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超創機大戦  作者: 馗昭丹
陰世界騒動
59/77

芳弘と凛花〜繁勝来襲

しばらく陰日本編が続きます。

ご注意下され。

陰日本創連新潟支部のある地にて。


-ザシッ-


「…創世連合新潟支部、ここで間違いないな」


関東の佐竹繁勝が眼鏡を掛けて地図を確認しながら呟く。


「…(予想戦闘区域に民間人無し、ここの戦力は指揮頭20機、140機あまりの無人型WRFが鶴翼に布陣か…、芳弘一人でも十二分にお釣りが出るな)」.


繁勝は周辺に潜む創世連合の戦力を瞬時に解析し、歩を進める。


「…(大道寺代表には悪いが、少々派手にいかせてもらうぞ)」


繁勝は天に向かって小石を弾き上げる。


-ドゴォォォォォォォォン-


小石は空中で爆発し、直後に空間に空いた穴によって吸収されていく。

それと同時に数多の無人型WRFが繁勝に迫るが、次の瞬間には無人型WRFが砕けていた。


「芳弘、寄ってくる雑魚共の相手をしてやれ」

「….んだよ、俺様に雑魚の掃除をしろってか?どうせなら斑鳩朱花って奴の相手をさせてくれよ」


繁勝の言に芳弘は少し拍子抜けした感じで答える。


「創世連合とは協定を結んでいる、準備運動にもならんだろうが、それで我慢してくれ」

「ち、全滅させたら芙蓉を掻っ攫ってくるぜ」


繁勝は説明する様な口調で言い、芳弘は舌打ちしながら繁勝に言う。


「構わん、だがやりすぎるなよ」

「そりゃ俺様の機嫌次第だぜ」


繁勝は少々呆れた様な口調で言い、芳弘は不敵に言う。


「ふん、ならばその時は俺が殴ってでも止めてやるから好きにしろ」

「それでこそ俺様の上に立つ佐竹繁勝様だぜ、じゃあな!」


繁勝は釘を刺す様な凄みのある口調で言うと、芳弘は気合十分な感じで敵陣に突っ込んでいく。

直後に空には数多の爆発が走り、繁勝は歩を進める。


「…(この防衛部隊では保って2分くらいか、こちらも挨拶を急ぐ必要が出てきたな)」


繁勝は数多の爆発の連鎖を見ながら思案し、支部への侵入を難なく果たす。

隠行の術を持つ繁勝は道行く人々に認識されずに歩を進めていき、難なく挨拶するべき対象に近づいていく。

因みに繁勝の挨拶するべき対象とは先日、関東軍先駆を抜けた敷島芙蓉、琴織泉、新恋の三人である。

繁勝は楽しそうに過ごす三人を遠目から見ていたが、芳弘の事もあって隠行の術を限定解除する。


「久しいな、敷島、琴織、新」

「…!さ…佐竹…教官」

「「……!」」


繁勝が隠行の術を限定解除するや、一瞬にして芙蓉達の顔色が変わる。


「俺がここに来た理由は察しているか」

「…関東軍先駆の掟…ですね」


繁勝は凄みのある口調で言い、芙蓉は繁勝に圧されそうになりながら答える。


「外に出てWRFを装着しろ、掟はそこで刻む」

「ぐ…わかり…ました………」


繁勝の殺気を受け、刃で身を斬りつけられた様な感覚に襲われた芙蓉達は、なんとか堪えつつも繁勝の言に従う。


_______________________


体育館付近にて勢気達…。


「んおっ!?あれ敷島達じゃね?」

「ぬぁにぶほぉ!?」


勢気は外に出て行く敷島達を見かけて言い、それに過剰反応した惇が振り向いた直後に勢気が交わしたボールが惇の顔面に直撃する。


