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俺がこの世界に存在していた意味のために


 降りしきる雨の中、俺は天を仰ぐように倒れている。雨は冷たくて、濡れた病院の服が体に張り付いて、気持ち悪い。

 少し痛みを感じながら上体だけを起こすと、俺と同じように倒れているコナツを発見した。彼女もまた、雨に濡れている。

 「おいコナツ、意識はあるか?」

 「ヒロシ?」

 俺の声に反応したコナツはゆっくりと上体だけを起き上がらせた。

 「大丈夫か?」

 「え、ええ……」

 「まったく月御門のやつめ、もう少し場所を選んでほしいものだな、雨でびしょびしょだよ。よし、早速だがエリカ救出に向かうぞ。と、その前に、スマフォで今日が何日なのか見てくれないか? それと、本当に戻ってきたのかも確認できるか?」

この世界が表で、日にちは五月五日という確証はどこにもなかった。もしかしたらただ単に神社の外に意識がぶっ飛んで倒れているというオチもあるからな。

「ごめんなさい……無理……かも」

コナツは俺の簡単な要求を断った。

「なに言ってんだよ。こんな時に、って……コナツ?」

彼女の様子がおかしいことに気付く。辺りの地面をピシャピシャと音をたてながら手で模索していた。それはまるで自分の居場所を確認するように。

それに彼女は異様なまでに小刻みに震えている。寒いのだろうか。

違う、そんな安易な理由で震えているわけではないように見える。


 「何も……見えないの……」


 そのコナツの言葉に、一瞬で背筋が凍りついた。

 「嘘だろ……」

 すぐさま俺はコナツの傍に駆け寄って顔を覗き込む。彼女の瞳は完全に輝きを失っていて、闇のごとく漆黒の瞳をしていた。

 「おまえ、まさか! 光を全部もってかれたのか?」

 「そのようね……」

 「なんで……月御門……光が足りなかったってのかよ」

 視界を完全に奪われたコナツがエリカを救出することなんて到底無理だ。それなのに何故こんな残酷なことをしやがったんだよ。

 「無理もないわ。二人の人間を別の世界に飛ばしたのだからね。代償も大きいわよ。ふふ……二人じゃなかったわ、ヒロシは猫だもんね」

 「冗談言ってる場合かよ! すぐに病院に」

 「だめよ……あなたはエリカちゃんを助けに行くの。もう時間が無いわ。あたしのスマフォで時間を確認してちょうだい。確か、火事が起きたのは昼の三時ぐらいよ」

 生気を失ったようなコナツの言葉を受け入れた俺は彼女のポケットからスマフォを取り出して画面を確認した。

 『五月五日午後三時七分』

 時刻はすでに三時を回っていた。

 「何時だったの? 日にちは?」

 「ご、五月五日の三時過ぎだ」

 「時間が過ぎてるじゃないのよ……早く! 早く輝き寮へ行ってちょうだい!」

 「でもおまえをここに見捨てて行けるかよ!」

 こんな状況にも空からは焦らすように無数の雨が俺とコナツに降り注いでいる。

 「バカ! 時間が無いのよ! 早く行ってエリカちゃんを助けて!」

 「でも、俺が行ったところで何も変わらないじゃないかよ! おまえが行かないとエリカはあの呪いのせいで放屁して爆発するんだぞ! ……放屁して爆発……」

 どうしたらいいかわからず、怒声をまき散らしていた俺は黙り込んだ。

 異性が近づくことによって呪いが発動し、エリカはオナラをしてしまう。だが、俺は違う。エリカに近づいても彼女はオナラをしなくなったじゃないか。なんて……なんて重大なことを忘れていたんだよ俺は。屋上で特訓を重ねて、一緒の時間を過ごしたことで俺は彼女の呪いを唯一打ち破ったじゃないか。疫病神で死神だと思っていた俺のおせっかいは全部無駄ではなかったのかもしれない。

