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超創機大戦  作者: 馗昭丹
序章
5/77

表日本~瞑緒の初陣

今回から表日本編に移ります。


表日本編は兵器が異なります。

___________________


衛連の制圧作戦で各地が混乱する中…、表日本も混乱に乗じた謎の勢力から攻撃を受ける。


西新都・大阪、古都・京、首都・東京では謎の巨人兵器、九州、四国では謎の生体兵器が出現し、政府軍は対応に追われる…。


政府軍の隙を突くようにして…、山陰地方でも何かが蠢き、動き出そうとしていた…。


表日本の島根県上空にて…


-ヒュゥゥゥゥン-


「傭兵風情が街をこんなにして…!もう許せませんわ!」


-シュゥゥゥゥゥン-


-ギショォォォォォン-


寧音は弐世鉄参式を装着し、ガナスのネティウス・ゼロに猛然と襲いかかる。



「新型のCCTWのお出ましかよ、ちったぁ遊んでやるか」


ガナスは愉しそうに言い、ネティウス・ゼロを操縦する。


「お待ちなさい!報復を受けていただきますわ!」



寧音はネティウス・ゼロを追撃する。


-ジッ-


「ガナス、雑魚と戯れてないでさっさと帰投しろ、後は人形に任せれば良い」


「わーってんよ、ったく…楽しみが無くなっちまったじゃねえか」


-ドゴォォォォォォォォン-


「きゃっ!?」


ネティウス・ゼロに桔梗の通信が入り、ガナスは渋々ネティウス・ゼロを超加速させ、弐世鉄参式はその衝撃を受けて吹き飛ばされる。


-ビビッ-


「くっ、まんまと逃がしてしまうなんて…不覚ですわ…!」


寧音はネティウス・ゼロの反応が消えた事に憤慨する。



その直後…


『………』


-シュン-

-ヴゥゥゥン-

-ドゴォォォン-


「ぐうっ!?」


死角からレーザーを受けるが、寧音は弐世鉄参式の金環障壁を展開して致命傷を避ける。


『………』


「無人型CCTW…、この鳳凰院寧音に仕掛けてくるとは…とんだ無礼者ですわね!」


-ビシュゥゥゥゥン-


寧音は無人型CCTWに言い、直後に放たれたレーザーを回避する。


「MSR阿弥陀…いきますわよ」


-ガシッ-

-ビシュゥゥン-


寧音は弐世鉄参式のMSR阿弥陀のトリガーを弾き、レーザーが無人型CCTWに向かって伸びていく。


『………』


-ギィィィィン-

-シュン-


無人型CCTWはミュレイスバリアを展開し、レーザーを無効化する。


「これは如何なさいまして?」


-カシィン-

-ドドドドドドォォン-


-ゴゴゴゴゴゴゴォォ-

-ゴォォォ-


寧音は弐世鉄参式の連装ミサイルランチャーを放ち、ミサイル群が無人型CCTWに向かっていく。


『………』


-シュシュン-

-ビシュゥゥゥゥン-


-ドドドドドドゴォォォン-


無人型CCTWは全方位有線式レーザー砲を前方円形に展開し、一斉にレーザーを放ってミサイルを迎撃する。


-ドゴォォォォォン-


「ぐっ!?」



爆煙からレーザーが降り注ぎ、弐世鉄参式の肩部を損傷させる。


『………』


-ゴォォォ-


-ガッキョォォォン-


「きゃぁ!」


更に無人型CCTWは寧音の弐世鉄参式に肉迫し、蹴り落とす。


-ヒュゥゥゥゥン-


「…く…コントロールがやられましたの…!?」


-ヒュゥゥゥゥン-


寧音はコントロールを失った弐世鉄参式と共に墜落していく。


___________________


-ズゥゥン-


-タタタタタ-


-ドォォン-


-ガシャァァン-


「う…、何が…起きてるんだよ…」


瞑緒は騒音の中で目を覚まし、ゆっくりと身を起こしながら呟く。


-シュン-

-ドゴォォォォォン-


-ゴゴゴゴゴゴゴォォ-


「うわぁっ!?…痛た…」


爆発と共に地震の様な揺れが瞑緒を襲い、瞑緒は壁にぶつかる。


-ビシビシビシシシシィッ-


-ギギギギギギィィッ-


「ヤバい!外に出ないと…!」


-ダッ-


瞑緒は今にも崩れ落ちそうな鉄筋コンクリートを見るや、慌てて外に出る。


-ズゥゥン-


-ガラガラガラガラ-


「か…間一髪だったぁ…!」


脱出直後、大図書館は崩壊し、瞑緒は冷や汗を流しながら呟き…走る。


-ヒュゥゥゥゥン-


「…何だ…?…この音…?」


瞑緒は上からの音に反応し、思わず上を向く…。