「なんか…あいつら様子が変じゃね?なんかに怯えてるっつーかなんつーかよ」


勢気は芙蓉達の様子を見て言い、首を傾げる。


「あいつらは芒霊や魔眷属の卵の駆除もしてるからな、三人で行くくらいだから今回は強敵なんじゃないか?」


勢気の言に史彦はもっともな意見を言う。


「そんなに気になるなら行こうぜ、あっちの方が面白そうだからよ」

「そうだぁ!!敷島さんの為ならこの大橋惇は何処までもぉぉぉ…or」


景斗は勢気達に芙蓉達の援護に行く様に促し、惇は気合を入れ過ぎて酸欠を起こして倒れかけてしまう。


「酸欠かよ!?…ったく、ちゃんと息してんのか?」

「ふ、ふふふ…俺様としたことが…敷島さんとの妄想が滾り過ぎて息をするのも忘れてたぜ…!」

「…お前、それだけを聞くとただの変態にしか聞こえないぞ」


惇は力強く親指を立てながら言い、嘉昌は呆れながら惇に言う。


「おっし!なら俺様もひと暴れすっぞ!」

「おうよ!ボランティアだぜ!」

「暴れるゼェ!」


勢気は気合を入れて言い、勢気に続いて史彦と景斗が気合を入れて言う。


「栗坂勢気!今日の午後は暴走特急だぜぇぇぇぇ!!!!!」

「「ぬおおぉぉぉぉ!!!」」


勢気は叫びながら疾走を始め、勢気に続いて史彦、惇、景斗、嘉昌が気声をあげながら続く。


「…あの、栗坂君達が叫んでますけど…朱花お姉様、どうします?」

「いつもの病気だ、後で私の補習を受けさせる」


三春が困った表情で朱花に伝え、勢気達の叫び声を聞いて大体の事に察しがついていた朱花はさして気にした様子もなく答える。


「それと、敷島さん達が無許可で外出した様ですが、それは…」

「…!」


三春が芙蓉達の無断外出の事を伝えると、朱花の表情が変わる。


「三春、直ぐに動ける猛者は何人居る?」

「えっと、今日は私を含めて七人です」


朱花は何か思い当たった様子で三春に尋ね、三春は朱花の様子に何か予感めいたものを感じながら冷静に答える。


「七人か…三春、急いで残りの六人を連れて来い、私も蟒蛇で出る!」

「は、はい!」


朱花は緊迫した口調で言い、三春は直ぐに六人に繋いで緊急出動を伝える。


「…やはり来たか、佐竹繁勝…!」


次の瞬間には朱花は専用のWRFを装着しなから言い、勢気達の後を追う様にして職員室の窓から飛び、翼状光を発して飛翔する。


_______________________


-バシュゥゥゥゥッ-

-ボォォォン


「139機目!てめえらじゃ準備運動にもなりゃしねえんだよ!!」


芳弘の専用WRF・覇皇(ハオウ)の手刀の残影に切り裂かれた無人型WRFが空中で爆砕し、芳弘はあまりの手応えの無さに呆れながら叫ぶ。

その間にも指揮頭と言われる無人型WRFの指揮官機が次々と覇皇の残影に撃ち砕かれたり、切り裂かれたりして撃破されていく。


「あぁ!!つまんねぇぇぞぉぉ!!!」


-ドドドドドドゴォォォン-


芳弘が叫ぶや、覇皇の残影が残りの無人型WRFを全て破壊する。


「ちっ、こんな奴らに1分45秒もかけちまった、…さぁて、芙蓉はどこに居るんだ?」


無人型WRFを全て破壊した芳弘は、芙蓉の捜索に向けて動き出す。

しかし、芳弘はここら辺の地理に疎く、近くにある筈の繁勝の反応を探すが…。


「繁勝の野郎、隠行の術を使ってやがんのかよ…」


周囲に繁勝の反応が全く無く、芳弘はため息混じりに言う。


「しゃあねえ、旋回して空から探すか…」


