自分の証明
自分が自分であると第三者に証明するのは難しいです。生まれた土地でずっと住んでいて、隣近所の方々も移動がなく、親戚も割と近くに住んでいるよ、といったケースは現代では限られているかと思います。だいたいは進学・就職・婚姻などを機に引っ越されたりしていると思います。ですから、どこへ行っても顔パスの方は少ないでしょう。
そして、あらゆる場所で、身分の確認が付いてくると思います。お医者に行くための被保険者証、学校に入れは学生証、職に就けば職員票や社員証が発行されますし、何かの免許を取れば免許証。それがない人は、戸籍か住民票を取ってきて、言われます。個人情報管理の厳しい所では複数の身分証明書、それも顔写真付きでないと駄目と言われるケースもあるようです。
官公庁や金融機関に手続きや問い合わせで行くときは身分確認できるものやハンコを持っていくのは常識だと教えられてきましたし、実際働いてきて、そういった事例の大事さは経験してきていますが、そうじゃない方もいるようです。
本人だって言っているだろうとか、家族なんだから代理で預金を引き出しにきたんだぞとか、言い張られても、個人の情報や資産はホイホイとお出しできないようになってきています。たとえ家族でも頼まれてきたのよと言われても、それを証明する委任状がないと、世知辛い昨今、勝手に預金を使いこまれた、年金口座を変更されたとなりかねないのです。どうか、そういった職業の方々を気が利かない、人情が解ってないと批判しないでください。窓口の職員さんはあなたがどこの誰だか知らないで対応しているので、本人確認、委任状の確認は仕事をする上での基本になっているのです。
あなたも訪問してくる販売員、もしくはお役所の方には身分証を求めたり、本物かどうか後でこっそり職場に電話したりしてみるでしょう。(冗談抜きでそれは試してみてもいいんですよ)
わたしは自分の戸籍名、同姓同名が非常に多いのを知っています。多分、生年月日を言ってみても、それも同じ人が何人か残るでしょう。自分の名前だけでは自分の証明にならないのです。珍しい名前だったらいいとか、結婚で姓を変えなければどうだったかという話ではなく、第三者に自分を知ってもらうのは難しいということです。そして信用されるのは自分自身なのか、付いて回る肩書や家族関係なのか。
一体何をもって目の前に現れた人間を、あなたは確認し、信用しますか。