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超創機大戦  作者: 馗昭丹
陰世界騒動
69/77

灰色の黄昏の中で〜神装妖械

-ビシュゥゥゥゥン-


「HAHA!!なかなか派手にやるじゃねえか!」


-ヴゥゥゥン-

-ゴォォォォォッ-


『!?!?!?』

『!?!?』


ゾディアギーニの聖粒子砲の光は、付近で戦っていたゼゲールハバスとその周辺に群がっていた妖械達も巻き込むが、ゼゲールハバスはバリアの一種であるハバス・バリアを展開して聖粒子砲を防御し、妖械と芒霊達は聖粒子砲の光に呑み込まれて消滅していく。


-シュゥゥゥゥン-

-カシィン-

-ギュゥゥン-


-ヴゥン-


聖粒子砲を放ち終えたゾディアギーニは、両腕に構えた聖粒子砲を元の位置に戻し、腰部からレーザー・ブレードの様な物を取り出す。


「…聖粒子散布完了、粒子濃度良し、聖光円陣起動」


ゾディアギーニの操者が呟くと、ゾディアギーニは展開したレーザー・ブレードの様な物を地面に突き刺し、直後にゾディアギーニを中心に描かれた光の円陣が浮かび上がって眩く輝き出す。


『!?!?』


光の円陣が輝き出すと同時に、残りの狼型妖械達が凄い勢いで光の円陣に引き寄せられていく。


「…行き場を無くした屍共よ、貴様らも光の中で眠れ…!」


ゾディアギーニの操者は、モニターに映る芒霊達にターゲットをロックしつつ言うと、自己修復中の芒霊達も光の円陣に吸い込まれていき、聖光の粒子に分解されて消滅していく。


「HE!面白え!ORAAAAAAA!!!」


-ドゴォォォン-

-チュドォォォォォン-


聖皇明神破槌丸(セイオウミョウジン・ハツイマル)は、ゼゲールハバスの鞭を大地に振り下ろして爆発を起こし、群がっていた狼型妖械達を吹き飛ばしながら飛翔する。



『オォ…ォン』


「ちっ、なに?」

「芒霊達が…吸い込まれていく…?」


羽鳥との連携で狼型妖械達と芒霊を一網打尽にしようと狙っていた理愛は、芒霊と妖械達が射線から外れたのを見て舌打ちするが、すぐに異変に気付き、芒霊達が吸い込まれていく先を見る。