芳弘は仕方なく地道に探しだす。

しかし…。


「…」


-ヒョォッ-


突然槍の矛先が覇皇に迫るが、芳弘は動きから寸止めと見切り、全く動じる様子もなく相手を見る。

…芳弘の前には白金の大型WRFを装着した者が居た。


「おお、私の寸止めを前に瞬き一つしないとは、君はなかなかの強兵と見たぞ!」

「…おい雑魚、俺様に消されたくなきゃ去れ」


白金の大型WRFを装着した者は生き生きとした口調で言い、対する芳弘は面倒臭さ全開の怠そうな口調で対応する。


「雑魚ではないぞ!私は従三位上・関西創世連合先駆衆筆頭の一条凛花(イチジョウ・リンカ)だ!君の名は?」


凛花は槍を戻し、元気の良い声で自己紹介をすませる。


「従三位…、関西創世連合先駆衆筆頭…、一条凛花…、ほう、関西の田舎の片隅の最強如きが関東中央最強の俺様に喧嘩売って来たって訳か、身の程を弁えろ…!」


一条凛花の名を聞いた途端、芳弘のこめかみに数多の青筋が走り、強烈な威圧感を出しながら凛花に言う。


「ふむ!君の言う通り私はまだまだ未熟だと思っておる、よって今は修行中の身でな、より強い者と刃を交えてより強くなりたいのだ!」


凛花は芳弘の威圧感に全く動じる様子もなく、逆にワクワクした口調で芳弘に言う。


「…より強い者と刃を交えたい…か、その意気に免じて俺様の名を聞かせてやる、俺様は従一位上・関東創世連合軍中将・佐竹繁勝が門下、従二位下・関東創世連合軍先駆衆筆頭・嘉賀芳弘だ、俺様と手合わせできることを有り難く思え」


凛花の言に純粋な強兵の意気を感じた芳弘は、態度を改めて名乗り、覇皇を戦闘モードに変形させる。


「ふむ!有り難く思うぞ!一条凛花、武帝皇(ブテイオウ)参るぞ!」

「嘉賀芳弘、覇皇、行くぜぇ!!」


新潟県の上空で芳弘と凛花の初撃が激突し、衝撃波で周囲を警戒していた無人型WRFが砕け散る。


「俺様の初撃を受け止めるとはやるじゃねぇか」

「ふむ!君も見事だ!」


芳弘と凛花は互角の勝負を展開し、互いに称え合う。

芳弘の拳の連打を凛花は寸分違わず回避し、凛花の神速の槍捌きを芳弘は僅かな動きだけで回避する。

機体スペックでは武帝皇の方が上だが、技量では芳弘が上、だがそれも紙一重の差に過ぎず、芳弘と凛花の勝負は徐々に熱くなっていく。


「俺様にトンファーを使わせるなんざ、流石は関西の最強を背負ってるだけはある、だがなぁ!」

「なるほど、君も少しは本気を出してきた訳か、なら私も少しは本気を出すとしよう!」


芳弘は少し本気で凛花に攻撃を仕掛けるが、凛花も少し本気を出して攻撃を仕掛ける。

それでも両者とも互角で全く譲らない。


「へっ、へへへ、楽しくなってきやがった、繁勝以外の相手でここまで戦えるなんざ久しぶりで血が滾るぜ!」

「ふむ!私もこれほどの強兵と戦えて身体が武者震いを起こしている!まだまだいけるであろう!?」

「上等だぁぁ!!」


凛花の言を聞いた芳弘は一切の手加減を解き、本気で凛花に猛攻を仕掛ける。

凛花も一切の手加減を解いて芳弘の猛攻を打ち消し続ける。

本気になった両者の勝負も互角そのもので、いつ決着がつくのか知れない…。


「…(…二人とも良い勝負をしておるな、芳弘への対策はこれで十分であろう。上皇様と一条殿下には後で御祝儀を送らねばな。さて…あとは繁勝と芳弘が退却する口実が届くまでの時間を稼ぐとするか、これ以上の損害は容認できんからな)」


