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未来への遺産
子どもの頃に『未来への遺産』の遺産という番組を観た記憶があります。NHKが世界各地の古代遺跡を巡り、静かなナレーションや「幻影」と名付けられた神秘的な女性の姿がふっと現れては消えるのが印象的な作品でした。父の蔵書にその作品のビジュアルブック(というべき本)があり、読んでいました。勿論四十年近くまえの作品なので、成人後レンタルビデオで改めて観ました。
磁器と陶器の違いをこの作品で知りました。
イースター島のモアイについては考古学の研究が進んでいない頃なので、謎は謎のまま放送していました。
バーミヤンの石仏、パルミラの遺跡、アッシリアの遺跡。
物騒で現地に行けなけないし、実際行ったとしてももう見ることのできない遺跡群。
往年の壮麗さを想像させる雄大さ。
人気の無い建物が栄枯盛衰を感じさせるもの寂しさ。
まさに人類の遺跡、未来への遺産になってしまった映像作品。
幻影さえもが懐かしくもおそろしい。