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豆腐の角で怪我するぞ  作者: 惠美子
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帰郷

 里帰りといっても自宅と実家の距離はそれほど離れていませんし、長男が大学の通学のために実家へ四年間預けておりましたので、実に気軽なものです。今春、大学卒業と就職の長男、五月の連休で一息つくところ、報告とお礼がてら、実家に家族で遊びに行きました。

 実家の近くに国道があり、そこの道路拡張工事はわたしが子ども時分からあったのですが、やっと実行の工事が進みつつあります。その国道の拡張する部分は山形の城の三の丸に当たるので、遺跡発掘調査を先んじて行っていました。色々な土器やら古銭やら出てきていたらしいですが、奈良時代の竪穴式住居跡まで出てきて、妙に感動してしまいました。昔は馬見ヶ崎川の流れが違っていましたので、そういった場所の近くに人が住んでいたんだなぁとシミジミ思いました。しかし、今は埋め戻されて、道路になりつつあります。

 埋め戻された場所や歩道用の路肩など作られているのを眺めつつ、お散歩しながら、実家の面々と外に食事に出掛けました。

 大手チェーンの居酒屋さんで、好みがそれぞれなので、てんでに食べ物・飲み物を頼んで、投薬中で飲酒を控えるように指導されているわたしと下戸の母は飲まないので、ぱくついておりました。

 長男の仕事はどうか、もう慣れたかなど話しつつ、そのうち、良人と父が日本酒を飲みたいと言い出し、飲み放題コースを頼んでいましたから、そのメニューの中の日本酒は「白鶴」だけでした。ボタンを押して、店員さんを呼んで「白鶴」を冷やでと注文しました。

「お待たせしました、『しろつる』です」

 と店のお姉さんがお酒を置いていきました。

「これは『はくつる』と読むんじゃなかったっけ?」

「飲まない人は知らないんだろう」

 まあ、なんて読んだらいいのか迷う人名・地名・品名は多々ありますから、いいかと思いつつ、『米鶴』を「こめつる」と読む人もいるのかなぁと空想してしまいました。

 〆に冷やし肉蕎麦を食べる男性陣と、もうお腹いっぱいという母とは別にわたしはティラミスパフェなどを食し、食事は終わりました。

 帰りもぶらぶらと歩いておりました。もう店は閉まっていましたが、山形駅前の本屋さんのウィンドウに、本が三冊飾られていました。一冊は吉川弘文館の『最上義光』、もう一冊は柏書房の『家康に天下を獲らせた男 最上義光』、最後の一冊は徳間書店、『北天に楽土あり 最上義光伝』でした。

 おお、吉川弘文館と柏書房の本は知っていましたし、二冊とも父が購入していたので、次に借りると予約中でしたが、徳間書店の本は知りませんでした。小説かな? 早速チェックしようと、浮き浮きと家路に着きました。

 郷里の歴史上の人物は、やはり郷里の本屋や図書館の方が探すのが早いということでしょう。色々と楽しい帰郷でした。

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