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超創機大戦  作者: 馗昭丹
裏日本四国征伐
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四国征伐前夜

裏日本四国…

四国の旧高知県旧岡豊市を拠点に四国のほぼ全域で活動する大規模なレジスタンス組織…四国反政府連盟の縄張りである。


連盟の代表は安芸国繁(あき・くにしげ)、政府軍の権力争いに嫌気がさし、政府軍から去った元将校である。


軟禁生活から脱し、流浪生活の間に力を蓄え、ベヘモス戦争で反政府の機運が高まるや、同志を募ってレジスタンス活動を行っていたという。


国繁はその統率力と外交手腕で徐々に勢力を拡大、その影響力は四国のみにとどまらず、九州、山陽、畿内にも及び、政府軍に対抗し得る程の大規模な組織と化していた…。


_________________________


夜…


四国反政府連盟拠点、旧高知県旧岡豊市にある会館跡地に一つ人影が揺らめく。


旧岡豊市にはそれなりに厳重な警戒網がしかれていたが、人影はそれをすり抜ける様にして旧岡豊市の会館跡地に向かっていく。


そして…


-スッ-


「警戒が甘い、これで厳重とは片腹痛いな、安芸代表のもとに案内してもらおうか」


「誰じゃきに貴様!?」


-ドドドドドドドド-


岡豊の正面で警戒をしていたレジスタンス達がいきなり現れた人影に機関銃を連射する。


「!?」


-ヴゥゥゥゥン-


「ふん、無駄は止めてくれんか」


人影の周囲にはレジスタンス達が放った機関銃の弾が全て静止しているのが眼に映り、レジスタンス達はその人影が只者でない事を確信する。


「ば…化け物か貴様!」


-ドドドドドドドド-


「ぶったぎらぁ!!」


-ヴゥゥゥゥン-


「…!?」


レジスタンス達は更に機関銃を連射するが、人影には銃弾が届かず、更に二人が人影の背後から日本刀型電磁ブレードで斬りかかるが、人影に届かずに刃が静止する。


「迂闊に近寄るでないわ、未熟者めが」


-ヴゥゥゥゥン-


「ぐえぇ!?」


-ドシャァッ-

-ガッシャァァン-


人影の言の後に、背後から斬りかかってきたレジスタンス達の身体が10m以上離れた辺りにまで吹っ飛ばされる。


「ふっふ、早死にしたくなければ伏せるが良い、信じる信じないは勝手だがな」


-ヒュゥン-


「「!?伏せろ!」」


人影の言の後、宙に静止していた全ての銃弾が反転し、レジスタンス達は慌ててその場に伏せる。


直後…


-ドドドドドドドドドドドドゴォォォォン-

-ガラガラガラガラガラガラ-


反射した全ての銃弾が周囲の建造物をボロボロに粉砕し、周囲の建造物が崩壊する。


「く…こいは洒落にならんぜよ…!」

「ひ、ひぇぇ…!」


崩壊した建造物を見たレジスタンス達は、各々違う反応を示す。


「…拙者に手を出せばどうなるか知ったであろう、代表に手を出さぬ、早々に安芸代表の居る場所に案内せい」


「は、はひ…!」


人影は半ば脅す様な口振りで言い、腰の抜けたレジスタンス達は口をパクパクしながら安芸代表の下へと案内を開始する。


_________________________


旧岡豊市会館跡地内部…


「こ、此処に代表がいます…」


「ふむ、御苦労、貴様は外で代表を待っておれ」


-シュン-

-ウゥゥゥン-


先程のレジスタンス達に案内されてきた人影がオートロック式のドアを触れずに開ける。


-スッ-


「ふっふ、久しいな国繁」


「誰かと思えば柘榴か…何しに参った」


整えられた長い白髪と青い眼帯が特徴的な老人…安芸代表は柘榴博士に言う。


-ヴゥゥゥゥン-


「ふっふ、愚問だな国繁、貴様の戦いぶりを見に来たに決まっておろう」


