表日本~瞑緒の初陣
今回から表日本編に移ります。
表日本編は兵器が異なります。
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衛連の制圧作戦で各地が混乱する中…、表日本も混乱に乗じた謎の勢力から攻撃を受ける。
西新都・大阪、古都・京、首都・東京では謎の巨人兵器、九州、四国では謎の生体兵器が出現し、政府軍は対応に追われる…。
政府軍の隙を突くようにして…、山陰地方でも何かが蠢き、動き出そうとしていた…。
表日本の島根県上空にて…
-ヒュゥゥゥゥン-
「傭兵風情が街をこんなにして…!もう許せませんわ!」
-シュゥゥゥゥゥン-
-ギショォォォォォン-
寧音は弐世鉄参式を装着し、ガナスのネティウス・ゼロに猛然と襲いかかる。
「新型のCCTWのお出ましかよ、ちったぁ遊んでやるか」
ガナスは愉しそうに言い、ネティウス・ゼロを操縦する。
「お待ちなさい!報復を受けていただきますわ!」
寧音はネティウス・ゼロを追撃する。
-ジッ-
「ガナス、雑魚と戯れてないでさっさと帰投しろ、後は人形に任せれば良い」
「わーってんよ、ったく…楽しみが無くなっちまったじゃねえか」
-ドゴォォォォォォォォン-
「きゃっ!?」
ネティウス・ゼロに桔梗の通信が入り、ガナスは渋々ネティウス・ゼロを超加速させ、弐世鉄参式はその衝撃を受けて吹き飛ばされる。
-ビビッ-
「くっ、まんまと逃がしてしまうなんて…不覚ですわ…!」
寧音はネティウス・ゼロの反応が消えた事に憤慨する。
その直後…
『………』
-シュン-
-ヴゥゥゥン-
-ドゴォォォン-
「ぐうっ!?」
死角からレーザーを受けるが、寧音は弐世鉄参式の金環障壁を展開して致命傷を避ける。
『………』
「無人型CCTW…、この鳳凰院寧音に仕掛けてくるとは…とんだ無礼者ですわね!」
-ビシュゥゥゥゥン-
寧音は無人型CCTWに言い、直後に放たれたレーザーを回避する。
「MSR阿弥陀…いきますわよ」
-ガシッ-
-ビシュゥゥン-
寧音は弐世鉄参式のMSR阿弥陀のトリガーを弾き、レーザーが無人型CCTWに向かって伸びていく。
『………』
-ギィィィィン-
-シュン-
無人型CCTWはミュレイスバリアを展開し、レーザーを無効化する。
「これは如何なさいまして?」
-カシィン-
-ドドドドドドォォン-
-ゴゴゴゴゴゴゴォォ-
-ゴォォォ-
寧音は弐世鉄参式の連装ミサイルランチャーを放ち、ミサイル群が無人型CCTWに向かっていく。
『………』
-シュシュン-
-ビシュゥゥゥゥン-
-ドドドドドドゴォォォン-
無人型CCTWは全方位有線式レーザー砲を前方円形に展開し、一斉にレーザーを放ってミサイルを迎撃する。
-ドゴォォォォォン-
「ぐっ!?」
爆煙からレーザーが降り注ぎ、弐世鉄参式の肩部を損傷させる。
『………』
-ゴォォォ-
-ガッキョォォォン-
「きゃぁ!」
更に無人型CCTWは寧音の弐世鉄参式に肉迫し、蹴り落とす。
-ヒュゥゥゥゥン-
「…く…コントロールがやられましたの…!?」
-ヒュゥゥゥゥン-
寧音はコントロールを失った弐世鉄参式と共に墜落していく。
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-ズゥゥン-
-タタタタタ-
-ドォォン-
-ガシャァァン-
「う…、何が…起きてるんだよ…」
瞑緒は騒音の中で目を覚まし、ゆっくりと身を起こしながら呟く。
-シュン-
-ドゴォォォォォン-
-ゴゴゴゴゴゴゴォォ-
「うわぁっ!?…痛た…」
爆発と共に地震の様な揺れが瞑緒を襲い、瞑緒は壁にぶつかる。
-ビシビシビシシシシィッ-
-ギギギギギギィィッ-
「ヤバい!外に出ないと…!」
-ダッ-
瞑緒は今にも崩れ落ちそうな鉄筋コンクリートを見るや、慌てて外に出る。
-ズゥゥン-
-ガラガラガラガラ-
「か…間一髪だったぁ…!」
脱出直後、大図書館は崩壊し、瞑緒は冷や汗を流しながら呟き…走る。
-ヒュゥゥゥゥン-
「…何だ…?…この音…?」
瞑緒は上からの音に反応し、思わず上を向く…。
