表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こじらせぼっちはハーレムエンドを目指さない  作者: 猫派
一章 こじらせ男と三匹の嫁
29/60

六月最後の土曜日 4



 やけになって涙目でご主人様を連呼してきた彼女を頭を撫でて黙らせながら、俺たちは遊園地を後にした。途中、おみやげを買うところまで含めて遊園地だよ、とか言うので売店に寄ってから出口へ向かう。


 こんなローカルな遊園地でおみやげも何もないだろうと思ったが、彼女はキャラクターの描かれたペンなどの小物をいくつか買っていた。俺はというと、今日に至るまでの様々な出費で所持金が尽き、見て見ぬ振りをした。我ながら情け無さすぎる……


 門を出てから、いつの間にか降り出していた雨に気づく。




「雨、降ってきたな。傘持ってるか?」


「あ、うん。あるよ」




 いつの間にか彼女は一本のビニール傘を手にしていた。さっきの売店で買ったのだろう。と、それをこちらに差し出してくる。




「ん?」


「君の方が背が高いでしょ。君が持ってよ」




 理解した。どうやら彼女は、世に言う相合い傘をご所望らしい。確かに俺は傘を持ってないが……




「普通、主人に傘持たせるか……?」


「ちがうちがう、君は勘違いしてるよ。私は君の奴隷になりたいって訳じゃなくてね……」


「あれ、違ったか?」


「いや、それも悪くないけど……えっとほら、ペットだよペット。愛玩動物的な、そういうの」


「ち○ち○」


「くぅーん……ってそうじゃなくて!」


「おぉ、芸もできるのか。良い子だ。撫でてやろう」


「わふぅ……」




 なるほど、彼女はそう言われて見るとどこか犬っぽいようにも感じる。とにかく、彼女の中でそういう設定なら、俺もそれを尊重しよう。




「あ、そうだ。連絡先交換してよ」


「おう」




 一つ傘の下で見る彼女は、俺が思っていたよりずっと小さくて、普通の女の子だった。いつかの季節に出会った少女と今目の前にいる彼女が、初めて重なった気がした。


 こうして俺の人生初デートは終わりを告げた。セクハラされたり振り回されたり呆気に取られたりセクハラされたり驚かされたりオトされそうになったりしたが、総じて楽しい一日だった。やたらと疲れたが。


 あと、とても可愛いペットができた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