柘榴博士は安芸代表を狙った銃弾を跳ね返しながら言う。


-カァン-

-キィン-


「…相変わらず嫌な性格をしておるな、見物料は高くつくぞ」


安芸代表も電磁シールドと鉄扇で銃弾を防ぎながら言う。


「ふっふ、承知しておる、先程貴様の旗艦に物資を届けておいた、見物料だと思って好きに使うが良い」


-パチン-

-ズシャァァッ-


「…!!?」


柘榴博士は安芸代表に言いつつ、指を軽く鳴らし、直後に何かが切断される音と声ならぬ声が響く。


それ以降、安芸代表を狙った銃弾が止み、柘榴博士はやれやれといった感じで椅子に座る。


「…ふん、珍しい行いよ、人は老いれば良き行いをするというが…人外の魔王と言われる貴様でも歳をとればそうなるか?…外の狼藉者を始末しておけ」


安芸代表は柘榴博士を皮肉るような口振りで言い、携帯端末を弄って何処かに指令を送る。


「…まるで拙者を鵺か芒霊の様に言いよる、拙者とて人間だが?…視点の違いによる齟齬はあろうがな」


柘榴博士は髭を触りつつ言い、安芸代表を見る。


「貴様がそれを言っても説得力が感じられん、かの禁忌に触れた者が…」


安芸代表は柘榴博士に言い、薬缶の茶を振る舞う。


「…まだレクーゼウでの事を根に持っておるのか?貴様の身を案じての事だったのだがな」


柘榴博士は溜め息混じりに言い、薬缶の茶を飲みだす。


「貴様が何を案じて儂を置いていったのかはわからんが、抜け駆けには違いなかろう」


安芸代表は茶を飲みつつ、嘗ての事を話す。


「ふっふ、それは悪かったと何度も謝っておろう、貴様には早死にして欲しくなかっただけのことぞ」


柘榴博士は髭を弄りながら言う。


「…レクーゼウに入り、貴様だけが無事だったのは何故かを明らかにする気は無いのか?」


安芸代表は薬缶の茶を確かめながら言う。


「…無いな、冥土の土産話でも欲しいのか?」


柘榴博士は少し思案した後に安芸代表に答える。


「…ふん、まあよい、あの世とやらで一足先に待っておる故、貴様が来た時にゆっくりとそれを聞くとしよう」


安芸代表は分かっていたという様な口振りで言い、立ち上がる。


「…もう行くのか、大将が陣頭指揮を執る必要はあるまい」


柘榴博士は安芸代表を見ながら言う。


「…儂についてくると言って聞かん馬鹿共を放って置けんのでな、世話のかかる奴らよ…」


安芸代表は柘榴博士を見ずに言い、采配端末を握って部屋から出て行こうとする。


「…待て、昔から忙しい男だな貴様は、友を訪ねて参った知己を蔑ろにしてはならんぞ」


柘榴博士は薬缶を元の場所に置いて呟き、彼もゆっくりと立ち上がる。


「…まさかとは思うが、貴様も参加するつもりか?この負け戦…貴様にとってつまらん道化芝居になるぞ?」


安芸代表は柘榴博士を見ずに言う。


「ふっふ、愚問を連発しおる、…拙者がただの見物で此処に来る訳が無かろう」


「………」


柘榴博士は鼻で笑いつつ、凄味のある声音で言い、安芸代表は扉に手をかける。


「…影の戦、ジャウキルとムラウは拙者に任せよ、奴らには前大戦以来の貸しがあるのでな」


「…ふん、好きにせい」


柘榴博士は安芸代表に言い、安芸代表は一言だけ言って、その場から去っていく。


_________________________


旧和歌山県友が島上空…


柘榴博士と安芸代表が決戦の備えを固めつつあった頃…そこには政府軍の四国征伐を聞き、援軍要請に応じて援軍に駆けつけていた極阿軍の姿があった。

極阿軍の指揮官である桂川純子がZW・夜光に乗り、同じく夜光に搭乗する極阿の若者達を率いている。

数は9機、鋒矢に布陣している夜光隊の中心には極阿軍のステルス艦・朧月があり、それが政府軍の分厚い索敵網を無効化していた。


「もう少しで淡路島に着くにゃん、警戒をより厳重にするにゃん☆」


朧月のオペレーターである板築香我美(ほうづき・かがみ)が皆に報告する。