『………』


「あっ、お兄!後ろ!」

「くそっ、分断されたか!」


激戦の最中、黒田兄妹のHU-Xが狼型妖械に釣り出されて背後に回り込まれ、苅藻と分断される。


-ザシュゥ-

-ボォン-


「よそ見してる場合か命!」

「よそ見はお兄の方でしょ!この!」


二人は一斉に迫ってくる狼型妖械の連携攻撃を受け流し、簡易魔導ナイフとショートレンジ・ガンを交互に使った連携で撃破していく。


-ドゴォン-

-バシュゥ-

-ズゥン-


「野郎、次から次へと湧いてくる…!」

「お兄!早く突破しないと苅藻が…!」


機体性能と技量では優っているが、数の差は如何ともし難く、迂闊に動くことができない。

二人が何度も突破口を作ろうとする内に、単機で敵を捌く苅藻機が狼型妖械の群れに覆われて見えなくなり、二人は少々焦りを感じていた。


『………』


「…私とした事が、離脱の機を逃しましたか」


連戦で流石に疲労が溜まってきたのか、苅藻の反応が鈍り、彼女のHU-Xが狼型妖械の群れの中で孤立する。


『………』


「…こんなところでやられる訳にはいきませんが、流石に身体が動かなくなってきましたね…」


苅藻のHU-Xを幾重にも取り囲む狼型妖械の群れに対し、苅藻は肩で息をしながら言う。


『………』


狼型妖械達は苅藻のHU-Xの周りを渦を巻く様にして移動し、少し後には一斉に距離を詰めて上下同時に襲いかかる。


しかし…


-キィィィン-

-ドシュシュシュシュゥッ-


『!?!?!?!?』


-ズドドォォン-

-バコォッ-


『!?!?!?!?』


苅藻のHU-Xに襲いかかった狼型妖械達が地面から生えた光の槍で串刺しになり、周囲を回っていた狼型妖械達も天からの銃弾に貫かれて粉砕される。


「大丈夫か苅藻」

「…ふう、間一髪だったね、苅藻さん」


-カシン-


「…お嬢、雫様、援護に感謝致します」


-ザシュゥ-


暦と雫の援護で命拾いした苅藻は、二人に対して礼を言いつつ、HU-Xを操縦して狼型妖械の攻撃を回避し、簡易魔導ナイフを首に突き刺して仕留める。


「すまん、熱くなり過ぎた」

「もう!お兄のせいで苅藻が危なくなったじゃないのよ!」


苅藻の危機を察した黒田兄妹が暦の援護を受けて狼型妖械の包囲を突破し、苅藻に合流する。


「…お二人とも、合流して早々ですが、暫く私の援護を頼めますか?」


「ああ、任せとけ」

「苅藻、疲れてるわね…、暫く援護するから下がってて」


「…よろしくお願い致します」


疲労の溜まった苅藻は、黒田兄妹に対して言い、一時的に二人の後方へ回る。


『………』


-ダダッ-


「…やはり、直接狙ってきますね、ですが…!」


-ガブゥッ-

-ガブゥッ


『!!?』

『!!!』


「命!」

「このやろ!」

「ええい!」


-ガァン-

-ドドドドドドド-


動きの鈍い苅藻のHU-Xに噛み付こうとしていた狼型妖械は、苅藻のフェイントに引っかかって狙いを外し、味方の狼型妖械に噛み付いて同士討ちを始め、その後には苅藻と黒田兄妹のHU-Xのアサルトライフルの集中砲火を受けて蜂の巣にされる。


-ドゴォォォン-


「うひぃっ!?」

「ぶぅっ!?」

「ごぉっ!?」

『ぐっ、右腹部に被弾…!何処からでしょうか…!』


苅藻達の上辺りで戦っていたアルレジックスに何かが激突し、専務達はシートから放り出されそうになる。

アルレジックスは右腹部をおさえながらバランスを整え、索敵を継続するが、敵が見つからなかった。


-ドゴォォォン-


『同じ手は喰らいませんよ』


再び何処かから攻撃が加えられるが、アルレジックスはシールドを構えて防御すると共に敵の位置を探り当てる。


『理愛様、専務、私の機動性を上げる為に全ミサイルの発射許可を願います』


「…良いわよ、景気良くぶっ放してこいつらを消してしまいなさい」


『了解、全ミサイルのロックを解除します』


「狙いは向こうの一つ目と下で頑張ってるHU-Xの援護ネー!アルレジックス!全ミサイル照準!」


『済ませています、アルオン・ライフルも』


「ケチってやられる訳にはいかないアルヨ!二人も準備良いアルか!?」


「いやいや流石の御英断!天下の理愛様と専務で御座いますなぁ!」

「そーそー」


「出血大サービスネー!全ミサイル!撃ち尽くすヨロシー!!!」

『全ミサイル発射!』


-カシィン-

-ドドドドドドドドドォォッ-

-ガッキョォォン-

-ドゴォォォン-

-チュドォォォォォン-


専務の声と共にアルレジックスの全身に搭載されている各種ミサイルが発射され、槍を展開して迫ってきていた一つ目人型妖械の全身にめり込んで爆砕し、残りは地面に群がっている狼型妖械達に向かって伸びていく。


『第二射発射!』


最初のミサイルを撃った直後にアルレジックスの両肩と腰に搭載されていたミサイル・コンテナがパージされ、次は両翼が開いて内部のマイクロ・ミサイルが放たれ、アルレジックスは両手に持ったアルオン・ライフルを乱射する。