「…煙が出てる…?…人…?」


瞑緒の眼に黒煙を出した人影が映る…。


「落ちていく…?…え…女の子…?…くっ!」


-ダダッ-


瞑緒は少女の姿を捉えるや、自然に走り出す。


-ドゴォォォォォン-


直後に少女のCCTWは大地に墜落し、轟音が鳴り響く。


「この…鳳凰院寧音ともあろうものが…こんな事で…!」


土煙が舞う中、大地の穴に埋もれた寧音は、弐世鉄参式のダメージを確認しながら言う。


『………』


-ガシュゥン-

-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


-ズドォォォォォォォン-


無人型CCTWが手足の大出力レーザー砲を寧音に向けて放つ。


「くっ…!」


-ガシュゥン-


寧音は迫り来る光の渦を睨み、弐世鉄参式の左腕部に意識を集中させる。


-バチュゥゥゥゥゥン-

-ビシュゥゥゥゥン-


-ドドドドドドドゴォォォン-


大出力レーザー砲が弐世鉄参式の展開した金環障壁で分散し、周辺の建造物がレーザーの雨で破壊されていく。


-シュン-


-ドゴォォォォォン-


「うわぁっ!?」


-ドシャァッ-


分散したレーザーが瞑緒の背後にあった建造物を破壊し、瞑緒は爆風に吹き飛ばされる。


「お…落ちる!?」


瞑緒は上手く受け身を取ろうとするが、吹き飛ばされた先が大穴であり、瞑緒はそのまま大穴に落ちていく。



「く…エネルギーがもう保ちませんわ…このままでは…私も町も…」


寧音は消失した弐世鉄参式の左腕部とエネルギー残量を見て呟く。


-ガラガラガラ-


「うわぁぁっ!?」


「…危ないですわ…!」


-ヴゥゥゥン-


寧音の目に転落してくる瞑緒の姿が映り、寧音は弐世鉄参式の金環障壁を調整展開する。


-フワッ-


「痛たた…た…助かった」


金環障壁で落下の衝撃が無くなり、瞑緒はゆっくりと着地する。


「…御無事で何よりですわ、さ…早く御逃げになって…」


寧音は瞑緒に逃げる様に促す。


「何言ってるんですか!?貴女を置いてなんていけません!肩を貸しますから…一緒に逃げましょう!」


-スッ-


瞑緒は寧音に肩を貸し、寧音を起こして歩み出す。


「お待ちになって」


-ピシュゥン-


「これは…?」


「CCTWの素体コアですわ、これを持って逃げて下さいまし、私が時間を稼いでみせますわ」


寧音は瞑緒に小さな筒状のチップを渡し、自らは瞑緒から離れようとする。


次の瞬間…


-キュゥゥゥゥゥン-


「な…なんだこれ…!?」


「…鉱が…反応していますの…?」


弐世鉱参式の素体コアが瞑緒の手の中で反応して輝き、寧音は驚いた様に呟く。


-ズギュゥゥゥン-


「ああ…!?…僕の中に…この子の力が…!?…流れてくる…!」


「…落ち着いて、ありのままを受け入れるのですわ!」


弐世鉱参式の素体コアが瞑緒と共鳴し、力と情報の奔流に瞑緒は翻弄されるが、寧音は一喝して瞑緒を落ち着かせる。


-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


CCTWの構築が始まり、瞑緒の身体に無限数値の集合体が次々と統合されていき、瞑緒の身体は弐世鉱参式の装甲に包まれていく。


-シュゥゥゥゥゥン-


-ギショォォォォォォン-


最後にコクピット・フィールドを兼ねたバリア・システムの金環障壁が展開され、瞑緒は弐世鉱参式の装着が完了する。


「弐世…鉱…参式……!」


「……!」


瞑緒は寧音をお姫様抱っこした態勢で呟き、寧音は意識して言葉を失う。


『………』


-ガシュゥン-

-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


-ズドォォォォォォォン-


無人型CCTWは瞑緒に向かって手足の大出力レーザー砲を放つ。


-ビビッ-


「来ましたわ!金環障壁を展開なさい!」


「ハッ!?鉱!金環障壁!最大出力!」


-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


-ドォォォォォォォン-


瞑緒の言と共に弐世鉱参式は金環障壁を展開し、大出力レーザーを防ぐ。


-シュゥゥゥゥゥン-


「ふ…防ぎきった…?これなら…!」


瞑緒は無傷の弐世鉱参式と町を見て呟く。


