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超創機大戦  作者: 馗昭丹
表裏陰世界
39/77

白鷹隊の防衛戦

今回は白鷹隊視点となります。


興味があればどうぞ。

裏日本侵攻戦から数日後…。


裏日本の沖縄・種子島を落とし、守りを固めたハルツィス達は、かねてより進めていた調査を再開させる。


地盤を得た事で調査・発掘も進み、遂に何かを発掘する。


発掘したものは10m前後の円盤状の物体…。中心に3m前後の半透明の球体、その周囲

には数多の突起・陥没があり、中心の球体には胎児の様な態勢をした人影が見える。


衛連の上層部はそれをエールと呼び、本部はハルツィス達にエールの保護を命じた。


一方ではエールを危険視する派閥、エールの利用を目論む派閥がハルツィス達に圧力をかける。


白鷹にて…


「直ちにエールを引き渡せ、引き渡しに応じない場合、貴艦隊を沈める」


「その要求に応える道理はない、艦隊を沈めると仰るなら応戦させていただく」


「く…貴様、儂に逆らったものがどの様な末路を辿るかわからんらしいな…!」


「何度も言っている通り、此方は本部から直々にエールに関する特命を受けている、エールを引き取りたいなら本部に話を通してからにしていただこう、力尽くで来るほど…貴官も愚かではなかろう?」


