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超創機大戦  作者: 馗昭丹
陰世界騒動
64/77

迎撃〜堕天使現る

「反応4!種別…ゴーレムタイプで一致!三春先生の情報通りだ」


「おぉぉっし!!気合い入れ直していくぜぇぇっ!!!」


索敵を終えた史彦が皆に伝え、勢気が更に気合いを入れながら叫び、陽炎零式の速度を上げる。


「む!勢気の気力が30上がっただと!?俺様も負けてられねぇぇぇぇっ!!!」


勢気の気力が上がった様に見えた惇も負けじと気合いを入れて叫び、蟒蛇弐式の速度を上げる。


「うわ、勢気と惇が燃えてやがる…!」


二人の凄まじい気合いを感じ、史彦は思わず呟く。


「その前に…敷島すぁん!俺様の活躍で君のコクピットを直撃させる!!御褒美は蹴りか罵りでおなしゃっす!!」


「うわ…、大橋君マジで引くわ…」


惇は謎の踊りをしながら言い、芙蓉は惇のアピールにドン引きする。


「ゴーレムが見えたぜ!俺様がブッ倒ぉぉぉす!!」


勢気の陽炎零式の視界内に四本足に一つ目の岩石巨人の様な外観をしたゴーレムが現れ、勢気は真っ先に突っ込んでいく。

芙蓉は勢気の動きに合わせて突っ込みそうになるが、惇の謎の踊りに阻まれて冷静になる。


「…大橋君、勢気の援護を」

「うっしゃぁぁぁ!!!任されたぁ〜い!!」


芙蓉は目の前で謎の踊りを続ける惇に引きながら言い、芙蓉の言で気合いの入った惇は物凄い勢いで加速する。


「………」


澤口の羅刹は芙蓉達とゴーレムの動きに合わせて一定の距離を保っているが、どうも協力的ではない。

芙蓉達を盾にするつもりとも、背後から芙蓉達を撃つつもりとも取れる位置に居続け、沈黙を保っている。


芙蓉は無言のまま追従する澤口の羅刹に備え、臨戦態勢を維持している。


「勢気、ゴーレムは頑丈だから気合いよ!気合い!」


勢気と惇がゴーレムの迎撃を掻い潜り、近距離にまで間合いを詰めたのを見計らって芙蓉が言う。


「応!惇ぃ!アレやるぞ!アレ!」

「ほいきた!」


芙蓉の言を受けた勢気は陽炎零式の左腕を伸ばし、追ってきた惇の蟒蛇弐式の右腕とが組み合わさり、二機はディフレクトスフィアを展開しながら回転を始める。


「「俺たちのダイナマイトスパイラルキックで纏めてぶっ潰ぅぅす!!!」」


「なにそれ!?合体攻撃!?」

「ぐふっ!?」


勢気と惇が暑苦しく言い、それを聞いた芙蓉は思わず言ってしまう。

芙蓉の言に反応した紅炎灰燼の右手が伸び、掌が史彦の蟒蛇弐式の胸部にぶつかって史彦は蹌踉めく。


「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」


勢気と惇は凄まじい気声をあげながら大回転を続け、その間にゴーレムの集中砲火が勢気の陽炎零式と惇の蟒蛇弐式に襲いかかるが、ディフレクトスフィアを展開した二機の凄まじい大回転がゴーレムの集中砲火を悉く弾き返し、弾き返されたビームと芙蓉の紅炎灰燼と史彦の蟒蛇弐式の援護射撃がゴーレムに当って進撃を鈍らせる。


「猛炎のダイナマイトォォォ!!!」


勢気が暑苦しく叫び、陽炎零式と蟒蛇弐式が猛炎に包まれる。

※勢気はダイナマイトを松明と勘違いしています。


「暴風のスパイラルゥゥゥ!!!」


勢気に続いて惇が暑苦しく叫び、陽炎零式と蟒蛇弐式を包んでいた猛炎に暴風が加わり、凄まじい猛炎の竜巻を形成する。


「「キィィィィック!!!」」


猛炎の竜巻を纏った陽炎零式と蟒蛇弐式が片足を揃え、もう片方の足を蹴り出しながら回転し、ゴーレムに向かって突っ込んでいく…。


二機の突撃の最中、援護防御に割り込んできた二体のゴーレムが猛炎の竜巻に飲まれ、関節が溶けて身動きが出来なくなったところを二機の旋風脚の連撃を受け、無理やり嵌め込まれた歯車の様に回転させられる。