上空で紅と白金の軌道を描きながら繰り広げられている両者の激闘を見つつ、大道寺代表は葉巻に火を点けながら今後のスケジュールを調整する。


_______________________


芳弘と凛花が上空で激闘を繰り広げている頃、芙蓉達は繁勝の用意したバトルフィールド内で戦い、繁勝一人に一方的に追い詰められていた。


「どうした、芙蓉、泉、恋。WRFと視覚を封じた俺に触れる事も出来んのか?それでも元関東軍先駆か!」


「ぐ…うぅ…!」

「まだ…」

「…死なない」


繁勝は両眼を呪いで封じたままの状態で芙蓉達に言い、芙蓉達は繁勝のあまりの強さを前に瀕死寸前の状態になりながらもまだ諦めない。


「…立て、貴様らは俺が直々に見込んだ強兵、その内に眠る素質、開花させてみろ」


繁勝は雷声で言い、芙蓉達はその強烈過ぎる威圧感に圧されかけるが、寸前のところで踏ん張る。

しかし、彼女らのWRFはほぼ大破しており、心身ともに極限状態に近づきつつあった。


「教官…」


芙蓉は今ある力を振り絞って猛火球を放つが、繁勝に容易く回避される。

猛火球を放ったと同時に芙蓉は片膝をついて倒れてしまいそうになるが、泉と恋に支えられる。


「…そこまでか、どうやら俺の目は曇っていた様だ、関東軍先駆衆が誇る貴様らの専用機、全て破壊する」


繁勝は冷たい口調でそれだけを言うと、自らの専用機である漆黒の大狼を象った大型WRF・黒狼皇(コクロウオウ)を装着する。


「敷島芙蓉、琴織泉、新恋、関東創世連合先駆衆の掟に従い、処刑する」


繁勝は冷たい口調で言い放ち、芙蓉達は恐怖のあまり固まってしまうが…。


-ビシシシッ-

-バッコォォォォォン--


「うごがぁぁぁ!!これ超痛ぇぇぇぞぉぉぉぉぉ!!!!!高速でトラックのバンパーにバット打ち込んだ時より痛ぇぇぇぇ!!!!!」

「せ…勢気…?」


繁勝の構築したバトルフィールドを勢いと気合いでぶち破った勢気が叫びながら芙蓉達の前に落下してくる。

おそらくは超本塁打罰刀で力任せにぶち破ったのだろう、涙目の勢気の腫れた片手には焦げてひしゃげ折れた超本塁打罰刀が握られていた。


「ふん!」


-ベシィッ-


「痛ぇ!?」


-ドゴォォォォン-


繁勝は凄まじい勢いで落下してきた勢気の頭を叩いて地面に墜落させる。


-ゴォォォォォッ-


「二番手小林史彦!授業サボって参戦!」

「ええい!」


-パァン-


「痛っい!?」


続いて落下してきた史彦は繁勝に平手打ちを喰らわされて真横に吹っ飛び…。


「三番手の大橋惇様だぜ!空中で華麗に蟒蛇装着をキメる!!」


-ブゥゥゥゥ-


『装着規定を満たしていません、ダイエットして下さい』


惇が蟒蛇を装着しようとするが、蟒蛇から警告されてしまう。


「んなの気合いでなんとかしろぉ!!」

『了解、無理矢理装着します』


惇は暑苦しい口調で蟒蛇に言い、蟒蛇は強制的に装着システムを起動させる。


-ギショォォォン-

-ギリギリギリギリギリ-


「ぐえぇっ!?ギブギブギブ!!潰れりゅって!!」


蟒蛇を強制装着した結果、脂肪が惇を圧迫してしまい、あまりの窮屈さに惇がギブを連呼する。


『気合いで耐えて下さい』

「グゲヒャッ、で、出ひゃう!中身出ちゃうってゔぁっ!?うっ!ひ!ひゃぁぁぁ!」


蟒蛇の強制装着責めを受け続けた惇は、その責めに耐えきれずに我慢していた排泄物を噴射してしまう。

惇の叫びに嫌な予感がした繁勝は、思わず視覚の封印を解いて大きく後退する。


『汚いので強制終了しました』

「んほぉぉ!?落ちるぅぅ!」


