1話 プロローグ
1話 プロローグ
《Countless Road Online》
カウントレス ロード オンラインこのゲームは
あるゲーム会社とVR企業が一流の人材を集めて作った最新作のVRMMOである。
従来のカプセル型では無く、頭につけるヘッドギアタイプでこれは小型化しただけではなく、五感をも完全再現しており先行体験組いわゆるβテスト版をプレイした人達がネットで騒いだことにより今CMはもちろんテレビや雑誌で大きく注目を集めている
当然、競争率も高くなり発売日の一週間前から並ぶ人もおり初回の5万版は即売り切れとなった。
そんななかある中学校の教室の昼休みにで目の前にいるイケメンは言った。
「Countless Road Online知ってるよな?一緒にやろうぜ!」
一瞬、急にどうした暑さで頭がやられたか、と思ったがそんな様子も見られずニコニコしながら俺を見ていた
「そりゃあやれるならやって見たい気もするが持ってないぞ?」
「俺β組で、二つあるから一つやるよ」
なんともイケメンなセリフを言ってきたこの男は池 奏多といい、女子から熱い眼差しを
男子から嫉妬のこもった眼差しをもらう幼馴染である。
奏多は誰にでも優しく、運動もでき、容姿も良いのだからモテるに決まってる。
バレンタインなんかは袋一杯に持ち帰るのは毎年の光景である。
ちなみにクラスのリーダー的存在で男子とも当然仲が良くまさにどこぞの主人公みたいな奴である。
「でも、そんな高いの貰うのはちょっと気がひけるな」
このゲームはヘッドギアも買わないといけないため中学生には中々手が出しにくい金額になっている。
しかし、目の前のやつは
「うーん。じゃあこうしよう!もうすぐ誕生日だろ?誕生日プレゼントってことで、
あっ、鈴菜もやるし花梨ちゃんも桜さんもやるらしいから貰わなかったらひとりになるぜ?」
「マジか!?みんなやるのかよ!うーん。
よし!じゃあやらせてもらおうかな!」
「俺と鈴菜と花梨ちゃんはβ組でそれぞれあげることになってるからあんまり気にすんな!」
この男は良いやつなのだが時々腹黒い一面も持っており、今回見たく断りづらくしてやらせるのだから良い性格というかなんというか
「とりあえずなんもわからないと思うから今日放課後お前の家に集合な?俺と鈴菜と鈴菜が上げると思わしき進堂さんと花梨ちゃんとお前で予習するぞ」
「分かったよ。帰りになんかお菓子とか買っといてやるよ」
俺の家族は父と母と俺と妹の四人暮らしで姉が大学のため一人暮らしをしている。
あぁ、鈴菜というのはもう一人の幼馴染で、成績優秀・容姿端麗そして、運動も出来るというなんともまあ出来たやつだ。
容姿はとても可愛らしく一ヶ月に二度は告白されている。
返事は全部ノーらしく、たしか好きな人がいるらしく断ってるらしい
以前、奏多に聞いて見たところなにかニヤニヤしながら本人に聞いてみれば?と言われ、聞こうとしたが奏多の思い通りになるのが嫌で聞かないでおいた。
あと一週間で夏休みなので、今年の夏はゲームになりそうだ。
ちなみに、うちの学校は付属の中学校なので、エレベーター式で入学できる。かといって、勉強しなくて良いわけではないのだが…
家に帰って少し経つと、ガチャリ、という音とともにみんながやってきた。
「よし!まずCountless Road Onlineの大まかな説明をするぞ!花梨ちゃんボードをここに」
「はい!奏多さん!」
…うん。妹よ。なぜ、家にそんなものがある。と、聞きたいのを我慢して奏多の言葉を待った。
「まず、最初にキャラメイキングは大まかには変えられない。髪や眼の色、長さを変えられるくらいで性別とかは変えられない。なんでも大きく変えると人体に影響が出るらしい
だから、基本的にネカマは出来ない。まあ、そう見せることもできるがな。」
と、ニヤニヤしながらこっちを見た。
俺は身長165センチで髪は少し長め、そして、顔はとても中性的で小さい頃よく可愛い三姉妹だねぇと近所のおばさんに言われていた。
だが、俺は男だ!と、思いながら口を膨らまして不機嫌そうにするが、周りを見渡すとみんなが、ほんわかな笑顔をしていた。解せぬ
。
「次に種族設定な。種族はヒューマン、エルフ、ドワーフの三種類で、
ヒューマンが良く言ってオールラウンダー、まあ器用貧乏だな近接も出来るし魔法も出来るただ、どちらも劣るがな。
エルフは魔法が得意で近接戦が苦手
ドワーフが魔法が苦手の代わりに近接戦得意となっている。
ちなみに鍛治がしたいならドワーフ、木工がしたいならエルフ、調薬がしたいならヒューマンってな感じで、生産の事も考えとくと良い。」
なるほど、魔法が使いたいならエルフ、近接戦で行くならドワーフ、両方使うならヒューマンってとこかな?
「ちなみにこのゲームスキル補正はあるけどリアルでの動きやプレイヤースキルつまりPSによって全然違うから気をつけておけよ。」
「それってスキルレベルが同じなのに使い方とかによって勝敗がつくってこと?」
「まあ、そんな感じだな。」
「次にステータスな。
まず、STRこれは物理攻撃力だな、VITは物理防御力、AGIが素早さで、INTが魔法攻撃力、MNDが魔法防御力、DEXが器用さ、武器の扱いに関わるそしてLUKが運、つまりクリティカルとかドロップに関わる。ここまでで質問は?」
「はい!」
「鈴菜君!」
「装備とかになにかせいげんとかってあるの?例えばSTRが10以上とか」
「良い質問だ。答えはあるとも言えるしないとも言える。別にステータス不足でも装備はできる。ただ足りてないと十分に扱えなかったりダメージを負ったりする事もある。」
俺は二人の会話を聞いてふと思った
「なあ、魔法って武器でどうにかなるものなのか?」
「ん?というと?」
「いや、例えば魔法って武器で迎撃出来たりするのかなって」
「ああ、そういうことな。βの時だと出来る奴はいなかったな。だから、もともと出来ないのかできる奴がいなかったのかはわからない。ただ、俺はそういうのがスキルにあると思ってる。その方が絶対面白いしな!」
おい…前半はいいとして最後のなんだよ。
でも、多分あるんだろうな。奏多思うってことはあの人も思ってるだろうし。
「最後にスキルの話な。スキルはSPを使って取得する。最初は10個スキルが取れる。スキルの数は膨大だし、未確認スキルも数多くあるらしい。んで、スキルレベルが10ごとに
1貰える。スキルは最大まで行くと派生や上位のものを取得できるようになる。そして、
重要なのはそのスキルに順ずる行動をした場合そのスキルが取得可能になる。例えば、
剣を素振りしてたら【剣術】スキルが取得可能みたいな感じだな。」
「後は、自分で調べながらやった方が楽しいだろうからな夏休み初日にスタートとは運営もやるもんだな。これで、予習会を終わる。」
その日の夜自分でも調べて見たがテンプレらしきものや不遇スキルなどがあって大体目ぼしいものを決め、楽しみに思いながら意識が落ちていった。