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超創機大戦  作者: 馗昭丹
表裏陰世界
44/77

暦と理愛〜魅鳥の誕生日

暦達が帰宅してからしばらく後、強く降っていた雨は次第に弱くなり、日が沈む頃には止んでいく…。


暦はシャワーの後に私服に着替え、苅藻の見立てで用意されていた服が入った鞄を持ち、酒本と舎弟達を引き連れて朋鳴家へと向かう。


移動中…暦は舎弟達の威嚇行動を先読みして諫め、大衆に迷惑をかけない様にして移動する。


「うん、流石は御嬢、舎弟達をまるで手足の様に動かしなさる」


「お…御嬢は其処まで俺たちと周りの事を考えてくれているたぁ…、こりゃ間違いなく大物になるぜ…」


「あたぼうよ、御嬢は俺たちとは此処と此処の出来が違うんだからよ」


「違いねぇや」


酒本と舎弟達は暦の先読みに畏怖すると同時に、気遣いを欠かさない暦に更なる尊敬の念を抱き、益々結束を固めていく事になる。


某結社のビルの屋上にて…


「ち…、何なのよ…あの女…!」


-ドゴォォン-


部分装置したWRFで暦の監視をしていた西五条理愛は、暦について回りながら妨害する羽鳥の姿に舌打ちし、異能で近くにあった壁に穴を開ける。


「あ、あのー、西五条理愛嬢?我がアジトを破壊しないでもらいたいネー」


「………」


不機嫌な理愛に対し、怪しげな口調の男が恐る恐る言うが、理愛は意に介さずに暦の監視を続ける。


「…理愛嬢?…西五条理愛嬢!」

「………」


「西五条理愛さん!…理・愛・ちゃん!」


怪しげな口調の男は何度も呼びかけるが、微動だにしない理愛に対してだんだんと怒りが込み上げてくる。


「…音響を四倍にスルネー!…西五条理愛ちゃん!!聞こえてるなら反の…」


「うるさい、減給するわよ?」


「む…!」


怪しげな口調の男はメガホンを使って理愛に呼びかけるも、減給の単語に思わず身動ぎする。


「…こうなったら…出るネー!アルレジックス!理愛嬢の視界を阻むアルヨ!」


「御招きに応じ、参上仕る」


-シュン-

-ギショォォン-

-ズゥゥン-


「秘技、視界封じ」

「!?」


怪しげな口調の男が腕時計型マイクを構えて叫び、亀と蟹とカマキリが混じった様な外観の魔戦殻・アルレジックスの図体が理愛の視界を塞ぐ。


「良い加減に他所で監視するヨロシ!」

「…アンタ、良い度胸してるわね」


怪しげな口調の男は理愛に向かって言うが、理愛は凍てつく様な視線をアルレジックスと怪しげな口調の男に向けながら言う。


「いやはや全くその通り、天下の西五条家の御令嬢であられる理愛嬢に意見する我が社の専務の肝っ玉と理愛嬢のニュータイプ的プレッシャーに私どもの肝は冷やっ冷やっなのですよ!」


「そーそー、魔戦殻とアジトが丸ごと消えるというリスクを顧みずに我が社の専務と来たら勇ましくも理愛嬢に立ち向かう漢らしさに惚れ直す所存なのです」


「西五条に楯突いたらどうなるか、この私の邪魔をしたらどうなるか、拾ってやった頃に味わった筈よ?」


「…理愛様有利と判断、撤退します」


「………」


太鼓持ちと腰巾着の言、理愛の言にアルレジックスは撤退し、怪しげな口調の男の額からは冷や汗が噴き出し、次第に顔が青ざめていく。


「…まあいいわ、今回だけは不問にしてあげる、アジトの修復はしてあげるから下がりなさい」


「は、はいぃ!流石は天下の西五条理愛嬢、その寛大さは天下に並ぶもの無しでありますな、いやはや全く。我々一同改めて忠誠を誓う所存でありますよこれまた、うんうん、直ちに下がりますですよ本当に」