惇が暴発すると同時に蟒蛇の強制装着責めが解除され、惇が再び地面に落下していく。


「秘技!扇子の全力扇ぎぃぃぃぃ!!!」


どこから出したのか、二枚の扇子で必死に扇ぎながら減速を試みるが、二枚の扇子は濡れて使い物にならなくなっており、惇の頑張りも虚しくそのまま落下していく。


「惇!掴まれ!」

「おっと!?すまね!史彦!」


惇の足掻きを見かねた史彦が捕獲用ネットを射出して惇を捕獲し、惇を救う。


「ぜえ、はあ、あぁ…死ぬかと思った…ん?」


捕獲用ネットから解放された惇は身体を起こしながら呟き、少ししてから己のズボンの染みと足元に溜まった黄色い水溜りに気付く。

惇はそこで数人の冷たい視線が突き刺さっているのに気付き…。


「………、…こ、これは秘蔵のレモンティーをこぼしちゃっただけだかんな!!…そ、そんな可哀想なものを見る様な眼で見ないでくれよぉぉ!!!」


惇は無駄に暑苦しく叫ぶ。


「………」


惇の自爆の一部始終を見せられた繁勝は呆れて言葉も出ない様子だったが、直ぐに頭を切り替えて次なる相手の接近を感知し、構える。


「改めて三番手の桑島景斗!午後の授業は勢いでバックれてきた!」

「戻れ!」

「ぐあっ!?」


続けて落下してきた景斗は繁勝に投げ飛ばされ…。


「四番手の三鷹嘉昌!今日は部活無しで早退!」

「邪魔をするな!」

「うわぁぁぁぁっ!?」


続けて落下してきた嘉昌は踵落としを繁勝に受け止められ、ジャイアントスイングで投げ飛ばされる。


「どこのどちら様かわかんねぇが、俺様のダチに手ぇ出すんなら!この勢いと気合いの大馬鹿野郎・栗坂勢気様が許さねぇぜ!!」

「………」


勢気は新しく構築した超本塁打罰刀を繁勝に向けながら啖呵をきり、繁勝は勢気を無言で見ながら構えをとる。


「…勢気、逃げて…!」

「…貴方達じゃ…勝てない」


繁勝と対峙する勢気を見た芙蓉と泉は、勢気達に逃げる様に促す。


「…貴様らの友人か、威勢だけは良い様だな」

「先手必勝ぉぉぉぉ!!!」


繁勝が言い終わる前に勢気が威勢よく猛攻を加える。


「ぐ…おぉぉ…!」


次の瞬間には勢気の陽炎のシールドと装甲が黒狼皇の拳から放たれた衝撃に砕かれ、勢気の身体に凄まじい衝撃が走り、勢気が崩れ落ちる。


「勢気!?」

「勢気がやられた!?」

「勢気ぃ!仇はとってやる!後で…」

「惇、頼むからパンツ拭きながら言うな…」


「………」


勢気が墜落したのを見て芙蓉達が叫ぶが、繁勝は構えを解かない。繁勝は妙な手応えを感じた様子であり、追撃に移る。


「ど根性ぉぉぉぉぉ!!!」

「!?」


しかし、次の瞬間には勢気は気合いと根性で復活し、繁勝は一瞬だけ驚く。


「期待のバッタァァ栗坂!一本足打法ぉぉ!!」


その一瞬だけでも勢気にとっては十分過ぎる好機であり、勢気の手に持つ超本塁打罰刀が振りかぶられる。


-カッキィィィィィィン-


「打ったぁぁ!!!……おわっ!?」

「なるほど、力だけはある様だな」


勢気の必殺技である超本塁打罰刀を片手で受け止められ、勢気は驚く。


「ふん」


-ブゥン-


「おぉぉ!?」

「勢気!俺たちが受け止めてやる!」

「バッチこい!勢気ぃ!」

-ドゴォゴォォッ-

「「ぶほぉあ!?」」


繁勝は援護射撃を加えようとしていた景斗達に向かって勢気を投げ飛ばし、景斗と史彦は高速で迫ってくる勢気を受け止めようとして失敗し、顔面に勢気のエルボーを喰らって1回転しながら地面に倒れ、減速に成功した勢気は受け身をとって着地に成功する。