 「ヒロシ、どうしたのよ」

 「救える……エリカを救えるぞコナツ! 俺が救ってやる!」

 嬉しさとわずかな希望に俺は声を大にした。

 「なに? なにか秘策があるの? いえ、もうこの際なんでもいい! エリカちゃんを助けて!」

 「ああ、とっておきの秘策だ! すまない、せめて雨の当たらない場所に移動させるからそこで待っていてくれ」

 「わかったわ、お願い」

 俺はコナツに肩を貸し、裏月神社内の木陰まで避難させた。幸いにもここなら雨を凌ぐことができた。

 「よし……と、ここなら大丈夫だ」

 「ありがとうヒロシ」

 「それじゃあ、行ってくるよ」

 「ええ……」

 大木に背中を預けたコナツはぐったりとしながら俺にそう言うと、少しだけ口角をつりあげ微笑んだ。俺の言葉に安心したかのように思えたその表情を見た俺は、その場からすぐに走り出そうとした。

 「ヒロシ!」

 しかし、コナツに呼び止められ、俺は振り向く。

 「必ず……エリカちゃんを助けてあげて……一生のお願いよ……」

 いつもの強気な口調ではない。半分泣き声のコナツは俺に訴えかけるように言った。

 「死んでも助けてやるよ」

 「ありがとう……」

 輝きを完全に失ったコナツの目から滴が流れていった。これ以上、彼女を見るのは苦痛に感じた俺は、背を向けて全力で走り出した。

 目指すのはエリカのいる輝き寮だ。

 走っている時、思い出されたことがあった。同じような雨の日、コナツに輝き寮で「あなたは誰なの」と問われて、怖くなって輝き寮から飛び出したことだ。

 あの日との相違点は、自分の正体が何なのかがわかっていることだ。

 俺は裏月神社を根城とする野良猫。気の赴くままに生活をしていた。

 だけど今は違う。一人の人間を心の底から愛して、守りたいと思う人間だ。そして、その愛した人間をこの世界で唯一救えることのできる存在。

 自分でこんなことを思い、考えているのは自意識過剰だと後ろ指を指されるかもしれない。でも嬉しくて、爽快で、清々しくて、今はエリカが愛おしい。

 エリカに言われた「大切な人」その意味がピッタリと当てはまる人間になれたんだ。

 一流アスリートが試合前に行うイメージトレーニングのように、自分自身を奮い立たせながら輝き寮へと爆走していると、目的地まであと角を一角曲がれば着くところまで俺は走りぬいていた。

 ここからだ、あそこを曲がれば、ゴウゴウと火柱がたつ輝き寮だ。

 俺は目の色を変えて戦闘態勢に入る。

 そして角を勢いよく曲がった。

 「行くぞっ!」

 しかし、活き込んだ俺の目に飛び込んできたのは予想していたものと全く違う景色。

 ある意味期待を裏切られた。輝き寮は火柱がたつことも悲鳴をあげていることもなく、まるでなにもなかったかのように平然と存在していた。裏の世界と変わらない姿のままで。

 「はあ、はあ、はあ……ど、どうして……燃えていない……?」

 膝に手を当てて息を整えた。冷静になり、輝き寮をよく観察する。

 本当に火事など起きたのか、と疑いたくなるような光景。

 いや、考えろ俺。もうこの世界は俺とコナツという二人の違う世界からの干渉を受けているじゃないか。だとすれば、また火事が発生するし、あるいは落雷が発生するタイミングがズレただけなのかもしれない。

