表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こじらせぼっちはハーレムエンドを目指さない  作者: 猫派
一章 こじらせ男と三匹の嫁
16/60

六月の晴れた日 5

5-a.



 私は彼が廊下を歩き去っていく足音を聞きながら、まだぼんやりとはっきりしない頭で考えていた。


 彼は今日、昼休みに入ってすぐに教室を出て行った。校舎裏にも食堂にもいなかったから、校外に出たんだろうと思って教室で待っていたけど……


 ちょっと彼の席に座ってみるだけのつもりが、うっかり寝てしまったみたい……いつの間にか、外はもうすっかり暗くなっている。


 でも、おかげで彼と会話ができた。今でもまだ、彼と話していると、気分が高揚して顔がにやけるのを抑えきれない。


 明日は多分、彼は一日中家にいるはず。友達には、部屋を覗くのは犯罪臭がするからやめろって言われたけど、やっぱり一日に一回は彼の顔を見ないと……


 誰もいなくなった教室を後に、足取りも軽く私は廊下を歩く。ふふ……今日はよく眠れそう……






5-b.



「ただいまー」


「ゔぇええ兄ちゃん遅すぎー! もうみんなご飯食べちゃったよー」


「急に鳴き声を上げるな。いいよ、温めて食べるから」


「え、ないよ?」


「は?」


「だから、兄ちゃんの分のご飯、もうないよ」


「……はぁ?!」




 結局、兄ちゃんはコンビニ弁当を買ってきて食べていた。昼も夜も弁当かよ……とか何とかぶつぶつ言ってたけど、最近あたしを差し置いて楽しそうにしている罰だ。あたしだってたまには一緒に遊びたい……明日はゲームにとことん付き合わせてやろうと決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