-ドドドドドドドドドォォン-

-ボォン-


大量のミサイルが一つ目人型妖械と狼型妖械達に襲いかかり、彼方此方で爆発が起きる。


「流石は有尾社の新鋭魔戦殻、こんなにミサイルを搭載していたのかよ…!」

「…良い援護です、後で整備して差し上げましょう」


予想外のミサイルの数に命は意表を突かれた様に言い、援護された苅藻はアルレジックスに礼文を送りながら呟く。


アルレジックスの全ミサイル発射で一つ目人型妖械は全滅し、狼型妖械もかなり数を減らしていたが、狼型妖械だけは次から次へと群がり、再び元に近い数の群れが出来上がっていた。


『………』


守りを固められて隙が少ないと判断したのか、複数の狼型妖械が苅藻と命を避けて暦を狙い始める。


「お嬢、そっちに狼型が行きました!」

「任せろ、撃つ!」


-ズドドォォン-


-バキィィン-

-ボゴッ-


コヨミ・ユミルのコンデム・リヴォルヴァーの二連射が狼型妖械の頭部に直撃し、頭部を失った狼型妖械がバランスを崩し、聖光円陣へと吸い込まれていく。


-ガッキョォォォン-

-カチン-


「暦さん、右からも、左からも来ます!」

「裂く!」


-グッ-

-スパァァァッ-


魅鳥の声に反応した暦は、コヨミ・ユミルのコンデム・リボルヴァーをミスリル・ブレイドに持ち替え、噛み付いてきた狼型妖械の口端にミスリル・ブレイドの刃を当て、勢いに任せて突っ込んできた狼型妖械を横一文字に裂くようにして両断する。


両断された狼型妖械の体液がコヨミ・ユミルの魔導フィールドに弾かれ、狼型妖械の鼻から上の半身がそのまま空中を舞って聖光円陣に吸い込まれていき、狼型妖械の顎から下の半身が着地に失敗して転倒し、腹部にあった臓物の様なパーツや体液をぶちまけながら聖光円陣に吸い込まれていく。

狼型妖械が聖光円陣に吸い込まれていった直後、暦のユミルに向かっていた他の狼型妖械達は跳躍中を黒田兄妹に狙われ、集中砲火を受けて撃墜されていた。


-ドスゥゥッ-


「…雫、あれは…」

「…聖光円陣の力が弱まってる…」

「…操者が限界なのか…」

「…そうみたいね」


暦は雫に問い、雫は狼型妖械を突き刺しながら答え、暦と雫は狼型妖械や芒霊達が吸い込まれていく先の光が明滅しているのを見ながら話す。


『専務、暫し操縦権を譲渡致します』

「ああアルレジックス、いきなり操縦を放り投げるとは一体なにが起きてるネー!?」


-ザンッ-

-バスッ-


「流石は我らが専務、こんな時でも落ち着いていらっしゃる」

「そーそー」


専務は迫り来る狼型妖械達をアルオン・サーベルで両断しながらアルレジックスに尋ね、腰巾着と太鼓持ちは専務の器用さに感心した様に言う。


『ありのままを話しますと、妖械が打つ手を変えてきました』


「それくらいはわかるネー!」

「それは見ればわかるわよ!」


ありのままを伝えるアルレジックスに対し、専務と理愛はほぼ同時に言う。


『失礼、先程の攻撃がきっかけになったのか、妖械達が放つ瘴気の濃度が急激に上昇しており、皆さまに害なす瘴気の防衛を優先しているので、操縦や解析に回す余裕が…』


「ちっ、質より量も馬鹿になんないわね…!アンタ達、こいつらを吹っ飛ばすわよ」

「仕方ないネー、アルレジックス、暫く我慢するヨロシ」


-ドォォォォォン-


防衛に手こずり、少々焦り気味なアルレジックスに理愛は、吸い込まれじと大地にしがみつく狼型妖械達を見て言う。

次の瞬間には理愛と羽鳥のWRFと専務が操縦するアルレジックスが攻撃を加え、アルレジックス(AI)の解析を手こずらせているであろう狼型妖械達のしがみついている地面を丸ごと吹き飛ばす。


