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龍の飛び方  作者: raizu
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自己認識

 「だだの不注意だ」そういわれるような理由で俺は死んだ。


たいして車通らない交差点に差し掛かった時だった。

その日は、天気もよく、洗濯をするなら色落ちを気にしなければならないような真夏だった。だからだろうか俺は、がらにもなく空を見上げながら歩いて交差点をわたろうとしたのは。

気ずいたら俺の脚は地面を離れていた。そしてそれはとても長く感じた、体にわたる衝撃、視界が定まらず自分が地面へと落ちていったと分かるまでの時間は。

まるで他人事のように、ああ車にはねられたのかと思いその時見た空を飛ぶ鳥をみて、次生まれ変わるなら空を飛びたい俺はそう思いながら死んでいった。



ー風が頬をなでる

生きている?たしかに俺は死んだはずなのに。

目を開けてみるとそこは森の中だった。川のせせらぎが聞こえそして壮大な森にかこまれている。

 でもそれは有り得なかった。交通事故にあったのだから生きているとすれば病院の中で目覚めるだろう、まちがってもこのような森の中で目覚めはしない。そうこれはいかに頭の弱い子であろうが天才だろうが普通に行き着く答えだ。

 ならこれは死ぬ前に見ている夢なのだろう、なんとか生きたいと思い心臓が止まっても脳だけで見せている夢なのだろう。だとしたらなんとも微妙な夢だ、死ぬ前なのだから欲望すべてを満たすようなものを見ればいいのに、自分の事ながらなんとも言えない。しかし俺はポジティブであろうといつも決めていたのだ。うん、自分でもなかなかいい感じのポリシーだ。

 そういうわけでとにかく動いて散策だ!

 うにゅ

ん、何か変な感じが・・・まあいいかとりあえず立ち上がろう。

 うにょ、うにゅよ

…思い切り自分の体から感じてる。え〜と、とりあえず自分の体を見てみようか。

…うん、へびだね。このうにょうにょしてる体はまごうことなきへびの体。ははは、さあ寝ようきっと起きたら両親が涙で迎えてくれるよ。いいねえきっと感動するよ。そして、これはただの笑い話にして入院中に見舞いに来てくれた友人たちに言おう。ああ、自分でもなかなかにナイスな考えだ。さあ寝よう……

って寝れないというか眠くない。いや、そんな軟弱な考えは許されない。つーか許したくない。さあ寝ろ俺よ寝ろ!


ー1時間23分経過


ああ認めようこれは夢でなく現実であることをそして今の俺はへびであると。

そう、たとえへびだろうがなんだろうが

さあそうと決まればさっさと移動だ!

 ふわっ

……ん?なんか浮いてるような…ああしかし今の俺にはへびが飛んでも驚かない、自分がへびって時点でメーター振り切っちゃてるしな。うん、とりあえずこの現象は無視しよう。というわけでのどが渇いたし川レッツゴー。

 ふよん、ふよん、ふよん

なかなかに空を飛ぶっていい感じだ。飛べないへびは、ただのへびって言葉がよく似合いそうな気がする、何か違うかもしれないけど。

ちょっとした喜びを感じながら飛行を楽しんでいると川へは結構簡単に着いた。

そして川から水を飲もうと水面を見た瞬間俺は凍りついた。

 そこには龍がいた。

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