傷つける覚悟
人を傷つけるのはいけないことです。 確か小学生?くらいの時に先生に言われた気がする。 それから約10年程経つ今現在。 先生、それは無理なんだと判明しました。
人を傷つけたことがない人、そんなのきっと存在しない。 極端に言えば、それは人じゃない。 二本足で立って言葉を話せる『何か』だと思う。 私は人を傷つけてないです! なんて、言う人は必ずいると思うけど。 それってつまり、自分の中だけでの判断でしょ? 自分と関わった人に直接聞いた訳ではないでしょ? そんなのただの自分勝手。
人を傷つけることって何があるかな。 暴言や暴力、それらのものは大抵人を傷つけてしまう。 でも僕が思う一番簡単で、一番効果のあるものはもっと別のものだ。
それは『否定』である。 誰かの行動を、誰かの考えを違うと思う。 そしてそれを口にする。 自分がされたら、嫌でしょ? なんだよお前、ってなるでしょ。 自分を他人に否定されるって、とても嫌なことだと僕は思う。 それがたとえ優しさだとしても、やっぱり傷つくことはあると思う。
他人を否定したことがない、と言う方がいるかもしれない。 それは他人の良さを見つけることができる、凄いことだと思う。 じゃああなたは、自分を否定したこともないですか?
こんな自分嫌だとか。 あの人みたいになりたいとか。 自分で自分を否定して、自分で自分を傷つける。 そんなこと、ありませんか?
そもそも。 月並みと言えばいいでしょうか、誰も人を傷つけることがなければ戦争は起こらなかったんですよ。 極論、傷つける言葉や行動が生まれることもなかったのですよ。傷なんて存在も、生まれなかったんですよ。 誰かを傷つけること、それは悲しいけど誰もが経験することなのかなと思います。 だからといって、平気で人を傷つける方を許すわけではないですが。
僕が大事だと思うのは。 傷つけるなら、それなりの覚悟を持つことだと思う。 人に嫌われる覚悟、否定される覚悟、周りから距離を置かれる覚悟。 それらを承知の上で人を傷つけてほしい。
傷つける人がいれば、傷つけられる人もいる。 でも傷を負わなければ分からないこともある。 単純に、傷つかなければ傷ついた人の気持ちなんて、分からない。
僕はそんな風に、考えてしまう。