「すまね!史彦!景斗!」

「かぁ…痛って…!」

「効いた…!」


勢気は頭を押さえる二人に謝り、二人は片手で頭を押さえながら片手で大丈夫のジェスチャーを送る。


「三鷹嘉昌の足癖の悪さぁ!見せてやるぜ!」

「笑止な、動きが単調過ぎるぞ!」


そんなやり取りの中で嘉昌が繁勝を足止めしようと奮闘するが、容易くあしらわれる。


「大橋惇様が生身で相手になってやるぜ!」

「………」

「ど、どうした!か、かかってきやがれ!」

「…腰を抜かした者が強がるな!去れ!」

「ひぃ…」


現状ではWRFを装着できない惇は、繁勝を妨害しようとするが、繁勝の一睨みで腰を抜かしてしまう。


「再び俺様のタァァァン!!」


嘉昌と惇が繁勝を邪魔しているうちに態勢を立て直した勢気が繁勝に攻撃を仕掛けるが、簡単に回避される。


「…これ以上の邪魔は容認せんぞ、黒狼皇!」

「!!!」


流石の繁勝も我慢の限界が近づいてきたのか、黒狼皇のクローとファングユニットを展開し、次の瞬間には勢気の陽炎の装甲に黒狼皇のクローによる斬撃で数多の傷が付いていた。更に次の瞬間には大口を開けた黒狼皇が勢気の陽炎に喰らいつく。


「ぐっごっああああぁぁぁ!!!」

「勢気!?うあああああ!!!」


黒狼皇の牙が勢気の陽炎の右肩と左脇腹に食い込んでいき、勢気の苦痛の叫びが響く。

勢気の苦痛の叫びに反応するようにして芙蓉は叫びながら紅炎灰燼の猛火球を連射し、紅炎剣を展開して黒狼皇に突撃する。

芙蓉の表情からは繁勝に処刑される恐怖よりも勢気を失う恐怖が上回り、それが一時的とはいえ、萎縮していた芙蓉を奮い立たせていた。


「芙蓉!援護する!」

「栗坂は死なせない…!」


芙蓉に呼応する様にして泉と恋も黒狼皇に向かって加速し、猛攻を加え始める。


「ぐぐっぎっ!ぬぅぅ!どぉ!ど根性ぉぉぉぉぉ!!!!!」

「何…!」


勢気は火事場のクソ力を発揮して黒狼皇の顎を押し返し、辛くも脱出に成功。

繁勝は勢気と陽炎のパワーに驚くが、黒狼皇の態勢を素早く立て直して芙蓉達の連携攻撃を回避する。


「芙蓉!」

「泉!」

「落ちろ…!」


黒狼皇の高周波ブレードの連続斬りを泉の来鳴疾風が防御し、泉の対応出来ない部分は芙蓉の紅炎灰燼が防御し、恋が黒狼皇の動きを予測して罠を作動させ妨害する。


「ふん、漸く俺が見込んだ貴様らに戻ってきたか」


調子の戻ってきた芙蓉達に対し、繁勝は微笑みながら呟く。


「うおおっ!!!攻撃は俺達がやるぜぇぇぇ!!!」

「俺達も暑苦しく続く!」

「燃えてきたぜぇぇぇ!!!」


芙蓉達の連携に勢気達も加わり、流石の繁勝も圧されるかと思いきや…。


「…少しはできるな、だがその程度では俺の足元にも及ばん」


未だに無傷の繁勝は余裕の態度で言い、芙蓉達と勢気達の連携を悉く回避しつつ、バトルフィールドに侵入してきた新しい気配に気づき、それに備える。


-ガキィィィン-


「朱花か」

「よくも私の生徒に手を出してくれたな、佐竹繁勝」


繁勝は黒狼皇の高周波ブレードで朱花専用蟒蛇弐式の豪槍・景家を受け止めながら言い、朱花は怒りの籠った凄みのある口調で繁勝に言う。


「い、斑鳩先生!?」

「栗坂、繁勝相手によくそんな程度で済んだな、あとは私達に任せて治療に専念しろ」

「お、押忍!」


朱花の凄みのある言に圧されたのか、勢気は大人しく脱出していく。


「敷島、琴織、新、小林、大橋、桑島、三鷹、お前らもここから脱出して医務室に行け、こいつとの話は私がつける」


朱花は続いて芙蓉達にも脱出する様に促し、有無を言わせぬ朱花の迫力を前に芙蓉達は無言で従う。


「貴様が相手なら、0.3%では失礼にあたるか、5%で相手をする」


繁勝は不敵な微笑みを浮かべながら言う。


「舐められたものだな」

「今の貴様に全力を出す価値はない」


「「………」」


互いに言い終わると、二人の無言の殺気と気迫がぶつかり合って空間が歪む…。


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