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超創機大戦  作者: 馗昭丹
表裏陰世界
42/77

泉と恋の編入〜広がる暗雲

陰日本創連新潟支部のある学園にて…


今朝も彼等は、教室内で元気に三角ベースをして遊んでいた。


-ザシィッ-


「栗坂勢気ぃ!!俺の必殺投球は…お前の脳味噌を確実にブチ抜く!」


景斗は勢気を指差しながら叫ぶ。


「おおっ!?抜かしやがったな!?来い!景斗ぉ!!」


景斗の言に勢気は気合い十分に叫び、態勢を整える。


「俺の右手が暑苦しく叫ぶぅ!球に熱い魂を注っ入!」


景斗は熱気を纏った右手で球を握り締めながら叫び…


「ハァァァァ…!練り込み!練り込み!暑苦しく練り込む!」


無駄に熱く右手に意識と気合いを集中させていく。


「よぉし、一球ぅ入っ魂!漢の再会を喜ぶキャノ○ボールアタァァァック!!」


景斗は暑苦しく叫び、無駄に大きく足を上げ、無駄に大きく振りかぶった後、大袈裟なモーションで投球する。


「お前はグレ○ラガンネタかよ!?」

「無駄に演出長えよ!?」


景斗の叫びに史彦と嘉昌が思わず景斗にツッコミをいれる。


景斗の暑苦しさがなせる技か、景斗の投げた球が炎に包まれ、炎の球になって勢気に向かっていく。


しかし…


-キュピィィン-


「見切ったぁぁ!!バッタァァァ栗坂ぁぁ!!一本足打法ぉ!!」


景斗の炎の球を完全に捉えた勢気の両目が煌めくや、勢気は叫びながら一本足打法の構えを見せ、直後に勢気のミートカーソルが強振になる。


そして…


-カッキィィィィン-


「打ったぁぁぁ!!大きい!大きい!!ホォォォォムラァァァァァン!!!」


勢気は景斗の投球をいとも簡単に打ち返し、打ち返された球が凄いスピードで窓の外…蒼穹に向かって飛んでいき、やがて…星になる。


「何…だと…!?」


必殺投球を打ち返された景斗は、脱力感に襲われてその場に崩れ落ちていく。


-ガラッ-


「大橋惇様見参!!くそっ!今日は景斗が一番手だったか!?」


勢い良く教室のドアを開け、惇は感涙を流しながら感動のポーズをしている勢気と真っ白な灰の様になって崩れ落ちている景斗を見て叫ぶ。


「今日は景斗に一番手を取られちまったが、次はこの大橋惇様が一等先に貴様に挑戦する!!覚えておけよ!我が好敵手よ!」


惇は勢気を指差し、無駄に熱い口調で言う。


「おっし!覚えておくぜ!惇ぃぃぃ!!」


勢気も無駄に熱い口調で叫ぶ。


「…そう言うわけだ!昼休みを楽しみにしているぞ!我が共よ!」


時刻を見て、惇は普段通りの口調に戻り、自分の席に戻っていく。


「応!負けねえぜ惇ぃぃぃ!!うおぉぉぉぉ!!!!」


勢気は無駄に熱く叫ぶが…


「喧しい」


-スパァン-


「ほぉぉあ!?」


教室に入ってきた朱花がスリッパで勢気をど突き、勢気のターンを強制終了させる。


「栗坂、桑島、席につけ」


「お、押っ忍!」

「………」


朱花は床に沈んでいる勢気と白い灰の様になって崩れ落ちている景斗に言い、勢気は頭をさすりながら席に戻るが、景斗の反応がない。


「桑島」


-スパァン-


「おふ!?斑鳩先生!?」


朱花はスリッパで景斗をど突き、景斗は我に返る。