『防衛は優勢、あの光の解析結果…こちらには無い聖粒子反応を確認、あの光の中にオリジナルの魔戦殻、それも非常に強力な魔戦殻が居ると断定します』


「…ふーん、何処の魔戦殻かしら、わかる?」


『申し訳ありません、魔戦殻が何らかのシールドとプロテクトを展開している様でして、最大望遠でもこのように映らない不可視の状態になっています、私の力ではこれ以上の解析は無理と判断します』


「むむむ、集中したアルレジックスですら解析が出来ないとは…、恐るべし」

「………」


最大望遠で魔戦殻の居る所を映しながら、アルレジックスは遺憾そうに言う。

アルレジックスの言に腰巾着が冷や汗を流して言い、太鼓持ちは渋い顔つきになる。


「オリジナルで強力…か、それなら陽世界の魔戦殻ですわね」


-ギュゥゥン-

-バキィィン-


アルレジックスの言を聞いた羽鳥は、思い当たったかのような口調で言い、アルレジックスの右肩に噛み付こうとしていた狼型妖械をハイフリーズ・ガンで撃ち砕く。


「…あっちの世界の魔戦殻か、有尾には悪いけど、まだまだ本家には及ばない様ね」

『…精進致します、理愛様…』


-ドゴォォォン-

-ガァァン-

-ボォォン-


理愛はアルレジックスの頭部に食いつこうとしていた狼型妖械の頭部を八式速射砲で吹き飛ばし、専務から操縦権を奪ったアルレジックスが理愛の西五条八式に食らいつこうとしていた狼型妖械を短距離電磁ナックルで殴り飛ばす。


「んん!?いきなりミーから操縦権を奪うのはやめるヨロシ!」

『申し訳ありません、専務の反応より私の反応の方が早かったのでつい…』


いきなり操縦権を奪われた専務が声を荒げて言うが、アルレジックスは頭をかく様な仕草を見せながら答える。


________________________


「…く…ぅぅ…、こんなに…消耗…していたのか……、…くそ…これじゃ中途半端に……」


ゾディアギーニの操者は、予想よりも遥かに消耗していた事に気付き、同時に聖光円陣の使用に必要な生命力に己の生命力が保たない事を認識しつつ、意識が遠のいていく。


意識が遠くなっていくのと比例して、ゾディアギーニの聖光円陣の効果が弱まっていき、拘束されていた狼型妖械達や芒霊達が再び勢いを盛り返す。


『ブモォォォォッ!!』


-ドドドドドドド-

-ガァン-


「うおぉ!?んだこの豚牛野郎はぁ!?いきなり湧いて来やがった!」


周辺で戦っていた勢気は、何もないところからいきなり突っ込んできた豚牛の様な敵の突進を回避しながら言い、火球で迎撃する。


『ブモォォォォッ!!!』


-ビシビシビシビシィィッ-

-ドゴォォォォォォン-


「おお!?この野郎、俺様の前で勝ち誇った様な雄叫びをあげるたぁ生意気な野郎だぜ!」


豚牛の様な敵は、陽炎零式の火球を全て跳ね返し、勢気の目の前で雄叫びをあげ、雄叫びによる衝撃波が周辺の地形を吹き飛ばし、勢気を狙って群がっていた狼型妖械達が消滅する。