「…煙が出てる…?…人…?」
瞑緒の眼に黒煙を出した人影が映る…。
「落ちていく…?…え…女の子…?…くっ!」
-ダダッ-
瞑緒は少女の姿を捉えるや、自然に走り出す。
-ドゴォォォォォン-
直後に少女のCCTWは大地に墜落し、轟音が鳴り響く。
「この…鳳凰院寧音ともあろうものが…こんな事で…!」
土煙が舞う中、大地の穴に埋もれた寧音は、弐世鉄参式のダメージを確認しながら言う。
『………』
-ガシュゥン-
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ズドォォォォォォォン-
無人型CCTWが手足の大出力レーザー砲を寧音に向けて放つ。
「くっ…!」
-ガシュゥン-
寧音は迫り来る光の渦を睨み、弐世鉄参式の左腕部に意識を集中させる。
-バチュゥゥゥゥゥン-
-ビシュゥゥゥゥン-
-ドドドドドドドゴォォォン-
大出力レーザー砲が弐世鉄参式の展開した金環障壁で分散し、周辺の建造物がレーザーの雨で破壊されていく。
-シュン-
-ドゴォォォォォン-
「うわぁっ!?」
-ドシャァッ-
分散したレーザーが瞑緒の背後にあった建造物を破壊し、瞑緒は爆風に吹き飛ばされる。
「お…落ちる!?」
瞑緒は上手く受け身を取ろうとするが、吹き飛ばされた先が大穴であり、瞑緒はそのまま大穴に落ちていく。
「く…エネルギーがもう保ちませんわ…このままでは…私も町も…」
寧音は消失した弐世鉄参式の左腕部とエネルギー残量を見て呟く。
-ガラガラガラ-
「うわぁぁっ!?」
「…危ないですわ…!」
-ヴゥゥゥン-
寧音の目に転落してくる瞑緒の姿が映り、寧音は弐世鉄参式の金環障壁を調整展開する。
-フワッ-
「痛たた…た…助かった」
金環障壁で落下の衝撃が無くなり、瞑緒はゆっくりと着地する。
「…御無事で何よりですわ、さ…早く御逃げになって…」
寧音は瞑緒に逃げる様に促す。
「何言ってるんですか!?貴女を置いてなんていけません!肩を貸しますから…一緒に逃げましょう!」
-スッ-
瞑緒は寧音に肩を貸し、寧音を起こして歩み出す。
「お待ちになって」
-ピシュゥン-
「これは…?」
「CCTWの素体コアですわ、これを持って逃げて下さいまし、私が時間を稼いでみせますわ」
寧音は瞑緒に小さな筒状のチップを渡し、自らは瞑緒から離れようとする。
次の瞬間…
-キュゥゥゥゥゥン-
「な…なんだこれ…!?」
「…鉱が…反応していますの…?」
弐世鉱参式の素体コアが瞑緒の手の中で反応して輝き、寧音は驚いた様に呟く。
-ズギュゥゥゥン-
「ああ…!?…僕の中に…この子の力が…!?…流れてくる…!」
「…落ち着いて、ありのままを受け入れるのですわ!」
弐世鉱参式の素体コアが瞑緒と共鳴し、力と情報の奔流に瞑緒は翻弄されるが、寧音は一喝して瞑緒を落ち着かせる。
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
CCTWの構築が始まり、瞑緒の身体に無限数値の集合体が次々と統合されていき、瞑緒の身体は弐世鉱参式の装甲に包まれていく。
-シュゥゥゥゥゥン-
-ギショォォォォォォン-
最後にコクピット・フィールドを兼ねたバリア・システムの金環障壁が展開され、瞑緒は弐世鉱参式の装着が完了する。
「弐世…鉱…参式……!」
「……!」
瞑緒は寧音をお姫様抱っこした態勢で呟き、寧音は意識して言葉を失う。
『………』
-ガシュゥン-
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ズドォォォォォォォン-
無人型CCTWは瞑緒に向かって手足の大出力レーザー砲を放つ。
-ビビッ-
「来ましたわ!金環障壁を展開なさい!」
「ハッ!?鉱!金環障壁!最大出力!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ドォォォォォォォン-
瞑緒の言と共に弐世鉱参式は金環障壁を展開し、大出力レーザーを防ぐ。
-シュゥゥゥゥゥン-
「ふ…防ぎきった…?これなら…!」
瞑緒は無傷の弐世鉱参式と町を見て呟く。