 膝からすぐに手を放して、俺は輝き寮へと突入する。しかし、玄関には鍵がかかっていて中に入れない。表の世界の鍵を持ってくればよかった。

 「くそっ! ええい、ままよ!」

 不法侵入になるとか考えている場合ではない。俺は玄関の引き戸を思いっきり蹴とばし、ぶっ壊した。

 豪快なガラスが割れる音と引き戸が倒れる音が雨音にかき消されることなく辺りに響いた。

 そしてそのまま寮内に侵入する。

 幸い、間取りなんかは一緒のようだ。本当に違う世界に来たのか疑いたくなる程に。

 まず一階にエリカはいないのか探し回ったが、エリカどころか、どこにも誰の姿も無い。

 もしかしてトラタロウも真白先生もエリカも外出しているのか? それなら安心なんだがな。そう思い始めた瞬間、二階から物音が聞こえた。

 俺の耳が正常ならば、聞き間違いではない。確かに二階に誰かいる。

 そう確信した俺は急いで階段に向かい、一心不乱に駆け上った。

 そして、一目散にエリカの部屋があった場所の扉の前に立つ。

 呼吸が荒くなっていた俺はここで一呼吸おいた。

 この扉の向こうにエリカがいる……そう、思うだけで何故か鳥肌が立つ。

 そしてドアノブに手をかけ、ゆっくりと回して扉を開けた。



 そこに鳳蘭エリカはいた。



 ベッドの上で掛け布団をかぶり、顔だけを出してこちらを怯えた目つきで見ている。

 なんだろうな。この気持ちは……安心? それとも嬉しい? いや、そうではない。ただ込み上げてきた俺の感情は一つだ。

 何故、そんな目で俺を見るんだ?

 苦い風邪薬を飲まされる幼い子供のような表情。眉間にしわを寄せて怯えているようにも見える。

 「エリカ……やっと会えた……すごく久しぶりな気がする」

 エリカが俺に対して送っている視線なんかつゆ知らずに言葉が出た。


 「な、なんで私の名前を知ってるんですか? あ、あなたは……だ、誰ですか?」


 ふいをつかれたようにエリカは震えた声で俺にそう告げた。

 「誰って……俺だよ」

 「さ、さっき下の階からすごい物音がしました。あ、あなたがやったんですか」

 「そうだよ。時間がないんだ。早くここから出るぞ」

 時間のズレは確実に起きている。でもそれが一日だけのズレなのかほんの数分なのか分からない。とにかくこの輝き寮から出れば確実に火事に巻き込まれることは免れると思った俺はエリカを連れ出そうと彼女の部屋に足を踏み入れた。

 「こ、来ないでください!」

 拒絶。エリカにこんなことを言われたのは入学式以来だったから、俺は強風にあおられたように後ろにのけぞった。

 「どうしたんだよエリカ?」

 「ど、どうしたって……ほ、本当にあなたは誰なんですか?」

 怯えきった彼女の目を見た時、俺は拒絶された意味を理解した。

 ここは表の世界。

 立川ヒロシなんていう裏月高校に通う人間はいない。つまりエリカは記憶を無くしているとかではない。純粋に俺を知らないんだ。彼女の視点からすれば不法侵入してきた同い年ぐらいの男でしかない。それは怖がるよな。泥棒か不審者の類だ。

 とにかく一刻も早くこの輝き寮を脱出しなくては。いつ落雷が発生するか分からないからな。俺はエリカの警戒心を解こうと必死に説明することにした。

 「鳳蘭エリカさん。俺は」

しかし、俺は黙り込んでしまった。なぜなら今にも泣きだしそうになりながら怯えているエリカの表情に苦痛を感じてしまった。こんな顔を俺に向けていることに耐え切れないほどの悲しみを抱き、俺はうつむく。

耐えられない……助けようとしている人間に向けられるこんな表情……ましてや、今目の前にいるのは愛している人間なのによ……どんな罰や拷問よりも辛い。


下唇を力いっぱいに噛む、そんな時、エリカの後ろの窓が発光した。その瞬間、彼女とこの部屋は、モノトーン調によって彩られる。


 「エリカ! 伏せ――」


 落雷による轟音とその衝撃で豪快に割れるガラスの音で俺の耳は他の音をかき消されるように塞がれた。地震のように大きく揺れた輝き寮は安定感を無くして、それと同時に俺は体勢を崩して階段の下へと転落してしまう。




