空が落ちた次の日に〜4〜
時刻は23時を回ったところ
食事を終えた和馬と晶、ミーシャ、それに龍馬がリビングに置かれたL字並びのソファに、ミーシャを中心にして集まっていた
食事を終える間際、龍馬が「食べ終わったらソファに集合な。」と一言告げていたのだ
一同がソファに座るのと同じタイミングで廊下につながる扉が開いた
「も〜なに〜?テレビ見てたのに〜」
京子と、その後ろから和馬の妹・美咲が部屋に入ってきた
ちなみに和馬は3兄妹の長男、長女の美咲、さらに次女の真咲がいる
「…?晶姉ちゃんはわかるけど、そっちの金髪の人、誰?」
「ハジメマシテ、私、ミーシャと言います。」
ミーシャが丁寧にお辞儀をしながら挨拶をする。
「あ、どうもご丁寧に…高槻美咲です。」
つられて美咲も挨拶を返す。
「真咲は寝てたか?」
「ええ、それにあの子には難しい話だと思うし…私が後からそれとなく話すわ。」
真咲はまだ10歳、小学4年生にはもう遅い時間だ
「ねぇ、なんなのこの状況。早く説明してよ。」
美咲がダイニングから持ってきた椅子に座って悪態をつく
観ていたテレビがよほど楽しみだったのか、機嫌が悪い
「そうだな、まずはこの子の素性から話した方が早いかな。」
龍馬がミーシャの座っているソファに視線を落とす
ミーシャは少しうつむき、唇をギュッと結んでいる
「さっき和馬と晶ちゃんには話したけどな、このお方はミーシャ・シルヴェスタ・グラン殿下。グラン王統国の第一王女だ。」
龍馬の紹介に場が一瞬の静寂に包まれる
「……はぁ?王女様!?な、なんでこんな平民の家にグランの王女様が居るわけ!?意味わかんない!っていうか本物なの!?」
あまりの驚きに立ち上がり、マシンガンのように龍馬に質問する美咲
「美咲、落ち着けよ。俺だってまだ半信半疑なんだよ。」
「アニキは落ち着きすぎでしょ!」
異様なほど落ち着き払っている和馬と対照的に大騒ぎする美咲
「ハイハイ、今は兄妹ケンカしてる場合じゃないでしょ〜」
2人の間に割って入る晶
「ア、アノ…証明になるかわからないデスケド…」
ミーシャがペンダントを外して、それを開いて一同に見せる
「コレは王家に子供が生まれたら作られるペンダントデス。王家の紋章と名前が刻まれてマス。あと、この写真に写っているのは、ワタシの家族デス。」
写真にはミーシャと同年代の男性と40代後半から50代くらいに見える男女が写っていた
「…このおじさん、世界会議の演説動画で見たことある!たしかグラム王統国の代表だって言ってた!」
晶が大きな声をあげる
晶とミーシャ以外は(国家元首をおじさん呼ばわり…)と若干引いていた
ミーシャもなんと言ったらいいか…という顔をしている