「ふん、ハルツィス・A・永戸…!儂に何度も楯突いた事、何れ後悔することになるぞ…!」


「話はそれだけか?ならば切らせていただく」


「待…」


ハルツィスはあっさりと流し、回線を遮断する。


「…御苦労な事だ」


ハルツィスは溜め息混じりに呟く。


「今日で何度目だよ」


「百通は来てるな」


「連中は暇人しか居ないのかよ…」


「…中佐、連中が其処まで拘るエールとは一体何なのでしょうか?」


「本部は固く口を閉ざしている、今のところは何とも言えんな。…奴らに説明を求めても知る必要は無いの一点張りだ」


「しかし、本部からは保護せよと命じられました、これは皆も知る事実。大義名分は此方にあります」


「…はっきりとしているのは、エールが我等の手中にあり、奴らはそれを欲しがっている」


「…もし、エールを手放せば…?」



「そうなれば、当然我等は相応の処分が下される」


ハルツィスはそう言い、定期更新で送信される固定具を取り付けている途中のエールの画像を見る。


「…奴らはやり放題、此方は黙って耐えるしかない…か」


「マジかよ…」


「月でも似た感じでしたからねー」


「邪魔な中佐と僕達を陥れて、後の事は都合の良い風にしか考えていませんね」


「…中佐を失えば此処の橋頭堡を失うも同然、…それを承知で…」


グルアス達は複雑な気分で呟く。


「…逆に考えれば本部はそれ程の信頼を我等に置いているということだ、エールが此方にある限りは問題ない」


「………」


ハルツィスは、モニターに映るエールの中心部にある球体とその中に映る影を見ながら言う。


「…了ー解、まー念の為に偽造看破の抗体をばらまいときまーす」


シリングは棒読み口調で言い、専用端末を引き出して抗体を散布する。


-ジッ-


「………、…永戸中佐、さっそく来ました」


シリングが抗体を散布した途端、届いた命令文に全て偽物の太鼓判マークと本来の文が表示され、リーオンは吹き出してしまう。


「…何時も強引な手を使ってきますね、溜まってるんでしょうか?」


「………」


リーオンは複雑な表情をしながら言い、ハルツィスは眉間を押さえながら思案する。


「…バックアップは取っておけ、シリング…」


「…了ー解、此方も適当にやっておきます」


ハルツィスは溜め息混じりに言い、シリングは口の中の飴を噛みながらデータを編集・保存していく…。


「…中佐、外は諸勢力の方々が防衛網を構築していますが、奴らにとっては無いも同然…、このままでは」


アルマは憂い顔で言う。


「…案ずるな、アルマ」


ハルツィスは表情を変えずに呟く。


「はい」


アルマは微かに明るくなった表情でハルツィスに返事する。


-ジッ-


「中佐、エールの清掃と固定が完了しました、何時でもいけます」


「…よし、これよりエールを運び出す、警戒を怠るな」


「…ハッ!」


「任せとけ!」


「俺はイズロツで向かう、留守はシリング、お前に任せるぞ」


「り、了解しました」


発掘現場から通信が入った後、ハルツィスはアルマ達に言い、自らもZWに乗り込んで発掘現場に向かう。


白鷹の留守を任されたシリングは、安眠マスクを外しながら返事し、白鷹の留守を承る。

_______________


発掘現場にて…


「…これがエールか、直ちに運び込め」


「了解」


ハルツィスは清掃されたエールを見て言い、アルマ達はエールにとりつけられた固定具をZWに接続していく。


「運び出します、ふん!」


-ググググググ-


リーオンのガロツⅢがゆっくりとエールを吊り上げ、アルマとグルアスのガロツⅢがエールの固定具を掴み、ゆっくりと引っ張り出すが…。


「く…想像していたより…重い…!」


「ま…まるで…戦艦を引っ張り出してるみたいだ」


サイズの小ささとは裏腹に凄まじい重量を持つエールに、アルマとリーオンはぼやく。


「ちっ、ガロツⅢが三機がかりでもこれかよ!」


「中佐、これではガロツⅢが…!」


「これ程の重量だとはな…、俺も手伝う、一気に引っ張り出すぞ」


「了解」


グルアスとアルマのガロツⅢがエールを引っ張るが、エールは微かに動くだけで一向に進まない。


見かねたハルツィスは、エールの固定具をイズロツに接続し、アルマ達と共にエールを引っ張り出していく。


-ウゥゥゥゥゥゥン-


-ゴゴゴゴゴゴ-


「動くぞ!そのまま引き出せ!」


「…四機がかりでやっとかよ」


四機がかりで漸くエールを動かす事に成功し、ハルツィス達は徐々に白鷹へと向かっていく。


しかし…


-シュン-

-ズゥン-


「!?」


「どうした、シリング」


現場に衝撃が走り、ハルツィスは白鷹のシリングに確認する。


「…此方の呼びかけに応答なし、あ〜複数の所属不明のZWが其方に接近してまーす」


シリングが緊張感のない口調でハルツィス達に知らせる。


-ビビっー


「ZW反応!数は5!」


「別働隊を合わせると9になります」


「…三方からの挟撃か、エールの運び出しは中断!直ちに応戦しろ!」


「「了解!」」


索敵を終えたリーオンとアルマが敵戦力を伝え、ハルツィスはアルマ達に応戦する様に命じる。


-ガシッ-

-シャァン-


「ライフルにお気に入りのソード、武器持って来て正解だったな、へへっ!」


グルアスはガロツⅢの武器コンテナから高エネルギー・レーザード・ライフル改と大型コーティング・ソードを取り出しながら言う。


