初めての恋が終わった日 4
赤く染まるゴンドラの室内、唖然とした彼の顔を見て勝利を確信する。彼の周囲の、他のどんな女の子も、これ以上のインパクトのある告白はできないだろう。
彼は最初は拒否するかもしれないが、最終的には私が側にいる事を良しとするはずだ。私は彼の友達になるのでも、恋人になるのでもない。私は彼に支配される。そして彼を支配する。私と彼の関係は永遠だ。
「……すまん、それは一体……どういう意味で?」
「そのままの意味だよ。君の命令なら何でもするよ?」
「……何でもか?」
「うん。何でも」
望むところだ。
「それで、俺は何をすれば良い?」
「私を認めてくれれば良いよ。たまに会話したり、命令したりしてくれると嬉しいな」
「そうか……」
彼は何やら考え込んでいるようだ。
ゴンドラは全体の3/4を過ぎた。保留だろうか? しかしそれはイエスと同義だ。
「……友達ではだめか?」
「君がそう命令してくれれば」
「はぁ……分かったよ。これからよろしく」
「うん! よろしく、ご主人様!」
あぁ……この一年間、片思いを続けてきて本当に良かった。これからは24時間365日、可能な限り彼と一緒にいよう。彼の視線も匂いも手の感触ももう私だけのものだ。
この上命令まで貰えると思うと……あまりの幸せに惚けてしまいそうだ……! 彼がふっと目をそらす。いけない、私の顔は既に蕩けていたようだ。
しかし、今までただ眺めているだけだった彼と、こんな18禁ゲームみたいな関係になれるなんて、やっぱり全く実感が湧かない。ためしに少しいちゃいちゃしてみよう。
「うおっ! いきなりすり寄ってくるな……!」
「えー 、いいじゃん。もう少しくっつこうよ」
「俺だって不能じゃないんだぞ……! そうひっつかれると、その……」
「嫌なら命令して良いよ?」
「ぐっ……」
「……嫌じゃないんだ」
なんだこれは。すごく楽しい……!
「……いや、するぞ、命令。良いんだよな?」
「もちろん。何でも言って」
「復唱してくれ。『お慕いしておりますご主人様』」
「お慕いしておりま\ガチャッオツカレサマデシター/すご主じんさま……ぁ……」