「目が覚めたか、さっさと席につけ」


「は、はい!」


朱花に凄まれ、景斗は慌てて自分の席に戻っていく。


-トン-


「…皆、揃っているな、今日は編入生を紹介する、三春、敷島、連れて来い」


朱花は出席簿を教壇の上に置き、ホワイトボードに編入生の名前を書きながら言う。


「はい、敷島さん、琴織さんと新さんを此方に」


「はい、泉、恋、こっち」


廊下で三春先生と芙蓉の声と編入生二人の声が聞こえる。


-ガラガラ-

-コッコッ-


「!?」


教室に三春先生と芙蓉が入り、その後ろについてきた二人の少女の姿を見た勢気は驚く。


「………」

「………!」


朱花は驚く勢気にアイコンタクトを送り、勢気を静止させる。


琴織泉(ことおり・いずみ)です、今日からこの学園に通う事になりました、皆さん、宜しくお願いします」


「「強かなお嬢様キター!!」」

「「しかもポイント高し!」」


泉は礼儀正しく自己紹介を済まし、野郎衆の歓声があがる。


「わ…私は、あ、新恋(あたらし・れん)、き、今日…から、世話に…なる、宜しく…頼む…」


「「小動物系ミステリアス少女キター!!」」

「「白髪に白熊フードでめっさ可愛いやん!」」


続いて恋がぎこちない様子で自己紹介を済まし、今度は女子生徒からの歓声も混じる。


「!??お…おかしい、こ…この反応は…計算外…」


関東先駆衆の反応と、この学園の生徒達の反応の違いに、恋は大いに戸惑う。


恋の側では泉と芙蓉が互いを見て微笑み、戸惑う恋の手を繋いで恋を落ち着かせる。


「静かにしろ、琴織と新は両親の都合で此処に通う事になった、仲良く出来る様に接してやる様に。特に新は人付き合いが苦手だ、溶け込むにはかなりの根気を要するぞ!心して接する様に!…以上だ、…三春、後は任せるぞ」


「はい!」


朱花はそれだけを言うと、三春先生を残して教室から去っていく。


「えぇと、琴織さんと新さんの席は…敷島さんの隣になります、琴織さん、新さん、好きな方に座って下さいね」


三春先生は空席を指しながら言い、泉と恋に選択させる。


「では、私は敷島さんの横へ」


「…わ…私は、後ろに…」


泉は芙蓉の横…勢気の斜め後ろの席に座り、恋は芙蓉の後ろの席に座る。


「………」


勢気は泉と恋を見ながら押し黙っていたが、直ぐに頭を切り替えて気合いをチャージし出す。


「…(…彼があの時の…、栗坂勢気君だっけ)」

「…(…黙っていると、別人に見える…不思議な奴だ…)」


泉と恋は、勢気との初交戦時の事を思い出しながら思案する。


「えっと、特に何も無いので…、朝のHRはこれで終わりにしますね、今日も一日ファイトですよ」


「「押っ忍!!」」

「「はい!!」」


三春先生は皆の目を見ながら言い、皆の気合いをもらうや、教室から去っていく。


…三春先生が去った後、クラスの大半の生徒達が泉と恋に集まり、二人に暑苦しい質問の嵐が殺到することになる。


_______________


一方…


陰世界上空では不可視の円盤が浮かび、内部で何やらやりとりがされていた。


『新たに諸君らの様な精鋭を得た事は幸いだった、我らが向かうは陰世界の日本、新潟である、契約対象はミュンリが手こずる程の相手だが、諸君らがミュンリと行けば必ずや契約を結べるであろう、以上だ』


