白銀のZW
輪廻達が門徒衆と交戦している頃、輪廻達と別れた弓菜達は…。
-キリキリキリ-
-シュン-
-ウゥゥゥゥン-
「システム復旧確認、これで元通り」
結依菜は端末機を元に戻しながら言う。
「ありがとよ、結依菜。これで仕事もやりやすくなるってもんだ」
修理屋の姉御さんが結依菜の肩を叩いて言う。
「いえ、壱岐さんには姉さんも兄さんもお世話になっていますから」
結依菜は丁寧に言う。
「はは、コッチも兄貴が世話になってるからね、お互い様だよ」
壱岐は腕を組みながら言う。
「姐さん、整備に感謝するよ」
ネオンプラス4型のチェックが終わり、弓菜はハッチを開いて言う。
「…昔よりマシになったけど、アンタも無茶するね。このネオンプラス4型…VNFSのフレームも関節もガタガタになってたよ、もうちょっと丁寧に扱いな」
壱岐は溜め息混じりに言う。
「アタシは抑えてるつもりなんだけどね…、姐さんがそういうならもう少し落ち着かせてみるよ」
弓菜は思案しながら言う。
「…光牙も扱い方が荒いままだね、アンタらしいっちゃらしいけどさ」
「…精進します」
壱岐は光牙にも言い、光牙は目を閉じて答える。
「反対に…結依菜と雫石は丁寧に扱ってるね、弓菜と光牙も、その腕で丁寧に扱える様になれば一流さね」
壱岐は結依菜と雫石の扱い方を見つつ、弓菜と光牙に微笑みかけながら言う。
-ビビッ-
「姉さん、兄さん、テイロンの寄港場所が送られて来たよ!」
ZWのチェックをしていた雫石がテイロンの定期通信をキャッチし、弓菜達に送信する。
「…姐さん、もう少しゆっくりとしたかったけど、艦長からお呼びが掛かったからね、そろそろ失礼するさね」
-ピシュゥン-
-ガゴン-
定期通信の内容を受信した弓菜は壱岐に言い、再びネオンプラス4型に乗り込んでコクピットハッチを閉じる。
「…失礼します」
「…また来ます」
「ありがとう御座いました!」
弓菜に続き、光牙達もそれぞれ言いながらコクピットハッチを閉じていく。
「あいよ、いってきな!」
-ガシュゥゥン-
-ゴゴゴゴゴゴ-
壱岐は力強く言い、ZW用のゲートを開く。
-ズゥン-
「浅野弓菜、/ネオンプラス4型…出るよ!」
「浅野光牙、クラネオンⅢ、出るぞ」
「浅野結依菜、フライトネオンプラス4型、発進します」
「浅野雫石、フライトネオンプラス4型、出ます!」
-バチュゥゥン-
-ゴォォォォォォ-
開いたゲートから弓菜達の乗る四機のZWが発進し、夜空の闇に消えていく…。
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旧大阪湾上空…
「治安警察の警戒網突破、次は四国反政府連盟の警戒網に潜って穴を開けるわ」
「はは!結依菜にかかれば、奴らの網なんざ無いも同然さね」
「…それほどでも無いわ、単に奴らの網が脆いだけ」
結依菜は敵の網を巧みに交わしつつ少しだけ照れながら言う。
-シュン-
「これで行ける筈、んん…」
網破りが完了した結依菜は、背伸びをしながら言う。
「さあ、行くさね!」
「了解」
「「うん」」
弓菜の言の後に四機のZWが移動を開始する。
-ビビッ-
「え…?後方からZW反応!」
索敵していた雫石がZW反応を捉え、姉弟に伝達する。
「後方…?ぬ…!センサーの調子が悪くなっていく…!」
-ザザッ-
-ザァァァ-
