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豆腐の角で怪我するぞ  作者: 惠美子
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春宵一刻値千金

 なんだか解らんけれど、漢詩の「春宵一刻値千金」と打ち込もうとしたら、「しゅんし」まで入力したら、パソコンに「春宵一刻値千金」の表示がパッと出てきました。今までそんな詩句を入力したことがなかったのですが、何だろう、詩心があるのかしら、このパソコン。

 日曜日に早目の夕食準備をしていたら、二男が自室から降りてきてテレビの前に座ったので、姑が「腹減ったのか」と訊くのに対してろくに答えず、「ガンダムか?」とわたしが尋ねると、「そうだ」と答えました。新聞のテレビ番組欄に『ガンダムシリーズ』の「鉄血の」なんとかの最終回と載ってましたが、よく覚えていました。宿題や提出物は忘れるのに、ご飯とおやつとこういうことは忘れないのです。おお、ジョジョは四月からだ、わたしも忘れないようにしなくっちゃ。

 春の宵といっても、まだこちらは冷えます。お花見の宴なんて、何年したことないでしょう。

 職場では、就職した最初の年しか参加した覚えがないですね。次の年からは、仕事が忙しいとか、結婚して子どもができて職場の付き合いに全部出ている暇がないとなり、大人になってからがほとんどないです。職場自体でも、年々桜の開花が早まるのと、年度初めの繁忙期が年々厳しく多忙になるのが重なって、花見どころでなくなってきましたから。

 年度初めの四月に連日の残業をしていても、なかなか追い付かないような毎日に、総務のエライさんが、残業ばかりしていても効率が良くなる訳じゃないと、戸締りを急かすがごとくのお説教をしてくださいましたが、少しでも早く申請にはお応えしたいと公務員だって努力しているんだと、示したいじゃありませんか。こぉんなに書類が山になっていたんですもの。

 夜中、朧月夜の歌を歌ったり、『源氏物語』にも引用されている大江千里の和歌を口ずさんだりしながら、所々に見える夜桜を眺めつつ家に帰りました。

 仕事が一段落着いてのGWに良人と車で出掛ける時、緑の中に残る山桜の花の色を見つけるのも好きでした。

 退職後、良人が単身赴任なので、家族で出掛ける行事も特になく過してきて、近所の桜をふと眺めるだけで、お花見は終わります。

「花より団子」ではありますが、やはり主婦は自分で茶を淹れ、団子を食べた後を片付けるので、買い物や散歩で桜花を眺めるのが一番、花を楽しめる瞬間ではあります。

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