 目を覚ますと、辺りはオレンジ色に燃え上がる炎で埋め尽くされている。

 熱い、熱い、熱い……俺の額に汗が水滴になって無数に流れ出ていることに気付く。いや、違う。これは冷や汗なのかもしれない。意識は意外にもしっかりとしていてすぐに現状を理解した。

 「え、エリカ……エリカぁ!」

 落雷の衝撃で一階まで転がり落ちてしまったようで、俺はすぐに立ち上がり再び階段を駆け上がろうとした。が、右足首に激痛がはしる。

 くそ! こんな時に……なんだよこれ、拳大にまで腫れてやがる。

 猫のように身軽だったらこのぐらいの高さ屁でもないんだがな。

 しかし、そんなことを気にしている暇はあるはずが無い。仕方なく一段一段足を引きずりながらエリカの部屋を目指した。

 そしてようやくエリカの部屋にたどり着くと、ベッドの上で倒れ込んでいる彼女の姿が視界に飛び込んできた。さっきの衝撃で気絶しているようだ。

 さながら、眠れる森の少女といったところか。幸いなのはどこもケガを負っている様子は見られないことだ。

 「エリカ! エリカ!」

 「……ん……ん? わ、私……」

 俺の必死の呼びかけに意識を取り戻したエリカは半目でこちらを見た。

 「よかった……すぐにここから逃げるぞ。立てるか?」

 「な、なにがあったんですか……え? 火? か、火事ですか?」

 「ああ、そうだ。雷が落ちたんだよ。すぐに脱出するぞ!」

 「は、はい!」

 火事になったおかげでエリカはさっきまでとは違い素直に聞いてくれた。

 しかし、俺のすぐ後ろで炎の塊と化した屋根の木材が勢いよく落下してきた。

 「おわ!」

 エリカの部屋の前にいた俺は咄嗟に部屋の中に飛び込んだ。そして入口は完全に炎で封鎖され脱出不可能となってしまった。エリカの部屋に閉じ込められてしまった。

 「ど、どうしましょう……」

 「あともう少しなのに……くそ!」

 考えろ! 考えろよ俺! ここは二階だ、脱出するには下の階に下りないとほぼ不可能だ。でも、階段はもう使えない……ましてや俺の右足は使い物にならない、俺の方が足手まといになるじゃないか……。

 「ゲホ、ゲホ! ……息が……」

 エリカが苦しそうにしている。室内に立ち込める炎は勢いを増すばかりではなく人体に有害な真っ黒な煙を発生しやがる。それは俺に時間が無いことを無言で伝えているように思えた。

 「俺はどうすればいいんだよ……」

 「あ、あの……どうして……」

 「え?」

 「ど、ゲホ! ……どうしてあなたはそんなに私を必死に助けようとしてくれるのですか?」

 何も事情を知らないエリカの言葉は、俺の心の奥にズシリと重く響いた。

言いたかった。俺は裏の世界で君と出会って、屋上で特訓をして、バッティングセンターに行って、サンドウィッチを食べて、ちょっとだけだったけどショッピングセンターにも行って、神社で寄り添い合って……君を好きになって……。

 でも、もうそんな時間すらエリカと俺には残されていなかった。心を持たない炎は今にもこの部屋を包み込みそうになる。

 「きゃ! 火が!」

 ベッドに火の手が周りはじめてエリカは俺の方に駆け寄ってきそうになる。

 「来るな! 来るなエリカ!」

 ビクっ! と俺の大声にエリカは停止ボタンを押されたかのように立ち止まる。

 「来ちゃ……ダメなんだ……ごめんな……おまえの秘密を知ってるから……」

 「え……どうしてですか? なんで知ってるんですか! あなたは誰?」

 言いたい……言いたい……言いたい……。いや、ダメだ。言わない方がいい。

 考え付いた苦肉の策に、俺の存在を明かすことはリスクが大きすぎる。

ここから脱出する方法は一つしかない。俺が犠牲になることだ。一か八か、あの窓からエリカを全速力で抱えて突っ込んで二階から真っ逆さまに落ちるしかない。エリカがオナラをする前に……それしかないだろ。