「ちっ、酷いノイズさね…!強力なジャミング・フィールドでも張られているのかい!?」
レーダーも通信も映像もノイズが支配し、ノイズの音に弓菜は苛立ち気味に言う。
「こんなに強力なジャミング・フィールドを張れるなんて…、VNFS…全機のカメラアイをパイロットの視神経に接続…、開眼!」
-チュン-
「ぐっ…!?」
結依菜の操作でZWのカメラアイがVNFSを介してパイロットの視神経に直接映像を送る。
目を閉じていて、いきなり映像を送られた光牙はつい身構えてしまう。
-ゴォォォォォォ-
「白銀のZW…!?」
弓菜達の後方から白銀のZWが凄まじいスピードで迫り来る。
-コォン-
「!」
白銀のZWはツイン・レーザー・ブレードを展開し、光牙のクラネオンⅢに急迫する。
-バチュゥゥン-
「…姉上!」
「いきなりアタシの愛弟に喧嘩売るなんざ上等じゃないか!」
弓菜の/ネオンプラス4型が光牙のクラネオンⅢの前に割り込み、白銀のZWのツイン・レーザー・ブレードを両刃型プラズマ・シュナイダーで受け止める。
-ガシッ-
「姉さん!」
「このぉ!」
-ズガガァン-
-シュシュン-
結依菜と雫石が援護射撃を加えるが、白銀のZWは瞬時に間合いを取って回避する。
-ゴォォォ-
-カシィッ-
「ふん!」
白銀のZWにNEエクスオーブレイドを構えたクラネオンⅢが急迫する。
-ヒョォッ-
「!?」
-シュン-
-ズゥゥン-
「ぐう!」
擦れ違い様にNEエクスオーブレイドが一閃するが、白銀のZWは宙返りしてNEエクスオーブレイドを回避すると同時に、クラネオンⅢの背部にレーザー砲を当てて間合いを取る。
「…手強い」
「兄さんに攻撃を当てるなんて…」
光牙は白銀のZWを見て呟き、一瞬の攻撃を見逃さなかった結依菜は、白銀のZWに戦慄する。
-カン-
-ジッ-
「相手は一枚上さね…!フォーメーションを組むよ」
「「「了解」」」
相手が一枚上と見るや、弓菜は光牙達に直接回線を繋いでフォーメーションを組む様に言う。
-ズガガガァァン-
-ビシュゥゥン-
「行くよ!」
「続く…!」
-カシィッ-
-ドォォォォン-
ハイブリッド・ライフル(リニア)の斉射とレーザーの連射の後、弓菜の/ネオンプラス4型と光牙のクラネオンⅢが白銀のZWに突っ込む。
「動いて、撃ちまくる!」
-ズガァン-
-ズガァン-
「直感だけが頼りでも…!」
-ズガァァン-
雫石はハイブリッド・ライフル(リニア)を撃ちながら動き回り、結依菜は白銀のZWを狙撃する。
-シシシシュン-
-ビシュゥゥン-
「ハァァァァ!!!」
-ゴォォォ-
-ヒュヒュン-
-ヒョォッ-
弓菜の/ネオンプラス4型の連続斬りの後、光牙のクラネオンⅢのNEエクスオーブレイドが一閃するが、白銀のZWに回避される。
「其処!」
-ズガガァン-
-シシュン-
弓菜と光牙に続き、結依菜が白銀のZWを狙撃するが、回避される。
「このぉっ!」
-ヴゥゥン-
結依菜の狙撃に続き、間合いを詰めていた雫石のフライトネオンプラス4型が両刃型プラズマ・シュナイダーで斬りかかるが…。
-ズガァン-
-バキィィン-
「ふえ!?」
白銀のZWの94mmバースト・リニア・ライフルで両刃型プラズマ・シュナイダーを弾き飛ばされる。
「やらせん!」
「雫石はやらせない!」
-ズガガァン-
-ズガガァン-
直後に光牙のクラネオンⅢと結依菜のフライトネオンプラス4型が援護射撃を加え、雫石は一旦離れる。
