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こじらせぼっちはハーレムエンドを目指さない  作者: 猫派
一章 こじらせ男と三匹の嫁
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初めての恋が終わった日 3



 さて、人のまばらな午後の遊園地。そろそろお昼とは言い難い時間の日当たりの良いカフェスペースに私たちはいた。




「昼ご飯にはだいぶ遅くなっちゃったな……何食べたい?」


「……あ、あなたが欲しい……」


「怖ぇよ……サンドイッチで良いな? 買ってきてやるから待ってろ」




 あぁ、彼が行ってしまう……着いて行きたいけど、腰が……抜けて……


 テーブルにくずおれる。まぁ、ここまでおぶってもらった、その余韻に浸りながら、ここは大人しく待つとしよう。


 それにしても、さっきのは効いた。ジェットコースターで何度もひどくふり回されて、吐きそうなところに自分の唾液入り(なぜかばれていた)のお茶を無理やり飲まされて……正直、ぞくぞくした。ジェットコースターにはもう二度と乗りたくないが。


 彼になら、いじめられるのも悪くない……というか、そもそも彼はかなりSっ気がある。彼に思いっきり嬲られて、その後にいっぱい甘やかされる……これは、私がかねてから夢見ていたシチュエーションだ。


 やっぱり、あらためて彼は、いい。おぶられた時感じた彼の背中は、大きくて良い匂いがした。機会があればまた堪能したい……


 なんて考えているうちに、だんだんと頭の回転が回復してきた。現在時刻は午後3時。後でメリーゴーランドとコーヒーカップ、もう一度乗りたいな……


 彼が戻って来た。




「買って来たぞ。飲み物はアイスティーで良かったか?」


「うん。でもそっちのカフェオレも欲しいな」


「またジェットコースター乗るか? ……悪かったから目に光を戻してくれ」




サンドイッチはまあまあの味だった。食べながら彼が、私を見て言う。




「……一つ、訊いて良いか?」


「何かな?」


「俺で良かったのか?」




 ……今日、誘った事だろう。




「なんで君だったと思う?」


「さぁ……それがどうにも解せなくて、正直戸惑っているんだ」




 確かに、彼にしてみれば当然の疑問だ。むしろ、その質問がこれまで出なかった事が、私と彼との不自然な距離感を逆説的に物語っていた。


 私はほんの僅か、真面目に考えてみる。この一年、何度となく考えてきた事だ。やはり、結論は同じだ。




「それがね、深い意味はないんだ。強いて言えば、君がそこにいたからってだけ」


「……」




 彼は納得していないようだ。当然だろう。私にもよく分かっていないのだから。




「私が思うにね、みんな理由を求めすぎなんだと思うよ。確かに、物事には経緯やら原因やらがあるものだけど、その全部は分からないし、分からなきゃいけない訳でもないと思うよ?」


「……なんか、ややこしくしてごまかそうとしてないか?」




 そう。私はこう見えて理屈屋なのだ。だから色々考えたし、納得もしていない。けれど、理由なんかが分かったところで揺らがないと確信できるものを今も、感じているから……




「つまり、私は今、すごく楽しいから、それで良いんじゃないかなってこと」




 今、彼と共にいる幸せを、私は何よりも信じている。




「……そりゃ分かりやすいな。納得はできないが」


「うん。それで良いんだよ」




 そう、それで良い。理解できない事があれば、理解しようとするのが人間だ。理屈が分からないものにこそ、人は強く惹かれる。彼を前日に突然誘ったのは、インパクトを与えたかったからだ。


 私はこの人の友達になりたい訳ではない。この人を支配したいのだ。この幸せを永遠にするために……


 私があなたを失望させる事はないと、これから証明するよ。

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