勢気と惇の機体が回転速度を更に上げていくのと連動する様にして、二体のゴーレムも更に回転速度を上げながら砕かれ、遠心力で溶けた関節から手足が分離、やがて胴体部分にある核を砕かれて砕け散る。二体のゴーレムの残骸は猛炎の竜巻に溶かされながら霧散していく…。


そして、標的となったゴーレムは猛炎の竜巻で装甲を溶かされた上に、二機の凄まじい突撃で胴体部分を蹴り抜かれ、蹴り抜かれた部分から猛炎の竜巻で溶かされ、霧散していく。


「「おし決まったぁぁぁぁ!!!!!」」


ゴーレムを蹴り抜き、消滅を確認した勢気と惇は、合体を解いて感涙を流しながら叫ぶ。


「大橋君!避けて!」

「へ?…ぎゃふん!!」


芙蓉の言に反応した惇だが、すぐ近くまで飛んできていたゴーレムの掌が惇の蟒蛇弐式に激突し、惇の蟒蛇弐式は吹っ飛ばされる。


芙蓉の言のおかげか、惇は直前にディフレクト・シールドを展開しており、ダメージを抑える。

しかし、側面から攻撃を受けたので態勢を崩してしまい、ゴーレムの追撃を許してしまう。


「ぐぁっ!?」


「惇!ヤッベ!」

「惇!?ぐっ!」

「大橋君!…ちぃ…!」


ゴーレムは再度飛ばした左手で惇の蟒蛇弐式を掴みとり、援護射撃を加えようとしていた勢気と史彦、芙蓉に対して惇を盾にする様にしながら距離をとる。


芙蓉と史彦、勢気から距離を取ったゴーレムは右の拳を握り締め、蟒蛇弐式を殴る構えをとる。ゴーレムの右腕部の肘に埋没していた杭が、煙の噴出と共に大きく隆起し、右拳が一回り大きくなる。


「ぐおあぁっ!?」


ゴーレムの剛腕で殴られた瞬間、ゴーレムの肘から突き出ていた杭が一気に埋没し、惇の蟒蛇弐式に凄まじすぎる衝撃が走る。

轟音と共に放たれた衝撃波が惇の蟒蛇弐式の四肢を粉砕し、ディフレクト・シールドをコクピット部分に一極集中展開して核の防御に成功していた惇は、コクピット部分だけが残った蟒蛇弐式と共に飛んでいく。


「皆…あとは…頼んだ…ぜ…!…ガクッ」


惇は親指を立てながら言い、器用に気絶して学園のある方向へと飛んでいく…。


「惇!」

「惇ぃぃぃ!!!!!」

「!!」


飛んでいく惇を見て、勢気は暑苦しく叫び、ゴーレムは勢気の叫び声に何かを感じ取り、動揺する。


「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「!?」


勢気の凄まじすぎる怒声が大気を大きく振動させ、勢気の前に居たゴーレムはそれをまともに受けてしまう。大きな振動の波がゴーレムの装甲の大半と手足を溶かしながら吹き飛ばし、装甲と手足を失ったゴーレムは何が起きたのかわからずに半分溶解した頭部を回転させる。


「…勢気の声が、ゴーレムを吹き飛ばした…?」


「振動熱…電子レンジかお前は!?」


ゴーレムが溶けて吹き飛ばされるのを見ていた芙蓉は呟き、史彦は思わずツッコミを入れる。二人は剥き出しになったゴーレムの核に照準を合わせるが、勢気の方が早く、次の瞬間には勢気の陽炎零式がゴーレムを殴り飛ばして粉砕していた。


