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こじらせぼっちはハーレムエンドを目指さない  作者: 猫派
二章 このハーレムは重すぎる
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二節 一寸先は闇ってやつ?



「……うわぁ。今日はまた一段と酷い顔してるねぇ。おかしいな、まだ10日は先だと思ってたんだけど」


「うるさい。ほっとけ。あとなんでお前がそんな事知ってる」


「やだなー。ぁたしたちわズッ友だょっていつも言ってるじゃん。添い遂げる準備は完璧だぜ。だからレズ○ックスしよ!」


「死ね」


「ヒドス・ギウチ」


「だから誰だよ」




 昼休み、食堂の窓際のテーブルにて。結局考えて分かる事なんて何もなく、でもなぜか私の気分は一向に晴れる気配はなく、気づいたら4時間目が終わっていた。


 ……いや、本当は少しだけ分かっている。彼女が最後に言った一言、あなたも私の気が変わる前に早く決めてね、と。


 食堂の奥に目をやる。当事者であるはずの男は、今日も何事も無かったように隅の方の席でラーメンをすすっている。とても二人の女の子と一つ屋根の下で寝泊まりしているとは思えない。


 どういう訳かあの子も、彼と会話している様子は無かった。至っていつも通りだ。違うのは一人悶々としている私だけ……




「……また愛しのカレを見つめてトリップしちゃったよ。急にどうしちゃったのかね?」


「ふぁいひふぃへいひょうほぅ」


「うん。そうかもしれんね。何言ってるか全然分かんないけど」


「ふぁっふ……(ゴクン)……恋煩いの原因菌は潜伏期間が長いって言葉、知ってるー?」


「知らんね」


「今あたしが考えたからねー」


「ロマンチック! 素敵! 抱いて!」


「プリンくれたら先っちょだけ良いよー」


「やっす……しかも先っちょだけかぁ……」




 いつの間にか私は、あいつの事を憎からず思っていたのかもしれない。そしてどこかであいつの人格までも規定していた。私が高く買っているあいつは、きっとこんなやつだ、と。


 そして、勝手に失望した。女の子に言い寄られてほいほいと家にまで上げるような奴だとは思わなかった。




「きっとねー、この子は今、自分の内なる恋心に気づいたんだよ。そして悩んでる。この想いを……はむっ……うひあへるへひは」


「なんで最後食べちゃったの? 我慢できなかったの?」


「はお、へふふぇっふ、(ゴクンッ)、レズセッ○スする時は呼んでねー。3Pならご一緒せざるを得ない」


「抱き売り商法かな?」


「お前ら食事中に何の話してんだよ」


「あっ帰ってきた」


「おかえりんこー」


「小学生か」


「実の所さぁ、何があったか話してくれても良いんじゃあないかね?」


「今なら占いも付けちゃうよ? 食堂の母と呼ばれたじつりきをみせつける!」


「それただの食堂のおばちゃんじゃん」


「2980円」


「金とんのかよ……ほんとになんでもないって」


「そうは言ってもねぇ、かわいい盛りの女の子が、そんな顔してたら誰だって心配しますがな。新しいマスコットを探す必要があるかも分からんし」


「そうなると4Pだねー」


「私も混ざるのかよ……そうだな……フリーだと思ってたら二人も女がいた、ってかんじ」


「……うっそマジで? あれに?」


「わーお! らてくりーむしゅがーすきすきってやつだね!」


「……え? 今、なんて言ったの?」


「冒険者のライフが300減少した!」


「攻撃呪文だったの?!」


「占いの結果はねー……黒だね!」


「おっ、大胆だねぇ」


「どういう意味だよそれ」


「攻めろって事でしょ。ハーレムで4Pかうちらで4Pか、攻めの選択が求められてるんだよ」


「だから四人目どっから出た」


「おすすめは無理矢理押し倒して略奪愛コースね……はいっ」


「うん?」


「2980円」


「……プリンでいい?」


「……いやー、やっぱり報酬は後かなー。結果次第ってことで」


「へ? 結果?」


「……んじゃ、あたしらは教室戻ってるから。あとはごゆっくりー」


「えっちょ、私まだ食べてないんだけどっ」


「お? わざわざ席を外してくれるのか」


「ふぁ……?」




 後ろから声。振り向くとあいつがいた。




「……よぉ、パン少女よ」




 わたしはめのまえがまっくらになった。

投稿が遅れ、毎日更新の文言に違う結果となってしまいましたので、27日分として2話投稿致します。


更新が遅れた旨、大変申し訳ありませんでした。

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