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豆腐の角で怪我するぞ  作者: 惠美子
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Lupin the first

 とある昔のこと、良人や子どもたちでビデオレンタルショップに行った時、それぞれ好きな作品を選んで家に帰った。子どものアニメを先に観て、その後何を観ようかとの話になり、どんな作品を選んだか、良人から訊かれた。

「『ルパン』だよ」

「じゃあ、それを観よう」

 良人がわたしの借りた作品を観たいと言うのは珍しいと思いつつ、ディスクをセットした。そして流れる風景を観て、良人が文句を言いだした。

「実写? 『ルパン三世』じゃないのか!」

「『ルパン』って言ったじゃないの。三世と続けてない」

「ルパンって言ったらアニメの方だと思うじゃないか」

「残念でした。「ルパン一世」(アルセーヌ一世と言った方が正しいのか)です。元祖です」

「俺の苦手なフランス映画~」と良人が唸っていたが、もう映画は始まった。諦めてください。(正確には、フランスだけでなくイギリスなどほかの国も参加した合作映画)

 わたしはモーリス・ルブランの小説を今に至るまで読んだことがない。なぁんとなく、こんな話らしい、というのを知っているだけ。亡き祖父が、父に買い与えた児童文学全集とやらの『ルパン対ホームズ』をパラパラめくってみたくらいで、詳しく知らない。(どうもその話だとルパンが悲劇のヒーローで、ホームズがヒロイン役を撃ってしまう敵役らしかった)

 青年ルパン、従姉妹のクラリス、謎の女性カリオストロ伯爵夫人や両親の代からの因縁の相手など出てきて、かなり複雑。

 ドラマチックに演出しようとしているけれど、原作のダイジェストっぽいのかしらん、と思いつつ観ていた。同じ感想は良人も抱いたようだった。

「なんだこりゃ」とか、「クラリスとかカリオストロとか出てくるのか」

「だからぁ、こっちが元祖なんだってば」

『ルパン三世』でないので、相当期待外れだったようだ。『怪盗ルパン』とか、『怪盗紳士ルパン』といったら普通ルブランだべ、と連想するわたしの方が日本人として珍しいのか。

 そして映画を観たから原作を読む、といった流れにならず、現在まで至る。

 最近読んだ小谷野敦の『このミステリーがひどい!』でルブランがケッチョンケッチョンに論評されていて、読んでみるものなのかどうか、悩みどころでもある。ミステリアスな雰囲気だけの小説なんだろうか。(さいとうちほの少女漫画版ではなく、翻訳小説を読むかどうかの悩みです)

 ミステリ・ファンの方、教えてください。

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