「…ふぅ、大声出したら俺様スッキリしたぜ!!」


ゴーレムを撃破した勢気は、爽やかな笑顔で言う。


「…(…勢気って一体何者なんだろう…?なんか…とんでもない秘密がありそうな感じがする…)」


惇との合体攻撃から始まる、勢気の暴れぶりを見て頭で整理していた芙蓉は改めて思う。


「…?…グッ」


芙蓉の視線に気づいた勢気は、芙蓉に向かって親指を立てながら暑苦しいスマイルを送る。


「………」


勢気の暑苦しいスマイルを見た芙蓉は、一瞬だけキョトンとしていたが、すぐに頭を切り替え、勢気に向かって親指を立てながらスマイルを送る。


「…(…俺には無いのかよ…)」


二人のやり取りを見ていた史彦は、渋い顔をしながら思案しつつ、索敵を継続する。


「…ん?…なんだこれは」


索敵をしていた史彦は、勢気の陽炎零式の背後に見えがくれしている何かを発見して呟く。

その何かは紫色の管の様なパーツを徐々に伸ばしながら彼方此方に振り回し、それが徐々に勢気の陽炎零式に近づいていく。


「おい、勢気!離れろ!後ろから何か来るぞ!」

「…んだこりゃ!?」


本能的に危険を感じ取った史彦は、勢気に言い、背後から近づいてきた何かに気づいた勢気は距離を取りながらいう。


「…!冗談じゃねえぞ…!」


静観をしていた澤口はその紫色の何かを見た途端に態度を変え、羅刹の背部破砕砲を展開してチャージを始める。


「後方に反応…!勢気!小林君!散開!」

「お、おう!」

「了解した!」


後方の羅刹が砲身を展開しているのに気づいた芙蓉は、勢気の陽炎零式と史彦の蟒蛇弐式に散開する様に言い、その場から離れる。


「…ここはオメーらが来て良い世界じゃねぇ、とっとと消え失せろ!紫月の堕天使共!」


澤口は声を荒げながら言い、羅刹の背部破砕砲を発射する。

破砕砲を発射した反動で羅刹が大きく後退し、羅刹から発射された一閃が紫色の何かを消滅させる。


しかし…


「…ちぃ、遅かったか!」


消滅した管の様なものがあった位置から禍々しい紫色の結晶で形成された人型の物体が現れ、澤口は舌打ちしながら次の攻撃を始める。


「…おい聞こえるかカス共」


澤口は紫色の人型から距離を取ったままの芙蓉達に回線を繋ぐ。


「…聞こえています」

「んお?澤口か?」

「………」


芙蓉と勢気は澤口のよびかけに応じるが、史彦は応えない。

澤口は史彦に構わずに話を進める。


「…あれは紫月の堕天使と呼ばれる厄介な奴だ、あのタイプの個体はpt.c-05っていわれてる5番目の個体らしい、絶対に逃すんじゃねぇぞ!」


澤口は凄味のある口調で勢気達に言い、紫色の結晶体に攻撃を加え続ける。

澤口の口調と焦りから、敵がかなり危険な存在であることを察した勢気達も攻撃を開始する。


攻撃を受けつつもゲートらしきものから脱出した5番目の個体とされる紫色の人型結晶体…pt.c-05は、背中にあった管の様な物を展開して結晶でできた漆黒の翼に変異させ、凄まじいスピードで澤口達の攻撃を回避する。


「おわっ!?分身しやがった!?」

「レールガンが…すり抜ける…!?」


pt.c-05は翼から紫色に輝く粒子を大量に散布し、数多の虚像が勢気達を撹乱する。


「潰れな!…何ぃ!?」


澤口の羅刹が野太刀でpt.c-05の斬撃を弾き、破砕砲の接射を叩き込もうとするが、回避される。


「後ろ!」

「おっと!」

「速すぎて捕捉できない…!」


勢気と芙蓉、史彦はpt.c-05の眩惑とスピードに翻弄され、対応に苦しむ…。


「でも…!佐竹教官ほどじゃ…!」


芙蓉はpt.c-05の攻撃を防ぐ内にスピードに対応し始め、pt.c-05を捉え始める。


「消えた…!?」

「敷島にふれさせねえ!!!」


「勢気!?」


瞬時に芙蓉の攻撃を回避したpt.c-05は、流れる様な動きで紅炎灰燼の真下から襲いかかるも、勢気の陽炎零式に割り込まれて離脱する。


「そっちがスピードと分身ならぁ!!俺様は手数と熱さで勝負!!!敷島ぁっ!史彦ぉ!俺様と組もうぜぇ!!」


勢気は虚像の増えていくpt.c-05を捕捉するのを諦め、陽炎零式の火球砲を展開しながら芙蓉と史彦に言う。

勢気は陽炎零式の右腕を芙蓉の紅炎灰燼の左腕に絡ませ、左腕を史彦の蟒蛇弐式の右腕に絡ませて互いの背中を密着させる形に組ませる。


「ディフレクト・スフィア展開!!勢いと気合いと三人の大・回・転!!!うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「ひゃっ!?」