「そーそー」


「それでは、ごきげんようで御座いまするぅ!」


「………」


冷静になった理愛の言に、太鼓持ちと腰巾着は理愛に揉み手をしつつも間合いを取り、機を見て固まったままの専務を担いで去っていく。


場には理愛のみが残り、理愛は再びWRFを部分展開して監視を再開する。


-シュゥン-

-ピコ-


「…天郷暦は…見つけた」


理愛はバックアップと予測データを基に暦の姿を探し、次の瞬間には暦の姿を捉えていた。


「…………」


「…(!?…コッチを見てる…?)」


暦の姿を捉えた直後、目を閉じていた暦は理愛の方を見て微笑み、理愛は驚く。


『…西五条理愛、あまり私を見くびらない方が良い…』


「…!?…向こうから私が見えてるの…?…つか何で私の名前を知ってるのよ…!」


理愛は暦の呟きを読み取り、暦の呟きに動揺する。


-カッ-


「…西五条理愛さん」

「!?」


-シュン-

-ギショォン-


理愛は背後の気配に気付き、WRF・西五条八式を展開して背後の気配に重突撃機銃を向ける。


「…(羽鳥!?)」


向けた銃口の先には羽鳥の姿があり、理愛は少々驚く。


「昼間のお返しですわ、驚かせてごめんなさいね」


羽鳥は銃口を向けられながらも、涼しい顔で言う。


「…何の用?」


「ご挨拶ですわ、それと…今日は従妹の誕生日ですので、パーティの御誘いに参りましたの」


敵意を出したまま言う理愛に対し、羽鳥は微笑んだまま理愛に招待状を見せながら誘う。


「………、…はあ?」


羽鳥の予想外の言に理愛は唖然とする。


「参加すれば、天郷暦さんのデータを集められますし、何より…これ」


羽鳥は微笑みながら言い、保存空間から箱を取り出して理愛に差し出す。


「…(コイツ、何考えてんの…?)」


羽鳥の差し出した箱を見て、理愛は思案するが。


「これはケーキとシュークリームですのよ、皆様と分けて下さいな」


羽鳥は箱を開けるや、色とりどりの美味しそうなケーキが理愛の視界に入る。

理愛は目を輝かせてケーキとシュークリームを見つめていたが…。


「…ふ、ふん!そ、そんなんで懐柔しようだなんて…、わ、私も見くびられたものね」


理愛は我に返り、直ぐにケーキから目を逸らす。


しかし…。


「まだ有りますわよ、遠慮なく食べて下さいな」


「う…美味いネー!これは是非パーティに参加するアルよ!」

「いやはや全くその通り!ほっぺが蕩ける様なのですよ!是非ともパーティに参加してくださいませ!いやはや全く!」

「そーそー、ショートケーキの美味しさときたらもー、シュークリームもふわっとしてて柔らかい口当たりが最高ー」


何時の間に戻ってきたのか、怪しげな口調の専務と太鼓持ちと腰巾着が羽鳥のケーキを食べて満面の笑みを浮かべていた。


「何私より先に食べてるのよ!?これは私が食べるの!」


理愛は専務達の姿を見て我慢がきかなくなり、ケーキに飛びつく。


「パーティーはあと一時間後に始まります、それまでには此処にいらして下さいね、では…御機嫌よう」


羽鳥はケーキを取り合っている理愛達を見て言い、魔法でその場から去る。


_____________________


朋鳴邸にて…


静まり返った空気が漂う中…


「…魅鳥、16歳…おめでとう、これは…俺からのプレゼントだよ」


朋鳴組の長である雷鳥が、迫力のある声で魅鳥を祝い、魅鳥にドスを手渡す。


「…パパ、ありがとう…」


魅鳥は雷鳥から手渡されたドスを抱き締め、雷鳥に頭を下げて感謝の意を示す。


魅鳥の下げた頭が徐々に上がっていき、魅鳥と雷鳥の視線が合うや…


「「魅鳥御嬢の誕生日に…乾杯!」」


-カァン-


組員達と参加者達全員の乾杯の音が一斉に鳴り響く。


「おし、今日は無礼講だ、皆…腹が弾けるまで飲めや!」


「「「おおおぉぉぉ!!!」」」


雷鳥は盃を天に翳して言い、組員達が気合いの入った叫びを魅鳥に聞かせる。


「魅鳥、誕生日おめでとう」

「魅鳥ちゃん、誕生日おめでとう御座います」


「暦さん、秋葉先輩…ありがとうございます」



「…ウチのお嬢も16歳、これからますます忙しくなるな、酒本」


「おう、互いに踏ん張っていこうや、松嶋」


暦と雫は魅鳥の側に近付いて祝い、酒本は朋鳴組の若頭と盃を酌み交わして世間話をしつつ周囲に気を配り、羽鳥は暦の着物姿に見惚れたり、笑顔を向ける魅鳥に微笑んだりしている。


「………」


「「「………」」」


赤に黒のドレスを着た理愛は、机に並べられた豪華なスイーツに目が釘付けになり、専務と太鼓持ちと腰巾着は朋鳴組と天郷組の迫力にすっかり縮こまってしまっていた。


朋鳴邸の庭では…苅藻と命の他、理愛に連れて来られた魔戦殻・アルレジックスと4機の量産型魔戦殻・アルオンが警戒任務についている。


…とはいえ、5機とも魔学迷彩で姿を消しており、一見しただけでは分からない。


苅藻と命も付近にHU-Xを配置しており、何時でも戦闘に入れる準備は整っていたという。

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