかも結構めんどくさい。

まぁ、ゲームでシスコンでなかったってことは、いつかは妹離れするんだろう。

それまではいいか。


…ということを、ルイ兄様の膝の上で(いつのまにかのってた)ほっぺをむにむにされながら考えていると、


「なんで泣いてたの?なにか怖いことでもあった?」


と聞いてきた。説明がめんどくさいので、

「ちゅよくなりたい!」

とだけ言った。…噛んだ。

お兄様は、後ろ向いてぷるぷるしてる。

「わりゃわないで!」

…もう知らない。

「ぶはっ」

兄様がとうとう吹き出した

「ごっ…ごめんねもう笑わないから」

笑いを必死に耐えた顔で言われても。

むーっとお兄様を睨んでると

「なんで強くなりたいの?ヒスイが強くなくても僕が守ってあげるから大丈夫だよ?」

と言ってきた。あわてて話を逸らした割にちょっとかっこいいこと言ってきてムカつく。

でも説明がめんどくさいよね。ここは小さい子らしく、

「魔法が使ってみたいのー!」

と、言ってみる。ほんとに呪文が発音できないのか確認しとかなくちゃね。発音できるのも探せばあるかもしれないし…。


ルイ兄様はニコッと微笑んで、

「じゃぁ、毎晩魔法のご本を読みにきてあげる。」

と言った。

私がやりたいのはそういうことじゃない!

「わたし、せんせいにおしえてもりゃ……らいたい!」

「…僕じゃやなの?」

「やなの!せんせいがいいのー!」

「…わかった。お父様に言っておくよ。」

やったー!!お父様に言えば、私に甘々だからゆるしてもらえるよね〜!

「ありがとう!ルイにいさま!大好き!!」


兄様は、なんか複雑な表情をして、最後に私をぎゅってして帰ってった。





貴族の階級としては、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順に偉いです。

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