「うお!?」


勢気は物凄い気迫を込めた声で叫び、芙蓉と史彦と共に大回転を始める。


三人の機体はディフレクト・スフィアを展開しながら大回転し、pt.c-05は攻撃を加えるものの、悉く攻撃を弾かれて虚像を増やし続ける。


「何をするつもりかはわからねえが、足止めくらいはしてやんよ」


澤口はpt.c-05の動きを捉え、距離を取り増え続ける虚像を消しながら牽制する。


「敷島ぁ!史彦ぉ!撃ちまくるぞぉぉぉ!!!」

「わ、わかった!」

「もう自棄だ、撃ちまくるぞ!」


大回転をしている勢気は芙蓉と史彦に主砲を撃つことを促し、目を回しそうになっている芙蓉と既に目を回して変なテンションになっている史彦は一斉に砲撃を開始する。


「必殺のぉ!!大回転魔だぁぁぁぁぁん!!!!!」


勢気が叫び大回転をしている三機から数多の弾丸が広範囲に放たれ、周りを埋め尽くしていたpt.c-05の虚像が瞬く間に消滅していく。


「無茶しやがる!」


勢気達の無茶苦茶な合体攻撃に澤口は呆れながら降り注ぐ弾丸を回避しつつpt.c-05の本体を追尾し、攻撃する。

全方位に放たれる数多の弾丸を回避しきれず、pt.c-05は回避運動中に何度も被弾してバランスを崩して翻弄される。


そんな隙を澤口が見逃す訳も無く、翻弄されているpt.c-05に集中砲火を浴びせて装甲を砕き飛ばす。

しかし、pt.c-05もしぶとく粘って身体の位置を変えながら直撃を避ける。

とはいえ、虚像を増やす余裕は無くなった様子で、一方的な攻撃を受け続けている。


pt.c-05がしぶとく粘る内に勢気達の大回転から放たれる弾丸が少なくなり、pt.c-05は一方的な攻撃から脱出。

しかし、直後に澤口の羅刹から放たれた破砕砲がpt.c-05の左翼を貫き、pt.c-05はバランスを崩す。


「さっきので潰れてろ!この野郎!」


澤口は声を荒げながらもさらなる追撃の破砕砲を放ち、野太刀を抜刀して突撃する。

破砕砲はpt.c-05の右翼を掠め、同時に間合いを詰めてきていた羅刹の野太刀がpt.c-05の左腕を斬り落とし、離脱しようしたpt.c-05の胴体に蹴りを入れ、更にライフルで追撃しながら突撃する。


「いい加減に失せろ!紫月の堕天使がぁ!」


澤口の羅刹はpt.c-05に肉迫し、野太刀による逆袈裟斬りを回避されて刃が宙を斬るが、pt.c-05が回避の為に身体をずらした位置には既に羅刹の脚部にあるビーム・セイバーが展開されており、羅刹の蹴り技と共にビーム・セイバーがpt.c-05の腹部を貫き、腹部から頭部にかけてビームの刃が通過してpt.c-05の上半身が真っ二つに切り裂かれる。


更に澤口の羅刹は全砲門を開いてpt.c-05を追撃。pt.c-05は粉々に粉砕されながら虚像と共に消滅していく。


「二度と来るんじゃねぇ…!」


澤口はpt.c-05が完全に消滅したのを確認した後に吐き捨てるように言い、羅刹の野太刀を背部破砕砲にある鞘へ収納する。

その直後に澤口の羅刹は芙蓉達に何も言わず、戦場から離脱していく。


「…次元境界線の固定化及び、敵の全滅を確認、これより帰投します」

「お疲れ様です、後で大道寺御曹司(あのボンクラ)に何か奢らせるから、放課後に此方に来てくださいね。それと…大橋君は無事よ、医務室に運ばれていったから…後で見舞いにいきましょうか」


芙蓉は状況を確認しながら三春先生に報告し、三春先生は労いの言葉をかけ、惇が無事な旨を伝えて回線を閉じる。

三春先生からの報告を受けた芙蓉は安堵しつつ、勢気達を見る。


「今日も俺様絶好調ぉぉぉぉ!!!!!」


「目が…頭が…身体が…回ってる……、気持ち…悪………ヴェェッ…!」


芙蓉の眼には何時もの雄叫びをあげて感涙を流す勢気の姿と、大回転で目を回しながらダウンしている史彦の姿が映り、芙蓉は少しだけ呆れつつ、何処かで安堵する。

少し後には勢気が史彦をおんぶしてやり、芙蓉と共に学園へと帰投する。


「…(…紫月の堕天使…か、この嫌な感じ…何処かで…)」


帰投する最中、芙蓉は先ほど戦った紫月の堕天使の感覚に覚えがあり、それが何時だったかを懸命に思い出そうとするが、答えが出なかった。



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