「政府の目ぇ盗むんは香我美ちゃんの頑張りにかかってるで、おばちゃんら頭も目ぇも悪いさかいな!」


桂川が冗談みたいな口調で言う。


「ちす、でもババアは黙って欲しいにゃん★」


香我美は敬礼した後、桂川に言う。


「ババアババア煩いやっちゃな、香我美ちゃんも20年たったらおばちゃんらと同じになるんやでホンマ、ごぢゃごちゃいうてんとはよ男捕まえや、売れ残りは辛いでぇ?」


桂川は香我美に言う。


「グスン…桂川さんの言葉が男日照りの香我美の心に痛いにゃん」


桂川の言に香我美は胸に手を押さえたまま、半泣き状態になりながら呟く。


「あの…、俺たちが四国反政府連盟に援軍に向かうのは良いんですが、八傑の皆さん抜きでどうやって政府軍に対抗出来るんですかね…」


極阿軍の江里口が夜光のコクピット内で言う。


「あぁ、なんか言うたかいな!?おまはんはこの作戦に不服やねんな!?」


江里口の言を聞いた桂川が江里口に尋ねる。


「い、いえ、そうじゃなくてですね…」


江里口は桂川の凄みに圧されながら言う。


「んなら何やねんな、オバちゃんらより輪廻ちゃんらの方が元気出るんかいな」


「そ、そうじゃなくて…」


桂川の言動に江里口は若干引き気味に言う。


「…わかっとるがな、おまはん極阿の事が心配なんやろ?」


「あ…はい、今の極阿はガラ空き…、政府軍の侵攻を受けたらひとたまりもないと思いまして…」


桂川の言に江里口は不安げに呟く。


「百一将軍は稀代の戦上手、それにああ見えても狡猾で執念深い外交上手や、既に対処は済んどる筈やさかい、おまはんが心配する事は何もあらへん、どーんと泥舟に乗ったつもりで安心して戦いや」


桂川は江里口の他、付き従っている極阿の若者達が乗る夜光に回線を開いて言う。


「桂川のオバン、大船や、泥舟やったら沈んでまうがな!」


「怖、それなんかフラグ立っとん?余計不安にならん?」


「俺、この戦いが終わったら君と結婚フラグか!?」


「アホ、それちゃうわ、あとフラグはへ・し・折・るもんや!」


「フラグも三本立ったら折れんて毛利元就公も言うとるで?」


「それ矢の話やんけ、上手いな」


江里口の他の若者達が桂川の言にツッコミを入れ、ちょっとした漫才の様なやり取りが始まる。


「はあ、なんか…俺が馬鹿みたいに見えますね…」


若者達のノリについていけない江里口はため息混じりに呟く。


「ああ、余計な事は気にせんとちゃんと戦ってちゃんと逃げや、おまはんらが死んだら極阿だけやのうて世界と未来の損失や、そこんとこ分かっとき、ええな?」


「………」


桂川の言に江里口は無言で頷き、夜光の操縦席を立位方式に切り替えてイメージを統一していく。


「…敵影無し、このまま旧徳島県に向かうにゃん☆」


香我美は索敵を済ませ、淡路島の上空に差し掛かった朧月の進路を調整する。


「ならはよいこか、あんまりチンタラやっとったら大野の凡さんにどやされるわ、オバちゃんらのナビ頼むで香我美ちゃん」


「にゃん☆」


桂川は冗談の様な口調で言い、香我美は招き猫のポーズをとりながら返事する。


「凡ら、オバちゃんに遅れたら朝飯抜きやで、徳島までしっかりついてきいや!ええな!」


「「へい!」」

「おっしゃ!」


桂川は号令をかけ、極阿の若者達は一斉に返事して夜光のコクピットを立位方式にきりかえる。


「どぉぉぉぉん!!!」


桂川は雷の如き声で開始の雄叫びを上げ、桂川以下、極阿の若者達の夜光が一斉に加速。

桂川達は淡路島上空から旧徳島県に向かって消えていく…。



桂川達が淡路島上空から旧徳島県に向かって数分後…。


月明かりに照らされた雲から、光牙達の母艦であるテイロンがゆっくりと降下してきていた…。

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