-ガシッ-


「此れは…バースト・リニア・ライフルか?」


アルマはチェスト・ウェポン・ユニットの94mmバースト・リニア・ライフルを見て呟く。


「それは俺の知り合いの伝手から取り寄せた武器だ、今回はそれで戦え」


「了解しました、中佐」


ハルツィスはアルマに言い、アルマはハルツィスに敬礼しながら言う。


「出るぞ!」


「待った」


-ガシッ-


「何だよ、リーオン」


「シールドを忘れている、グルアスは突出が過ぎるから背部につけておくよ」


-ガシュゥン-


「う…、すまねえな、リーオン」


リーオンのガロツⅢがグルアスのガロツⅢの背部にシールドを取り付け、グルアスはリーオンに礼を言う。


「今回は私とグルアスが前に出る」


「よっし、俄然やる気が出て来たぜ!」


「なら、僕はアルマとグルアスの援護をします、…中佐は万が一に備えて此処で待機して下さい」


「…任せる」


「お任せください」


「アルマ隊、出るぞ!」


「「了解」」


リーオンはハルツィスに言い、ハルツィスはアルマ達にZW戦を任せる。


「…シリング、白鷹はこの座標に援護射撃、あとの対応は任せる」


「了解」


アルマ、グルアス、リーオンを迎撃に向かわせた後、ハルツィスは白鷹のシリングに援護射撃を指示、自らはイズロツでエールの守備につく。


「先輩方、5秒後に援護射撃がいきますんで、この射線から退避願いまーす」


白鷹のシリングが援護射撃を予告し、白鷹の副砲の射線をアルマ達に送信する。


「了解した」

「了解だよ」


「なんだって!?シリング!何処に援護射撃だって!?」


「はい、発射ー」


-ビシュゥゥゥゥゥン-


「おわっ!?」


予告を聞き逃したグルアスの言を無視し、シリングは白鷹の副砲を発射。


グルアスは咄嗟に反応してガロツⅢをターンさせ、副砲を回避する。


白鷹の副砲は敵ZWを掠め、一機が半身を失って海に墜落していく。


「殺す気かシリング!?」


「やだなー先輩、僕はちゃんと予告したのにー」


「てんめぇ…!」


グルアスはシリングに抗議するが、シリングは適当な口調でグルアスに言い、グルアスはその口調にカチンと来る。


「グルアス!シリング!」


「…ちっ、んな事してる場合じゃねぇな」


「…ですねー、僕が別働隊を足止めしときますから、アス先輩達はさっさと囮部隊を潰しちゃって下さい」


「おう、頼むぜ…」


アルマの一喝で冷静になったグルアスは頭を切り替え、シリングも頭を切り替えて遠方の別働隊を牽制する。


-ガシッ-


「オラオラァ!」


-ビシュシュシュゥゥン-


グルアスのガロツⅢは高エネルギー・レーザード・ライフル改を連射しながら突撃し、敵ZW隊は散開。


-シャァン-


「動きが甘ぇんだよ!」


-バシュゥゥ-


大型コーティング・ソードを構えたグルアス機が即座に間合いを詰め、次の瞬間には敵ZWを真っ二つに叩き斬る。


-シュシュン-


「おっと!」


散開したニ機の敵ZWは、グルアス機にレーザー砲を放つが、グルアスは縦ロール回避をしながら再突撃する。


「迂闊な!」


-バシュゥゥ-


「落ちろ!」


-ズガァン-

-バキィィィン-

-ズゴォォォン-


続いてやって来たアルマ機が敵ZWをコーティング・ソードで両断し、リーオン機がもう一機の敵ZWをバースト・リニア・ライフルで砕き飛ばす。


「来るぞ!グルアス!」

「わぁってんよ!」


-ビシュゥゥン-


アルマの言に反応し、グルアスは敵ZWの斉射を回避する。


「バラバラになりなぁ!」


-コォォォン-

-バシュゥゥ-

-ガシッ-


「オラァ!」


-ガッキョォォォン-


グルアス機は敵ZWの斬撃を交わして逆に敵ZWの片腕を斬り落とし、至近距離で22mm側頭部レーザー砲を放とうとした敵ZWを蹴り落とす。


-ガシッ-


「砕けろ!」


-ズガァン-

-バキィィィン-

-ズゴォォォン-


グルアス機が蹴り落とした直後、アルマ機がバースト・リニア・ライフルを放ち、敵ZWを粉砕する。


-シャァン-


「アルマ隊長、後ろ…」


「………」


-バシュゥゥ-


アルマ機の背後に敵ZWが接近していたが、次の瞬間には敵ZWの胴体にコーティング・ソードが突き刺さっており、敵ZWは機能を停止して墜落していく。


「よし、次は別働隊を叩くぞ」


「了解」


囮部隊の壊滅を確認したアルマは言い、発掘現場近くに向かおうとするが…。


-ジッ-


「あー先輩方、此方はもう大丈夫ですよー、勢い余って別働隊を殲滅しちゃいましたから」


「…別働隊の方は思ったより弱かったみたいだね、白鷹の自動迎撃だけであっさり全滅するなんて…」


シリングが棒読み口調でアルマ達に言い、白鷹の防御を見ていたリーオンは苦笑気味に言う。


「別働隊の方は多分、自動操縦化した無人機ですねー、素人でもあんなに早く全滅しませんよ」


リーオンは飴を口に含みながら言う。


「…中佐は?」


「発掘現場近くで交戦中だった筈ですけど、静かになりましたねー」


アルマはシリングに尋ね、シリングは発掘現場近くの様子をアルマ達の機体に流す。


「…中佐の方もたった今、終わったみたいですね」


リーオンは発掘現場近くで工作員らしき者達を締め上げているハルツィス達を見ながら呟く。



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