その際、コンクリートに叩きつけられるのは俺一人でいい。それで人生が終わって、エリカは生きて、目の見えなくなったコナツと裏月神社にいる月御門に見守られながら生き続けてくれ。だから俺の存在なんてエリカの人生には最初から無かった、それでいい。

「エリカ。俺を信じて窓に近づいてくれ」

「ま、待ってください。あなたのことを教えてください」

「俺のことはいい、頼む、早く窓の近くに」

「い、嫌です……なんだかとても大切なことのように思えるんです。なんでだろ……こんな死ぬかもしれない状況なんですが……あなたを見ていると落ち着かなくて……」

その言葉に、自然と涙が出てきてしまう。奇跡ってやつなのか? 彼女は知らないはずだろ? 表と裏で、表に俺は存在しないはずなのにどうして……いや、案外どこかでこっそりと繋がっているのかもな。なんたって、猫が人間に化ける世の中なのだから。

「なんで泣いてるのですか?」

「え、いや……煙が目に入っただけだ……」

急いで目をこする。

「嘘です、絶対に嘘です。あなたは知ってるんですよね? 教えてください」

大きな瞳をさらに大きく強調させてエリカは俺を問い詰める。ダメだ、言えばエリカの人生に要らないものがまとわりつくだけだ。そう考えた俺は一呼吸おいてから今できる最大限のダッシュでエリカへ接近する。

「え、ま、待って!」

そしてエリカに触れた。彼女の腰に手を回して持ち上げるようにして勢いよく割れた窓ガラスから飛び出した。

「いや、お腹が……ブ! ブルルルッルルルッルルルッルル!」

少しの時間差で放たれたオナラは炎に引火して爆発を起こした。その爆風にうまいこと背中を押された形になった俺とエリカは二階から飛んだ。

その瞬間に俺は不思議な感覚に陥る。一瞬だと思われたこの瞬間が俺にはスローモーションで流れている。そして脳裏に浮かぶ映像、これが人間でいう走馬燈というやつなのか。しかし、脳に浮かぶのは猫の時のだらけきった記憶などではない。立川ヒロシの入学式の自己紹介を終えたあの廊下、初めてエリカのオナラを聞いた場面だ。ああ、懐かしいな……できることならあの日に戻りたい。もう一度、エリカと同じ時間を過ごしたい。

「なあ、エリカ。俺は……」

感情の込み上げてきた俺は言いそうになる。言っちゃダメだ。こらえろよ……俺……。

スローの世界は終わりに向かっている。おそらく終わりはアスファルトに俺の頭部が叩きつけられた瞬間、死ぬ時だ。

俺はギュッとエリカの頭を自分の胸の中に沈めた。相変わらずいい匂いするな……。

そんなことを考えて、あと数秒であろう自分の命の節目に、冥途の土産にとエリカの顔を見る。最後だ、俺が愛した女性の顔を目に焼き付けておこう。そんな気持ちだった。

すると彼女もまた、俺の顔を見ていた。きっと怖くて目を閉じていると思っていた俺は意表を突かれる形となる。

視線が合う……押し殺していた感情が爆発してしまう。

言いたい、言いたい、言いたい、言いたい、言いたい。

エリカとこの先もずっと一緒に歩んでいきたい。

「立川ヒロシ。それが俺の名だよエリカ」

言って……しまった……。

「ヒロシ……君……」

「そうだ、いつもエリカはそう呼んでくれたよな……会いたか」



グシャッ! ……ワー……ンー……。



頭部に受けたことのない衝撃――。

たちまち世界は無音に陥り――。

雨が脳に直接降りかかってきている、と感じて――。



俺は死んだ。


どもども~

RYOです~

お読みいただきありがとうございます~


たぶん、おそらく、ついに、次回で最終話となります!


待っていただいている方!ついにですよ!


立川ヒロシ亡き後、どうなるのでしょうか? 

こうご期待ください!


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