へんたい
我が息子がチビの頃、大変流行りだというテレビアニメをせがまれて、レンタルビデオ店で借りてきて、家族で鑑賞しておりました。
妖精とも怪物とも言えない、可愛げなキャラクターものです。芋虫型のモンスターが蛹になり、やがてやたらと頭のデカい蝶々になりました。
アニメでは「これを進化という」と説明ナレーションが入りました。
「嘘つけー! 進化じゃないだろう」
「変態だろう! テレビが子供に嘘を教えていいのかあ」
とわたしと良人は口々に叫んでしまいました。
このアニメの流行で、生物の成長や変化を「進化」、何かを手に入れることを「ゲットだぜ」と、子ども達が言うようになりました。
一過性のもので、日本語として定着はしていないと思いますが、変態は変態です、進化じゃありません。
そのテレビアニメが大好きだった長男は歴史の勉強をしていて、わたしがかつて学生時代に使用していた「くずし字辞典」を持っていって返してくれません。別に古文書解読を専門にして変体仮名の読み方を研究している訳でもないのに。
二男は虫好きなので、たまに虫の話をします。
「ノミとかシラミって不完全変態じゃなくて、無変態なの?」
「そーだよ」
「トンボって成虫になると羽が出るのに、やっぱり完全変態じゃないの?」
「蛹にならないもん」
とか。
「野生のゴキブリは落ち葉を食べているから清潔なんだ(だから飼育してみたい)」
「デパ地下とか下水にいるのは野生じゃないのかよ(どうして不快害虫って言われているか知ってんだろ)」
とか。
高校の時、英語の先生が授業中に、「Hって昔は変態の略でHって言ってたんですよ」と突然言い出して、驚いたことがありました。日頃から謹厳な先生だったのに、何か思い出したことでもあったのでしょうか。
そういう話で頭が埋まっちゃうとロクなことになりません。
昔の話で、戦闘機の編隊飛行は綺麗だったと聞いて噴きそうになり、「へんたいの意味が違う!」と叱られました。
なんだかまとまらないですが、今日のところはここで終わります。