「エネルギー残量に注意なさい!あれほどの出力のレーザーを防いだのです…もうそんなに残ってはいないはず…」
寧音は瞑緒に注意を促し、二人は弐世鉱参式のエネルギー残量をチェックする。
「エネルギー残量…満タンのまま…なんだけど…?」
瞑緒は弐世鉱参式のエネルギーメーターを見て寧音に言う。
「え…エネルギーが…通常の…10倍…?」
「え…?」
寧音は弐世鉱参式の桁違いのエネルギーメーターを見て驚く。
『………』
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ズドォォォォォォォン-
-ズドォォォォォォォン-
無人型CCTWは大出力レーザー砲を連射する。
「防げぇぇぇ!!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
-ドォォォォォォォン-
瞑緒は弐世鉱参式の金環障壁を展開し、正面からレーザーを防ぐ。
「こ…これは…エネルギーを…吸収していますの…?」
寧音は弐世鉱参式のエネルギーが消費されていない事と大出力レーザー砲のエネルギーが弐世鉱参式のエネルギーに変換されている事に気付く。
-カシィン-
-シャン-
『………』
-ドォォォォン-
射撃でダメージを与えるのは無理と判断したのか、無人型CCTWは近接戦闘用の圧縮波動刀を展開して瞑緒の弐世鉱参式に向かう。
「腰の長船を抜きなさい!はやく!」
「腰部刀剣システム…?これか!」
-カシッ-
-シャン-
寧音の言で腰の重量に気付いた瞑緒は、構築されて実体化した刀の柄に手をかけて抜刀する。
-スガァァァァァン-
-ググググググググ-
瞑緒の弐世鉱参式の長船と無人型CCTWの圧縮波動刀が激突し、鍔迫り合いを展開する。
-ウゥゥン-
『………』
-ガキィィィン-
-シュン-
「フェイント…右から来ますわ!」
「其処か!」
-スガァァァン-
無人型CCTWは幾度か圧縮波動刀で斬りつけるが、寧音のサポートを受けた瞑緒はそのたびに受け止める。
-ググググググググ-
「このぉぉ!!」
-ウゥゥゥゥゥゥゥン-
瞑緒の感情に反応してか、弐世鉱参式の長船の刃が光り出す。
-グググググ-
-バシュゥゥゥゥン-
『!』
弐世鉱参式の長船が無人型CCTWの圧縮波動刀を泥の様に切断し、無人型CCTWは全方位有線レーザー砲と手足の大出力レーザー砲を展開する。
「至近距離で撃つ気ですわ!回避を!」
「やらせるかぁぁ!!」
-ゴォォォ-
寧音は瞑緒に回避するように勧めるが、瞑緒は長船を構えて無人型CCTWに突撃する。
-バシュゥゥゥゥ-
『!!!!!』
-シュゥゥゥゥゥン-
長船の刃が無人型CCTWの胴体を貫き通し、無人型CCTWは痙攣して武器のチャージを停止させる。
「ウオォォォ!!」
-ググググググ-
-ズバァァァン-
-バチュゥン-
-チュドォォォォン-
瞑緒は弐世鉱参式の長船で無人型CCTWを叩き斬り、両断された無人型CCTWは空中で爆発する。
-ズゥン-
「ハア…ハア…やったのか…」
瞑緒は無人型CCTWの反応がなくなった事を確認して呟く。
「…まあまあでしたわね、もう解除してもよろしくてよ」
-シュゥゥゥゥゥン-
寧音は瞑緒に言いつつ、自身の弐世鉄参式を解除する。
「はやくしないと見つかりますわ」
「えと…解除って…どうするの?」
瞑緒は寧音に説明を求める。
「装着時に流れて来た解除コードをイメージして御覧なさい、あとはCCTWがそれを理解して処理してくれますわ」
「解除コード…こうかな…?」
-シュゥゥゥゥゥン-
瞑緒は寧音の説明に従って装着解除のコードをイメージし、弐世鉱参式を解除する。
-スッ-
「申し遅れましたけれど…、私は鳳凰院寧音と申しますわ、貴方は?」
寧音は自己紹介を済ませ、瞑緒に手を差し伸べる。
「…僕は柳楽瞑緒、宜しく」
-ガシッ-
瞑緒は自己紹介して寧音の手を握る。
…この握手が、瞑緒の運命を大きく動かす事になる…。
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次は陰日本編へ移ります。