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豆腐の角で怪我するぞ  作者: 惠美子
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タイムスリップ時代劇

 また昔の話になってしまいますが、小学生の頃に秋田書店の少女漫画雑誌『プリンセス』を購読しており、『王家の紋章』が好きでした。中学生までは読んでいたかしらねぇ。受験勉強しているうちに読まなくなって、高校に入ってからは何故か『週刊少年ジャンプ』を読んでいましたから、『王家の紋章』からは遠ざかっています。

 夢中になって読んでいた頃、亡き祖母にこの漫画が好きで、こんな話なのよ、とお喋りして聞かせていました。孫娘の漫画の話によく付き合ってくれたと感謝しています。『王家の紋章』という漫画は、ご存知の方が多いと思いますが、現代のアメリカ人の少女キャロルが古代エジプトにタイムスリップして、当時のエジプト王メンフィスと恋に落ちて……、というお話です。現在に至るまで続いているそうです。(娘が飽きた今は実家の母が時々読んでいるようです)

 タイムスリップものの話といえばこんな本を読んだことがあるよ、と祖母が話してくれました。祖母は題名や作者名を失念していたようですが、話は細かい所まで覚えていて、面白おかしく教えてくれました。

 現代の製薬会社の男性社員が江戸時代にタイムスリップして、その知識を活かして薬を作ったり、そのうち時代を行き来できるようになって、薬を持ち込んだり、テープレコーダーを持っていって病気の人の言葉を正確に相手に伝えてやったりしていたよ、と。

 祖母の語っていた本の正体が、石川英輔の『大江戸神仙伝』と判明したのは、その後、わたしが高校生の時に放送されたテレビドラマからでした。

 民放の、二時間のドラマスペシャルだったと記憶しています。主役が長身の滝田栄で、江戸時代の町医者が前田吟、その妻が藤田弓子、悪徳商人役が金田龍之介と小柄の俳優で固められていました。当時、江戸患いと呼ばれた脚気を米糠を使って治療薬を作っていました。

 単発のもののドラマ扱いでしたので、自信喪失していた主人公が江戸時代で活躍して自分を取り戻し、一種の逃避であった江戸時代での生活をやめ、現代で生きていくと締めくくられました。

 小説の方は結局読んでいないので、原作のエピソードがどれくらい盛り込まれているかなどは、わたしは解りません。

 ただ現代人が滝田栄で、江戸時代の人たちを小柄の俳優にしたところは面白いでしたし、町人の妻に「奥さん」と呼びかけて、「内儀」と呼ぶものですとたしなめられたり、風呂屋に行って混浴にびっくりしたりと、時代のギャップにあたふたするあたりがタイムスリップものの楽しいところです。

 1980年代のアメリカ映画で『フィラデルフィアエクスペリメント』があり、これは第二次大戦中のアメリカ海軍の兵士が逆に現代(といっても制作時の1980年代のアメリカ)にタイムスリップしてしまう話でした。不審者として追いかけられて、車を奪って逃げようとしたら、「クラッチがない!」と叫び、「これオートマチックよ」と声をあげる車の持ち主の女性を脅して運転させます。海軍兵士とその女性はなんだかんだと「ボーイミーツガール」な展開になっていくのですが、宿で二人がテレビを観ていると、ニュースにレーガン大統領が映ります。

「こいつ俺知っているよ。これは映画かい?」

 海軍兵士の言葉に女性はくすくす笑って答えません。

『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の第一作目で、過去に行ったマーティがドクと似たような会話をしているので、アメリカ映画のお約束というものでしょう。

 半村良の『碑夜十郎』は観たはずなんですが、よく覚えていません。二男が生まれたばかり頃で、ゆっくりテレビを観ている暇がなかったのが理由です。

『仁―JIN―』は漫画から読みました。その後のテレビドラマで良人も共に視聴しました。タイムパラドックスっていうか、漫画にもドラマに引っかかる部分があるのですが、お互いが補ったような感じで終了したなぁと思いました。

 江戸時代の女性の容姿の評価が、江戸のいろは歌留多にあるように「鬼も十八」で、二十歳を過ぎたら年増、二十五を過ぎたら大年増と言われるのです。吉原の遊女の女優の年齢があまり若いと批判されるのでしょうが、中谷美紀が張り見世の一番花魁は年齢的に無理なんじゃない? と正直思いました。ドラマでは主人公の恋人である女医とそっくりの設定なので、若すぎても難があるからやはりこれで丁度よかったのかなぁ? と言う感想です。

 漫画ではドラマよりも、もっと様々な病気を治療していましたが、流石に梅毒のほかの難治の皮膚病や、疥癬、回虫、サナダムシ、までは手を出していなかったですね。回虫はみんなお腹に飼っていた時代らしいですが、南方先生は大丈夫だったのかしら。

 その後、『信長のシェフ』は観ていましたが、何故か『信長協奏曲』はわたしも単身赴任中の良人も観ませんでした。観る気が起きなかったというか、ホントになんでなんだろうと自分でも思います。多分、本物の信長と高校生が入れ替わる、歴史上の人物が未来人だったのオチはSFに近くなりすぎるからと敬遠してしまったのでしょう。

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