渦巻き指紋印の顔が特徴的な白い指擬きがメッセージを飛ばす。


『『ほぉい』』


白い指擬きのメッセージに対し、色取り取りのスライム達がやる気のない返事をする。


『…(課長も投げ遣りだなぁ、メッセージだけだなんて)』


アメーバー状態になっているミュンリは、怪しげな海月擬きから緑色の液体を体内に注入されながら思案する。


「カッコ生意気ナ思念波ハ、契約ヲ結ンデカラニシヤガレヨナ、ミュンリ、カッコトジル」


怪しげな海月擬きがミュンリに対して発光しながら言う。

と…いうより、思案したつもりらしいが、上手く変換ができておらず、全て声になってミュンリに聞こえていた。


『うへー、メッセージが全部出ちゃってるよ、何処かでタグが間違ってるんじゃないかな』


「カッコマジ?丸聞コエダッタ?カッコトジル」


『うん、丸聞こえだね』


「恥ズ!」


海月擬きから色が抜けて透明になり、ミュンリと同じくアメーバー状態になる。


円盤の中ではスライム達が予行演習の為にメッセージだけでやりとりをしており、なかなかに混沌としている。


ミュンリ達は比較的自由な時間を謳歌していたが…。


少し後…


-キィィィン-


「バクブクバク!!」

「ボビッドバッドゥ!?」

「ブクク!ブククブクッ!」

「ゴボゴボゴボボボ!!」


突如として非常警戒音らしいものが鳴り響き、色取り取りのスライム達が沸騰しながら何やらやりとりをしている。

どうやら、慌てている様だ。


…因みに変換するとこうなる。


『未確認飛行物体急速接近!!』

『対空砲火何をやっていた!?』

『回避!間に合いません!』

『総員退避ぃぃぃ!!』


-バッキィィィィン-

-ズゴォォォォォン-

-ドゴオォォォォォォン-


地上から飛んできた何かは、ミュンリ達の乗る円盤をぶち抜き、円盤は衝撃で崩壊し、陰日本上空で爆砕する。


円盤の爆発で陰日本上空に数多の液体が飛散して雨雲に混じり、雨雲が凄まじい速度で増殖していき…蒼穹は雨雲に覆われていく。


_______________


聖マルグリット学院…


-ゴゴゴ-


「…蒼穹に煌めく光が見えた後…暗雲は蒼穹を覆い尽くし、大地に雨を降らせる…」


聖マルグリット学院女子高等部の教室から天を見上げていた暦は、暗雲に覆われた空を見ながら呟く。


-ポッポッ-

-ザァァァ-


暦が呟いた少し後に雨が降り始め、雨が少しずつ強くなっていく…。


最初の授業が終わり、小休憩になる。


「うわ…降ってきたなぁ〜、さっきまであんなに良い天気だったのに…」


命が暦の側の席に座り、雨に打たれる外の景色を見ながら呟く。


「…お嬢の言った通りですね、お陰でびしょ濡れにならずに済みそうです」


暦の側に控える苅藻が雨合羽と折り畳み傘の数を確認しながら言う。


「………」


暦は無言で外を見つめ続ける。


「…それにしてもお姉、トイレにしちゃ遅いなぁ、何かあったのかな…?…ちょっと探して来ます」


朝のトイレから戻るのが遅い兄が心配になったのか、命は席を立つ。


「…いや、行かない方が良いだろう、きっと邪魔になる」


暦は確信めいた口調で命に言う。


「………、…ああ、成る程…、ったく、お兄の馬鹿…」


暦の言で大凡の見当が付いたのか、命は動きを止め、若干呆れ気味に呟く。


「………」


「…お嬢、先程から羽鳥様が此方を見ておりますが?」


教室の窓の隙間から注がれる羽鳥の視線に気づいた苅藻は、微笑みながら暦に伝える。


「…羽鳥の為だ、気付かないふりをする」


「…分かりました、お嬢がそう言うならば」


「……!」


暦は窓の外の景色を見ながら呟き、苅藻は羽鳥の方を見て悪戯っぽく微笑む。

苅藻と視線がぶつかった羽鳥は、苅藻の表情を見るや、慌てて目を逸らし、教室から去っていく。


「…(夜には雨が上がる…、夢と同じなら今宵は…)」


暦は暗雲の渦巻く空を見ながら思案する。


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