-シシュン-
-シシュン-
-シシュン-
-ビシュゥゥン-
白銀のZWは光牙と結依菜の狙撃をすり抜けるようにして回避し、光牙のクラネオンⅢに背部共振粒子砲を放つ。
「思念波障壁!」
-ウゥゥゥゥン-
-バチュゥゥン-
光牙は咄嗟に思念波障壁を展開し、共振粒子砲を防ぐが…。
-ビシュゥゥン-
「何!?」
「「!」」
-ドゴォン-
-ドドドドドドドゴォン-
白銀のZWは回転しながら両肩部多連装プラズマ破光砲・ヴァジュラを連射し、広範囲に放たれた光の雨が光牙達を襲う。
-ウゥゥン-
-ドォォォン-
白銀のZWは両翼を広げて飛翔する。
其処へ…
-ヒュヒュン-
-カシィッ-
「くらいな!」
「むぅん!」
-ゴォォォ-
白銀のZWを待ち構えていたかの様に、弓菜と光牙のZWが白銀のZWを挟み込む形で迫る。
-コォン-
-バチュゥゥン-
-グググググ-
弓菜の/ネオンプラス4型のツイン・プラズマ・グレイブと光牙のクラネオンⅢのNEエクスオーブレイドが白銀のZWを左右同時に襲い、白銀のZWは左右のツイン・レーザー・ブレードで受け止める。
「うおおおお!!」
-ゴォォォォォォ-
雫石のフライトネオンプラス4型が、両刃型プラズマ・シュナイダーを構えて白銀のZWに突っ込んでいく。
-グググググ-
-バチュゥゥン-
-ビシュゥゥン-
「ちぃ!」
「ぐぅ!」
白銀のZWは圧倒的なパワーで/ネオンプラス4型とクラネオンⅢを薙払い、肩部多連装プラズマ破光砲・ヴァジュラを放って追撃する。
直後…。
「このぉっ!!」
-シュゴォォォォ-
雫石のフライトネオンプラス4型が両刃型プラズマ・シュナイダーを構えて突っ込んで来る。
-バシュゥ-
-ガッキョォォォン-
「うわぁぁ!?」
白銀のZWは二本のツイン・レーザー・ブレードで、擦れ違い様にフライトネオンプラス4型の両手首を切断し、更に蹴り落とす。
「雫石!」
-ゴォォォォ-
-ガシュゥン-
雫石は叫び、機体は墜落するが、結依菜のフライトネオンプラス4型に回収される。
-ヒョォッ-
-ヴゥゥン-
-ズゥゥン-
「…く、俺と姉上の動きが読まれている…?」
「…やるじゃないか、アタシ達を相手にこうまで戦えるなんてね…!」
白銀のZWに攻撃を悉く回避され、弓菜と光牙は舌打ちする。
「…あの白銀の機体、何か…おかしい…」
白銀のZWの戦い方を分析していた結依菜がふと呟く。
「…私達を撃墜する機会は何度もあった筈、何故こんな戦い方を…?」
結依菜は思案しながら呟く。
「………」
-ギショォォン-
-ウゥゥゥン-
-ドォォォン-
白銀のZWは両翼を収納して天高く飛翔し、そのまま離脱していく。
「あ!?待ちな!」
「!?」
「…逃げただと…?」
白銀のZWが急速離脱したのを見て、弓菜達は驚く。
-カン-
-ジッ-
「追うよ!」
弓菜は光牙達に直接回線を繋いで言う。
「姉上、駄目です」
「お姉ちゃん、追撃は駄目!」
「ね…姉さん」
「…くっ、そうさね…」
弓菜は白銀のZWを追撃しようとするが、弟妹に止められて頭を冷やし、追撃を思いとどまる。
「……、…急いでテイロンの寄港場所に向かうよ、付いて来な!」
「…了解」
「「うん」」
弓菜は言い、光牙達は弓菜に追従する。
…その後、弓菜達はテイロンと合流し、再び政府軍として戦う事になる。




