2話~全然進まなかった~
待ってくれている人いないだろうけど。
おっまたせ~緋廻綺さんだよ!
人間は、希望や思い込みで記憶違いをおこすものなのだという。まぁ、何が言いたいんだっていうとさ『夢オチ』っていいたいわけですよ。そう、昨日のアレは夢だったのだということにして二度寝をしたいけれどこの嗅ぎなれない匂いが現実なんだと証明してくれているのです。おろしていた瞼を上げると、見知らぬ天井。自分は今、自分の國の皇城の中の一室のベットの上にいる。
どうしたら良いのか分からず、取り敢えず上半身をおこして現実逃避をしていると左の奥にある扉が開いた。
「‥‥‥あ、起きたのですねルリト様、急に倒れたので皆さん心配なさってましたよ。」
「‥‥‥‥すみません。昨日リアン様とお話をさせていただいてからの記憶が無いのですが、何か皆さんに失礼なことをしませんでしたか?」
今、目の前にいるのは黒くて長い髪を持ったメイドさん。身長はレキs…より少し高いぐらいだろうか。
自分の問いに対しては微笑むだけなので不安が煽られる。
「私、ルリト様の専属になりましたアヤネ=ミナミと申します。」
「ああ、あなたがミナミさんでしたか。」
「はい。気軽にアヤネと呼び捨てにしていただければその首を切り落して差し上げますのでいつでもおっしゃって下さい。」
んん~なかなかに色の濃いお方の様で。
「あの、もしかして自分とレキ様の件には反対ですか?」
「もしかしなくてもそうですね。あと、私は基本的にはお客様の前以外ではこんな感じですので。」
「そうですか…でしたら自分がレキ様に嫌われるのに協力してくださいませんか?」
「……はい?」
困惑顔のミナミさんに微笑みながら返事を待つ。
ちなみに様付けをしている理由はそうしないと首が飛びそうな気がしたから。レキの前に行ったときが怖いなぁ。
「ま、待ってください。ルリト様はレキち…様との婚約解消を望んでいるのですか?」
「そうですね。」
「何故ですか!?レキ様みたいな可愛い子と、ですよ!?あの魅力がわからないのですか!?同性愛者の方ですか!?例えそうだとしてもあの可愛さの前では野生の雄なんて誰でも欲情するでしょう!?」
ぐいぐい顔を近づけてくるミナミさんが偏見を並べて迫ってくる。
「どうどう…落ち着いてください。自分はただ一人で暮らして朽ちていきたいだけなんですって。それに、確かにあんなに可愛い子に好かれて嬉しく思いますけど自分とじゃあ釣り合わないでしょう?」
「いえ、そこまで自分を卑下しなくてもいいと思いますけど…。でも、明日には子竜の儀に行くのでしょう?でしたら静かに暮らすことはもう不可能だと思いますけど。まぁ、レキ様をルリト様から遠ざけるのは賛成ですね。」
「自分はレキ様の性格も何も知らないので何の作戦も立てられないのですけどミナミさんは何か方針だけでもパッと思いつきませんか?」
「…私もいつからどうしてレキ様がルリト様を好きになったのか知りませんから何とも。何度かさりげなく聞こうとしたのですが失敗してまして。あ、ルリト様はレキ様のことを様付けしなくても大丈夫ですよ。レキ様から押っ切ったって聞いてますから。レキ様は見た目どうり普段はおとなしいのですが、一度強く決めたら誰にも止められないんです。」
「……」
心配して損した…。
「と、ひとまず話はここまでにして。着替えを持ってきたので着替えて下さい。朝食です。…それとも、着替えさせてほしいですか?」
「いえ、結構です。」
「そう、ですか。レキ様のことがなければルリト様はただの可愛らしい人にしか見えませんから着替えさしたかったのですけど。扉の外で待ってますね。」
そう言って、ミナミさんは出て行った。というかレキのことがあったら見た目が変わるのだろうか?
「まぁ、とりあえず着替えましょうかね。」
待たしたら悪いですし。
諸事情でな。執筆活動ができる状態じゃあなかったんだ。
だからと言ってこれからはやくなるわけでもないが。
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以上!緋廻綺さんでした!