雄叫びを受けた勢気は対抗心を刺激されたのか、大きく息を吸い込んで構えを正す。


「よぉぉし!よぉぉく聞きやがれ!」


-ビリビリビリビリィッ-


『ブモォォォォッ!!?』


勢気は豚牛の様な敵に向かって一喝し、豚牛の様な敵は僅かに怯んだ様子を見せる。


「俺様は勢いと気合いの大馬鹿野郎!!!栗・坂・勢・気だぁぁぁぁぁぁっ!!!!!覚えとけぇぇぇっ!!!!!」


-バリバリバリバリバリィィッ-

-ドゴォォォォォォン-


『ブモォォォォッ!?!?!?』


-バキバキバキバキバキィッ-

-ボボボボォォォン-

-チュドォォォォォォォン-

-ドゴォォォォォォン-


勢気の咆哮をまともに受けた豚牛の様な敵の上半身を覆っていた装甲が粉砕されていき、体液が沸騰して膨張、その後に身体の彼方此方が破裂し、そして爆砕する。


「うおぉぉぉぉっ!!!今日も俺様絶好調ぉぉぉっ!!!!!」


豚牛の様な敵が消滅した事に気づかず、勢気は感涙を流しながら更に叫ぶ。


「HE、魂が震える凄ぇ気合いだNA!力が漲ってくるZEE!!」


「…?…回復した…?…何故…?…いや、今は敵を消し去る事を優先するか」


勢気の雄叫びを聞いた破槌丸は、更に戦意が高揚した様に言い、意識を失いかけていたゾディアギーニの操者は、生命力が回復した事で再び聖光円陣を発動させる。


「そこで暴れてる馬鹿、止まれ!」

「暴走した俺様は止まらないぜぇぇぇ!!!!!猪突猛ぉぉぉっ進んんんっ!!!!!」


近くでは、夥しい数の狼型妖械達を相手に大暴れしている勢気を見かねた紅陽が勢気を制止するが、勢気は却って昂った様子で益々大暴れする。


「ぬぁっ!?熱苦しっ!こいつ馬鹿なの?馬鹿なのね!」

「…紅陽、落ち着きなさい」

「熊に手こずったおかげで時間が無いかも、そっちに構うより芒霊の殲滅が先だよ、飯富っち」

「………、そうね」


-カッキィィィィィン-

-ゴォォォォォッ-


『ゥモォォオオォォォ…』

「うわ!?」


紅陽が冷静になりかけた瞬間、勢気の陽炎零式の超本塁打罰刀(ハイパー・ホームラン・バット)の直撃を受けた豚牛の様な敵が紅陽の紅乙女を掠めて吹っ飛んでいき、紅陽は驚く。


「うっしゃぁぁぁぁ!!!大きい!大きい!!ホォォォォォムラァァァン!!!!!」


「HAHAA!CHESTOOOOOO!!!!!」


-ズガガァァァァァァァン-

-チュドゴォォォォォォォン-


「ううっ、あっちもこっちもうるさい…」

「…うわー、一撃で芒霊も狼も何もかもが吹っ飛んでいくね、…なんかもうこの人たちだけで十分な気がしてきた」


勢気の雄叫びと破槌丸の雄叫びに紅陽は思わず耳を押さえながら呟き、陽炎零式とゼゲールハバスの暴れぶりを見た瑠璃亜は、少々やる気を削がれた様な感じでいう。


「勝負は一発!!バァァァァニングゥゥ!ロケット!キィィィック!!!」


-ゴォォォォォッ-

-ズドゴォォォォォン-


「うおぉぉぉぉっ!!!決まったぁぁぁ!!!俺様絶好調!!」


編み出した必殺技が狼型妖械達を貫き、勢気は感涙を流しながら叫ぶ。


「あの野郎、中々良い技持ってんじゃねぇか、気に入ったZE!」


「んじゃぁ!おしも技を見せてやるZEEEEE!!!!!URAAAAAAAAA!!!!!!」


-ズゥゥゥゥゥゥン-


破槌丸は気炎を纏いながら大喝一声し、ゼゲールハバスの巨大な鞭を大地に突き刺す。


「HAAAAAAAA!!!!!」


-ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ-

-ズゥゥゥゥゥゥン-


ゼゲールハバスが地面に突き出した鞭を大地ごと抜き出して持ち上げると、鞭は巨大な槌の様な形になっており、巨大な槌を振り上げたゼゲールハバスの全身が尋常ではない気炎の様なものを発する。