「エネルギー残量に注意なさい!あれほどの出力のレーザーを防いだのです…もうそんなに残ってはいないはず…」


寧音は瞑緒に注意を促し、二人は弐世鉱参式のエネルギー残量をチェックする。


「エネルギー残量…満タンのまま…なんだけど…?」


瞑緒は弐世鉱参式のエネルギーメーターを見て寧音に言う。


「え…エネルギーが…通常の…10倍…?」


「え…?」


寧音は弐世鉱参式の桁違いのエネルギーメーターを見て驚く。


『………』


-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


-ズドォォォォォォォン-

-ズドォォォォォォォン-


無人型CCTWは大出力レーザー砲を連射する。


「防げぇぇぇ!!」


-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


-ドォォォォォォォン-


瞑緒は弐世鉱参式の金環障壁を展開し、正面からレーザーを防ぐ。


「こ…これは…エネルギーを…吸収していますの…?」


寧音は弐世鉱参式のエネルギーが消費されていない事と大出力レーザー砲のエネルギーが弐世鉱参式のエネルギーに変換されている事に気付く。


-カシィン-

-シャン-


『………』


-ドォォォォン-


射撃でダメージを与えるのは無理と判断したのか、無人型CCTWは近接戦闘用の圧縮波動刀を展開して瞑緒の弐世鉱参式に向かう。


「腰の長船を抜きなさい!はやく!」


「腰部刀剣システム…?これか!」


-カシッ-

-シャン-


寧音の言で腰の重量に気付いた瞑緒は、構築されて実体化した刀の柄に手をかけて抜刀する。


-スガァァァァァン-


-ググググググググ-


瞑緒の弐世鉱参式の長船と無人型CCTWの圧縮波動刀が激突し、鍔迫り合いを展開する。


-ウゥゥン-


『………』


-ガキィィィン-

-シュン-


「フェイント…右から来ますわ!」


「其処か!」


-スガァァァン-


無人型CCTWは幾度か圧縮波動刀で斬りつけるが、寧音のサポートを受けた瞑緒はそのたびに受け止める。


-ググググググググ-


「このぉぉ!!」


-ウゥゥゥゥゥゥゥン-


瞑緒の感情に反応してか、弐世鉱参式の長船の刃が光り出す。


-グググググ-


-バシュゥゥゥゥン-


『!』


弐世鉱参式の長船が無人型CCTWの圧縮波動刀を泥の様に切断し、無人型CCTWは全方位有線レーザー砲と手足の大出力レーザー砲を展開する。


「至近距離で撃つ気ですわ!回避を!」


「やらせるかぁぁ!!」


-ゴォォォ-


寧音は瞑緒に回避するように勧めるが、瞑緒は長船を構えて無人型CCTWに突撃する。


-バシュゥゥゥゥ-


『!!!!!』


-シュゥゥゥゥゥン-


長船の刃が無人型CCTWの胴体を貫き通し、無人型CCTWは痙攣して武器のチャージを停止させる。


「ウオォォォ!!」


-ググググググ-

-ズバァァァン-


-バチュゥン-


-チュドォォォォン-


瞑緒は弐世鉱参式の長船で無人型CCTWを叩き斬り、両断された無人型CCTWは空中で爆発する。


-ズゥン-


「ハア…ハア…やったのか…」


瞑緒は無人型CCTWの反応がなくなった事を確認して呟く。


「…まあまあでしたわね、もう解除してもよろしくてよ」


-シュゥゥゥゥゥン-


寧音は瞑緒に言いつつ、自身の弐世鉄参式を解除する。


「はやくしないと見つかりますわ」


「えと…解除って…どうするの?」


瞑緒は寧音に説明を求める。


「装着時に流れて来た解除コードをイメージして御覧なさい、あとはCCTWがそれを理解して処理してくれますわ」


「解除コード…こうかな…?」


-シュゥゥゥゥゥン-


瞑緒は寧音の説明に従って装着解除のコードをイメージし、弐世鉱参式を解除する。


-スッ-


「申し遅れましたけれど…、私は鳳凰院寧音と申しますわ、貴方は?」


寧音は自己紹介を済ませ、瞑緒に手を差し伸べる。


「…僕は柳楽瞑緒、宜しく」


-ガシッ-


瞑緒は自己紹介して寧音の手を握る。


…この握手が、瞑緒の運命を大きく動かす事になる…。


___________________


次は陰日本編へ移ります。


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