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悔魂
遠い昔、迷える魂を救いたい、という亡霊がいた
ざわりざわりと霊が嘆く。
『ここはどこ?』
『悲しい、悲しい』
『たすけて』
それらを聞いているのは……毛布の塊のような、なにか。
「はいはイ。一人ずつ順番、だからねェ?」
不思議な口調でなだめながら、霊を浄化していく。
霊達は穏やかな表情へと変わり、消えていった。
彼は悔魂(カイコン)。
与えられた役目は”悔いがあり成仏できない霊達を成仏させる事”。
もっている力は”どのような霊も浄化する力”。
彼は”霊を救う”事が役目。
だから、生身の人間が大怪我をしていようが、死にかけていようが…彼にはどうする事も出来ない。
彼は笑いながら見捨てるだろう。
それが、彼なのだ。
今日も彼は、霊達を浄化し続ける。
「さぁさ、順番順番。きちんと並んでよっといデ。」