「CHESTOOOOOOOOO!!!!!!」


-ズガァァァァァァァァァァァン-

-ボォォォォォォォォォォォォン-


ゼゲールハバスの振り下ろした槌が大地に叩きつけられ、大地が非常に大きく陥没すると同時に爆発が起き、周辺に群がっていた狼型妖械達が衝撃波を受けてほとんどが消滅する。

しかし、衝撃波の影響を受けたのは妖械達だけであり、智や暦達は影響を受けなかった。


-ズゥゥゥゥゥゥン-


「GAHAHA!!これがおしの技・破壊の聖槌だZEE!!!」

「うおぉぉぉぉっ!!!ハンマーでドカンとやっちまった!!ガチのスーパーロボットじゃねぇか!!!スゲーー!!!」


破槌丸はゼゲールハバスの鞭を元に戻しながら言い、勢気はゼゲールハバスを見て感嘆の叫びを上げていた。


「…何故だ、うるさいのに力が漲ってくる…!」


破槌丸と勢気が互いの技を披露した頃、復活したゾディアギーニの操者は、力が漲ってくる感覚を不思議に思いながら聖光円陣を起動し終え、しぶとく残っていた狼型妖械達が姿を消す。


…少しすると、芒霊達と妖械達が残らず消滅したことを証明するかの様に、因果の黄昏の空間が元の通常空間へと戻っていく。


…しかし…


-ヴゥゥゥン-


『………』

「…何だ、此奴は…!?」


通常空間に戻る過程で僅かに綻びた空間から、4本の紅い羊角を生やした頭部が現れ、続いて白銀色の体毛を生やした胴体、続いて9本の毛尾、最後に一本の長大な裸尾を生やした何かが現れ、ゾディアギーニと向かい合う。


「…胸部心の臓の間に生体反応あり、但し意識はなし、尾部から聖粒子の散布確認、頭部より神装障壁確認、これは…神装…妖械…!」

『………』


ゾディアギーニの操縦者は、目の前に現れた神装妖械の姿を見て驚きを隠せない様子で呟き、距離を取ろうとするが、既に遅かった。


『………』

「…ぐ…っ……」


神装妖械と呼ばれた存在の角があらぬ方向から伸びてきて、ゾディアギーニの左肩部を貫き、ゾディアギーニの操者は聖粒子砲の砲口を神装妖械に向ける。


「落ちろ!」


-ビシュゥゥゥゥン-


ゾディアギーニの操者は聖粒子砲のトリガーを弾き、聖粒子砲の光が神装妖械に向かって伸びるが、光は神装妖械の角に吸収される。


「ゾディアギーニの聖粒子砲が吸収された…?…なら…!」


聖粒子砲の光が吸収されたことにゾディアギーニの操者は驚くが、次なる手を打つ。


「心…技…体…バランス良好、対障壁ニードル使用可能、せめて!」


-チュン-


ゾディアギーニの胸部から放たれた針が神装妖械の神装障壁を容易く貫通して神装妖械の頭部に刺さり、神装妖械が動きを止める。


「…最大出力、落ちろ!」


-ビシュゥゥゥゥン-

-ドォォォォォン-


ゾディアギーニは、動きを止めた神装妖械に向けてフルチャージした聖粒子砲を放ち、神装妖械は神装障壁の展開が出来ないまま聖粒子砲の直撃を受け、次元の綻びの中に押し込められていく。


-ボォォン-

-ドォォォン-


フルチャージした聖粒子砲を放ち続けるゾディアギーニに負荷がかかりすぎたのか、ゾディアギーニの左肩が爆発して左側の聖粒子砲が爆砕する。


神装妖械は聖粒子砲の光を浴びながら次元の綻びの中に呑み込まれていき、次元の向こう側で爆発する。



「………、敵の全滅を確認、…戦闘を…終了する…」


神装妖械が次元の向こう側へと消えた後、ゾディアギーニの操者は敵の全滅を確認しながら呟くと、ゾディアギーニのシートを倒して眠りについてしまう。


通常空間から差し込む満月の光が徐々に大きくなり、左肩を失ったゾディアギーニを照らす…。





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